スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その159
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1180967022/l50
760 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/06/09(土) 22:25:02 e7T95276
流れとは何の関係もなく、ちょっと一本上げてみる。
この所、ようやくこっちにも揚がり始めた&いいのを食べられる時期に来たんで。
◇ ◇ ◇
「めに あおばー」
「やま ほととぎすー」
「はつがつおー!」
「いっただきまーす! イエー!!」
その絶叫を合図に、戦争が始まった。
「ふもふもふも!」
「ふーも! ふもふも! ふも!」
「ふもももももも!」
食べながら周囲を牽制しつつ、さりげなくレフリーのブラインドを突きながら
姑息なファウルプレーを繰り返して自分の分け前を確保しようとする大食い3人
衆。まあそんな事でファウルを取るレフリーもへったくれも居るものではないが。
その惨状を目の当たりにして、保護者であるゼオラと統夜は例によって例の如
く「恥をかかせおって…」と言わんばかりの表情で深くため息をつく。
「本当に、この子たちにかかると」
「季節感も風情も悉く因果地平の彼方に吹っ飛んで行くなぁ」
かように、まだ更生を諦めて居ない保護者たちの苦悩を目の当たりにしながら
、既に矯正を諦め達観に至ってしまった保護者…カティアとラトゥーニがこんな
言葉を口にする。
「まあ、あれはあれで置いておいて、こっちは別に食べてればいいのよ」
「うん」
異様に的確なその指摘を受けて、なんとかゼオラも統夜も気を取り直し、自分
たちの目の前にある鰹のタタキを口に運び始める。薬味は丁寧にすり下ろされた
ショウガ。当然調理はレーツェルの手によるもので、食材の吟味にも抜かりはない。
その味をひと口確かめて、統夜が充実感溢れる顔をして、しみじみと呟いた。
「うん、夏が来た…っていう感じだな」
その表情を見て、カティアとラトゥーニがいやに真剣な顔をして頷く。無論カ
ティアの視線の先に居るのは統夜な訳だが、ラトゥーニの方が視線を向けている
お方のリアクションはというと。
「しかし、初鰹というには遅すぎないか?」
その言葉を聞いて、戦場から一言。
「ふも!? ふもふもふ! ふもっふふもふもふふふ!」
「テニアは、『うわ!? 食通だ! 嫌な食通がいる!』と言ってます」
「カティアありがとう。あとテニア自重しろ」
きわめて冷静な統夜のつっこみが終わった直後、調理人レーツェルが嫌な食通
のもとにやって来る。
「まあ、リュウセイ君が言う通り、厳密な初鰹というのには遅いな」
「厳密な?」
「旧暦の4月1日…だから、5月の半ばぐらいか。そこから一週間以内に関東の
沖で採れた鰹の事を、そもそも初鰹と言ったんだ」
「はあ…」
「で、『女房に小一年』という初鰹というのはこれを指す訳だが、正直に言うと
あまり美味しいものではない…という気もする。純粋に味で言えば戻りの方が上
だしな」
「戻り?」
「秋になって、三陸沖でUターンして来る鰹だよ」
その言葉を聞いて、リュウセイと統夜が自分の記憶の中の光景を思い出していた。
「ああ!」
「そう言えば秋にもスーパーに並びますもんね、鰹って」
「その通り。まあ、そういう事を言い出すときりが無いから話を本筋に戻して」
リュウセイも含めて本質が真面目な人間が揃っているこのテーブルの一同は、
真剣にレーツェルの話に聞き入っていた。それを確認しながら、レーツェル先生
の講義はさらに続く。
「この時期の鰹は北上して行くに従って、次第に身が締まって行く。江戸で言う
初鰹の時期よりも前に鰹が揚がる高知だと、実は江戸だとか、今の時期の気仙沼
・大船渡辺りで揚がる鰹よりも身が柔らかく、臭みも強めになるんだな」
「そうなんですか」
「そのために生まれた料理法が鰹のタタキで、意外にもこの時期の鰹の事を高知
の人に聞くと『そんな美味いもんじゃない』という答えが返ってくる事も多い」
そこまでレーツェルの話を聞いたところで、ふと視線を逸らしたゼオラが、
ある事に気付いた。
「あれ? カズマ君にミヒロちゃん、お箸が進んでないわね」
その指摘を受けて、慌てふためいてカズマとミヒロがこう応じる。
「そ、そんな事ないですよ、ゼオラさん」
「うん、美味しいよね、お兄ちゃん」
しかし、その言葉と一体化されていた笑顔は微妙に、だが確実に引きつってい
た。その理由をそこはかとなく察して、レーツェルがこう言った。
「薬味か?」
答えて曰く。
「ええっと、その」
「薬味と言えば薬味…ごにょごにょ…」
「よし、わかった」
そこでレーツェルが取り出したのは、まずニンニクのスライス。
「関東ではショウガだが、高知ならこれがまず薬味の筆頭だ。これだろう?」
しかし。
「うん…」
「こ、これも美味しいですね」
違う。
彼らの表情が明らかにそう言っていた。
「なるほど、それなら…」
その言葉とともにレーツェルは厨房に消え、様々な薬味を皿に取って戻ってくる。
「万能葱」
「……」
「葱」
「……」
「ミョウガ」
「……」
「芥子」
「あ、うん」
「でもちょっとちが…」
「スダチ」
「近…」
「おし…」
その展開を目の当たりにして、カティアが小声で呟く。
「全部薬味を使っちゃったじゃない。まさか鰹そのものが…」
余りにも正直すぎる、同居人の悪い癖が露骨に出てしまったその言葉を、統夜
はできるだけ穏当な口調になるように、という気遣いをしながら、しかし明確に
たしなめる。
「こらカティア。言っていい事と悪いことがあるだろ?」
その言葉に、カティアも素直に応じた。
「すいません、失言でした」
それを確認した上で、統夜はここまでの展開を一度脳内で整理して見た。
「鰹そのものは文句のつけようが無い。薬味…であることはカズマ君もミヒロ
ちゃんも認めている」
さらに、リュウセイもこれに参加する。
「そして芥子の辛味とスダチの酸味が『近い』」
実はこの時点で、レーツェルは正解に気づいていた。ただ、自分の講義を生
真面目に聞いてくれた生徒の出来を確かめてみよう、といういたずら心が働き、
あえて推理に没頭する統夜とリュウセイを見守る体制に入っていた。
「リュウセイさん、ポン酢じゃ…?」
「いや、それじゃあ味の要素はスダチとあんまり変わらないだろ」
「ああ、そうか…」
「これにあと加わるとすれば…うーん、今までにない物で、臭みを消す要素」
「まろやかさ…クリームとか、油?」
その言葉に、カズマとミヒロがわずかに反応する。
そしてその直後。
「何だ、今日の夕飯はカルパッチョか」
そう呟きながら、スレイがテーブルに着いた。しかしその直後、スレイの表
情がにわかに曇り始める。そして、丁寧ではあるが苛立ちがはっきりと見てれ
る口調で、こう口を開く。
「レーツェルさん、貴方ともあろう人が、何たる見落としを」
わけがわからず首を捻り続ける統夜たちをよそに、スレイはその皿に足りな
いと判断した物をはっきりと言葉にした。
「マヨネーズを忘れています!」
そしてカズマとミヒロが、その言葉を待ってましたとばかりにこう続ける。
「そうですよねスレイさん!」
「カルパッチョって言ったら、マヨネーズがかかってないと駄目ですもんね!」
「レーツェルさん、俺たちにもマヨネーズお願いします!」
そしてその状況を見て、見習い探偵2人組は。
『ええーっ!?』
『そんなんアリかよ!?』
と顔に書いて、その場に固まっていた。
それを見て取って、この皿をカルパッチョと判断しているスレイは有無を言
わさず彼らの皿にもマヨネーズをぶっかける。
「うわっ!?」
「嘘っ!?」
「何が不満なのかわからんが、とにかく食べるんだ。好き嫌いは良くないぞ」
「いえ」
「しかし…」
「いいから、食べるんだ」
あからさまな怒りとともにスレイが吐き捨てたその一言を受けて、リュウセ
イと統夜はそれぞれの経験則から、こういう結論に達した。
『この手の女の人に』
『逆らっても、いい事って何もないもんな…』
そして、やけくそ半分でマヨネーズまみれの鰹を醤油につけて口に運ぶ。
「あれ?」
「うん、これはこれで」
「血なまぐさい感じが消えて、なかなか」
そしてその言葉を受けたスレイは、すっかり得意満面になって、
「そうだろう、そうだろう」
と言いながら、何度も頷いている。
鰹にマヨネーズという食べ合わせは、実際にかなり有名な組み合わせである。
その食べ味はリュウセイと統夜が評したとおり。ただ、やはり日本人にとって
は常識から外れ気味の味わい方であり、店の方でカルパッチョにでも仕立てて
いない限り、なかなか家庭外では頼みにくいものでもある。
「カズマ君とミヒロちゃんだけが微妙な顔をしていたのは、そういう事か」
「うーん、まだまだ修行が足りないなぁ…」
「ふーもっふー、ふもふも、もっふふももも、もっふ、ふもっふ」
「テニアは『そうだよー、統夜は、もっと豪華な、ごはん、作って』と言って
います」
「もっふもっふ」
「アラド君は、『そうだそうだ』と言っています」
カティアの通訳を確認した上で、統夜とゼオラは、またしても大きなため息
とともにこう応じる。
「お前の食欲に対応して豪華なご飯を作っていたら」
「お財布がいくつあっても足りないでしょ!?」
その光景を勝利の微笑みで見つめながら、スレイはさらにテンションを上げ
てこう口走り、そしてチューブを握り締める。
「さあ、皆の皿にもマヨネーズをかけてやろう。遠慮するな」
一同は、その光景を見て思った。
『あれ?』
『この光景って、確か前にもどこかで…』
『確実に、見たことがあるような』
そしてスレイが全員の皿の上にまんべんなくマヨネーズを振りかけてご満悦
の顔を作った瞬間。
何者かが、彼女の肩を叩いた。
「ん?」
そして彼女が振り向いた先に居たのは。
「ウオンチュッ!」
と親指を立てて絶叫している、うすた調の。
「チイ姉ちゃんだー!!」
「やっぱり来ちゃったー!!」
そして、この時点で盛大な勘違いを起こしているアカネは、スレイの肩をむ
んずと掴み、一気にこうまくしたてる。
「いやあ、素晴らしい! 実に素晴らしいわ! スレイさん! 前々から見ど
ころのある人だとは思っていたけど、これほどまでとは! さあ、これから私
の部屋でまる3日ばかり、マヨネーズと筋肉、主に僧帽筋へのマヨネーズの塗
りこみ方について熱く語りましょう! ええそうしましょう! 決まり!
もう決まり!」
「え、ちょ、アカネさん、うわ!」
「レッツゴー!!」
「嫌ぁぁぁぁ—っ!!」
スレイの声が、うすた走りをかますアカネによってドップラー効果とともに
フェイドアウトしていく光景を見て、一同は無言で合掌するほか成すすべが無
かった。
#スレイ彼氏欲しい計画(現状)
彼氏 0
ロボ 1
変態 5(+1)
◇ ◇ ◇
762 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/06/09(土) 22:33:52 Slz0w61A
鰹にマヨ・・・美味しんぼかッ!
763 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/06/09(土) 22:34:28 Coq6vd5C
>>760
最後の何ーーっ!?
あとアカネ・・・w
スーパーロボット大戦J 萌えスレ8夜目
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1158345975/l50
96 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 09:33:17 VXyeufNV
フルメタベースのJSSを考え付いたんだけど……ここに張ってもいいかな……?
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
とっぷり日も暮れて、そろそろ寝ようかという時に、電話が鳴った。見覚えの
無い番号だったのでいぶかしんだが受話器の向こうから聞こえたのは聞き知っ
た声だった。
「もしもし?」
「……紫雲か?」
「なんだ、宗介か?どうしたんだよ」
まだテレビを見ている三人の邪魔にならないようワイヤレスを自室まで持っ
ていく。

「時間が無い。手短に話す」
彼らしからぬ強引な話の持っていき方にいささか驚きつつも話を聞いている
と、彼の切羽詰る理由がよくわかった。
例のガウルンと同じ組織の幹部が千鳥かなめの部屋に侵入していたこと。そ
の幹部から最後通告のような台詞を受け、現在潜伏中であること。
「事が事だけに、お前や兜、弓にしか頼めん。ラフトクランズは動かせるか?」
ウィスパードとかいうものの関係でかなめが誘拐されたのだという事実を知
っているのはあの場に居たメンバーだけである。
「ああ……俺の声紋、指紋、虹彩ならいつでもネルガルのドックに入れるよう
にしてもらってる。必要になるか?」
「そうならなければいいが……脱出路の確保より先に敵のASが来るかもしれん」
「アーバレストは?」
「連中の目標はミスリル全体とも考えられる。ダナンの連中に無理はさせられ
ん」
つまり、仮に敵がヴェノムタイプのASを繰り出してきたらマジンカイザーや
ラフトクランズの力技で突っ切るしかないということか。
「既に兜、弓にも連絡しているが数で押されては敵わんかもしれん。……こん
なことを頼める義理ではないかもしれんが、手を貸して欲しい」
妙にそうたのまれた。
「何言ってるんだ、仲間だろう?俺たちは」
「……すまん」
リビングに受話器を戻しにいく。
「相良くんですか?」
コーヒーを入れているカティアが尋ねてきた。テレビでやっている特番、ま
だまだ見るつもりらしい。
「ああ。それじゃあそろそろ俺は寝るよ。お前らも早めに切り上げろよ」
「はい」
再び自室に引き込み、寝間着から外出用の服に着替え、他の服やら何やらを
布団の下に入れる。寝ているように見えなくも無い。
あすの夕方までには戻る。と書置きを机の上に残してそっと部屋を出て玄関
まで行き、音を殺して家を出た。
「あれ……?」
一瞬、扉の開く音がした気がしてカティアは廊下を覗き込む。誰もいない。
統夜が買い物にでも出かけたのかと部屋を覗くとベッドの上、布団にくるま
った人影があった。
「どしたの?」
リビングに戻ったカティアにテニアが尋ねる。
「なんでもないわ。気のせいだったみたい」
首を振りながらコーヒーとお茶請けをお盆に載せ、テレビの前でごろごろし
ている二人のほうへ向かった。
最寄の大通りからタクシーを拾って一路神奈川方面へ。
車内で少しでも休息をとっていた方が良かったのかもしれないが、半年振り
の戦いが目前に迫っているためか一睡も出来なかった。
ガウルンのいた組織とミスリルとはこれまでにも何度かやりあっていたらしい。
夏休み明け直後に宗介とかなめがそろって無断欠席をしたのも十中八九その関係だろうと統夜は見ていたし、この前のクリスマスにはシージャック犯を装ったミスリルの皆さんと海上で鉢合わせもした。
そこでふぅと一つ深呼吸。
大丈夫だ。これまでも何度かピンチはあったけど乗り越えてきた。こんな風に不安に押しつぶされそうなときだって凌いで来たじゃないか。だから、大丈夫。
「…………」
時計は2時を過ぎている。
「あいつら……もう寝たかな……?」
調布市を一望できる丘の上。写生大会のときなどに訪れたこの場所に二体の
巨人が待機していた。
「うう寒いなぁ……」
三月とはいえ夜の空気の中、かじかむ手をこすり合わせる。
宗介からの要請でこっそり研究所から出撃した後、いつでも駆けつけられる
ようにここに潜んでいるように言われて、一時間交替で即応体制をとろうとし
ていたのだがこの寒さでは寝られそうも無い。
「あら、珍しいわねちゃんと甲児君が起きてるなんて」
「そりゃないぜ、さやかさん。って言っても、この寒さじゃ寝られないっての
が本音なんだけどな」
「まあ」
「けど、さやかさんの方こそ寝てなくていいのかい?あと三十分もすれば交替
だぜ」
今は甲児の担当区分である。
「正直言うとあたしも寒さがちょっとね」
「何だ、それじゃあ始めからいっしょにいれば良かったぜ」
ふっと何も言わない通信機を見る。
「このまま何も起こらないまま……またすぐかなめちゃんも戻ってくればいい
んだけどな」
「そうね……」
「ど……どういうことなんですか!」
ネルガル横須賀ドック、そこの前で統夜は声を上げていた。
「ですから、支社長命令で今日一日は誰がなんと言ってもここから先は立ち入
り禁止なんです」
警備兵との押し問答で統夜は足止めを食らっていた。
この警備兵とも初対面ではない。月一でサイトロンリンクを行うために来て
いるのだが……。
「こんな時間ですが……また今度出直してきてもらうということで」
「今じゃなきゃ間に合わないんです!」
そこでふと思い当たるのはクリスマスの事件。
あの客船の船長は例の組織のメンバーだったらしい。そんな風に何処かの企
業にこっそりと、連中の根が伸びてきていれば……?
「……俺という戦力を削り取る気か」
「は?」
「いや、なんでもありません。出直してきますよ」
「はい。お気をつけて」
くるりと踵を返す。諦めた訳ではない。支社長クラスの命令で待ったがかか
っているのなら……そう、旧ナデシコの面々と接触してアカツキへ一刻も早く
コンタクトを取り、ここを開けてもらわなければならない。
「おや、紫雲さんこんな所でどうしました?」
「プロスさん!」
懐かしい顔に驚く。しかしこれは僥倖だ。上手くいけば大したタイムラグも
無く行けるかもしれない。
「えっと……どうしても、今、ラフトクランズが必要なんですけど……」
「何か、問題でもありましたか?」
「はい。現在支社長命令でここから先は今日一日立ち入り禁止となっておりま
して……」
これには警備兵の方が応えた。
「支社長命令?ふぅむ……おかしいですなぁ。命令の内容そのものが」
「は……それは私も感じていますが……何分命令ですので」
「……わかりました。ここで紫雲さんに悪印象をもたれて、今後ネルガルに協
力していただけなくなっては我社の利益に反しますからな。私が会長代理とい
うことで許可しましょう」
「い、いいんですか!?」
それは願ったりかなったりであるが……。
「何、かまいません。元々異質な命令なのですし会長のほうには私から後で許
可をいただいておけば彼が咎められることもありませんし、なんなら私に不意
打ちを受けたということにしていただいても結構ですので」
びくっと一瞬身構える警備兵。
「ああ、本当にやるわけではありませんからご安心を。ブラフという奴ですな」
「そ、そうですか……」
「さて、参りましょうか」
スタスタと統夜よりも先に奥へ進むプロスペクター。
「助かりました、プロスさん」
「いやいや、紫雲さんには色々とお世話になりましたし……何より死地を渡り
歩いた戦友ですからな」
きらり、と眼鏡を光らせつつプロスペクター。
「そういえば、なんでこんなタイミングでここに?いえ、助かったからありが
たいんですけど……」
「いえいえ、それは企業秘密という奴でして……そういう紫雲さんこそどうな
さったので?」
「え……?」
言われてみれば、そりゃおかしかろう。まだ夜も空けきらないこの時間、機
動兵器を欲するなどと……。
「まあいいでしょう。紫雲さんが無為な破壊に目覚めたとも思えませんし、あ
の部隊に居た方の行動がそういったものであるとも思えませんしね」
最深部へと向かうロック。
「紫雲統夜。キーワード、フューリーが騎士エ=セルダ・シューン」
声紋、指紋、虹彩、キーワード、全てが合致しハッチが開放される。そこに
佇む蒼の巨人。
「それでは紫雲さん、御武運を」
「ただ移動の足に使うかも知れませんよ?」
半年振りに袖を通すパイロットスーツ。
「それは無いでしょう。今のあなたの顔は戦う者のそれですよ」
まいいったな、と言う様に後頭部をかく。
半年振りに乗るラフトのコクピットに三人の姿は無い。だが、この半年でサ
イトロンのリンケージ率は上昇している。俺一人でも問題は無い。
「ハッチ開放。いつでもどうぞ、紫雲さん」
結局最後の発進まで付き合ってくれたプロスにラフトで頭を下げ、ネルガル
の地下ドックから蒼の騎士が空へ舞った。
南半球の都市、シドニー。ペーパーカンパニー<アルギュロス>のオフィスで
ロス・イゴール将軍は黙々と仕事を行っていた。
「ボーダ提督がお付きになられました」
部下からのそんな報告にも一つ頷くだけで再び眼前の書類とにらめっこをす
る。
ミスリルの中で彼が中心になって作り上げた部隊、獣戦機隊は問題だらけな
がらも頑張っているようだった。
エレベーターが開き、隻眼の男と中年の男性が入ってきた。
「これから忙しくなるぞ、大佐」
一緒に入ってきたワグナー大佐にそう言葉を投げかけるボーダ提督へ敬礼を
向けると向こうも返してきた。
「イゴール将軍、どうかね?君の息子は」
「なかなかの親不幸っぷりをしめしてくれていますよ。連絡の一つもよこさな
い。それよりもアマルガムの件ですが」
「うむ。敵の指揮系統が、既存のものとは全く異なるからな。そうでなければ、
われわれがここまで後手に——」
そこで、衝撃が走った。この指揮室の正面からのものでオペレーター達がふ
っとび反射的にボーダを庇うように動いたロス・イゴールの体もその衝撃に飲
み込まれていった。
チンッとトースターからこんがり焼けたトーストが跳ね上がり、フライパン
の上で目玉焼きが心地いい音を奏でている。
「ね、見てみてカティア〜!十兵衛焼き〜」
と、見せるフライパンの中には一方は潰され、一方はそのままの二連目玉焼
き。
「あなたね……」
ふぅ、と呆れるため息をつく。
「なんだよ〜、そんな反応はないじゃん。そもそもあのアニメ見せてくれたの
カティアだし。……ところで統夜は?今日はやけに遅いけど」
「メルアが起こしに言ってるわ。ほんと、昨日は一番最初に寝たはずなんだけ
ど……」
「あああああ〜!」
そのメルアの絶叫が聞こえてきた。
「な、何!?」
「メルア、どうしたっ!」
フライパンを戻し、駆け出すテニア。カティアもそれに続く。
声の出所であった統夜の部屋に駆け込むと一枚の紙を持ち、ぶるぶるとメル
アが震えている。
「か、カティアちゃん〜、テニアちゃん〜!」
うるうると目を涙ぐませて震える手でその紙を差し出す。
「な、なに?」
その紙を見ると
『あすの夕方までには戻る』
…………
「統夜はっ!?」
ばっとテニアが布団をめくるがそこには衣類の山。
「い、いなくなっちゃいましたぁ〜!」
先程にも負けぬ悲鳴が近隣一体に響いた。
◇ ◇ ◇
105 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 11:10:41 VXyeufNV
ひとまずここまでで……皆様の反応が良ければ続けさせていただきまする。
106 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 11:16:17 lLT0yXNh
>>99_105
GJ!
実際にJの後日談としてもありえそうだ、
続けてください
107 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 12:10:12 v4yBxm4Z
イゴールとかボーダーとかって誰だっけ?と必死で調べている俺がいる
用はGJ!
108 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 14:32:57 9xDbpozD
ロス=イゴール:アランの親父のみならず獣戦機隊の親父。原作中、基地の白兵戦で死んじゃった。
ボーダー:ジェローム=ボーダー。ミスリル全てを統括する作戦本部の総責任者。実態はヤンキー親父。
彼と彼の友人の奇行については『安心できない七つ道具?』の『老兵たちのフーガ』を参照のこと。
なにはともあれGJ! 貴官の続きを期待する。
109 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 16:25:52 hJ3FOMM5
>>VXyeufNV
GJ!!
『先輩』の出番に期待します
(統夜が居れば出番はないかな?)
110 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 17:03:31 ujXbwPE2
普通に面白いじゃないか
GJだよ
111 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 17:41:13 VXyeufNV
たくさんの感想、ありがとうございます。
というわけで第二部、参りまする。
◇ ◇ ◇
そんな日本地区よりもはるか南方の孤島。ミスリル、トゥアハー・デ・ダナ
ン艦隊のベースであるメリダ島で警報にたたき起こされて消火活動に回され、
不機嫌の頂点に達していた藤原忍はずかずかと歩いていた。
「ったく、なんだってんだ!こっちは一仕事終わったばっかりだってのに!」
「言ったって始まらないさ、忍」
こちらも煤だらけになりながら沙羅。
「敵が来ている。その不満は全部そちらにくれてやることだ」
「当たり前だっ!」
盛大に声を上げるリーダーにやれやれと亮は首を振った。
格納庫の片隅にASオペレーター達が固まっている。そこへ獣戦機隊も合流
する。
SRT要員のトップ、ウルズ1ベルファンガン・クルーゾー大尉の主導で経
状況が説明される。
第一波のミサイル攻撃で地上施設の大半が破壊されたこと。そして、あの巨
大ASベヘモスの改良機が3機こちらへ向かっていること。接触は40分後。
脱出路確保のためこれを迎撃すること。
「おいおい、待ってくれよ。その『巨人』は例のラムダ・ドライバを搭載して
るんだろう?そんな機体を、しかも三機も迎え撃つって——そりゃ無理だぜ」
「同感だね。勝算は有るのかい?」
クルツの言に沙羅が同意する。
「獣戦機隊とも思えぬ言葉だな」
「あのな、俺たちは死んで来いって言われてはいそうですかって頷くようない
い子じゃねえんだよ、大尉さん!」
「それでも迎え撃たねばならんのだ、藤原少尉」
クルーゾーは静かに言った。
「この基地はかなりの規模の爆撃にも耐えられるように設計されてはいるが、
それにも限界がある。ベヘモス三機に上陸されれば、いずれドックので整備中
のデ・ダナンも破壊されるだろう」
「でもよ——」
「唯一の脱出手段だぞ」
「ここは絶海の孤島だ。救援などないし、敵もわざわざ捕虜をとろうとは思わ
ないだろう。デ・ダナンが失われれば、戦隊の人間全てがこの穴蔵で心中する
しかなくなる。あのベヘモスを倒すほかに生き延びる方法はない」
ふむ、と亮は考え込む。あのデカブツとはあの有明のときとDr.ヘルの人
工島を攻略したとき、さらに今から考えると何かしらの関係が在ったとも思え
る鉄鋼竜要塞攻略のときにもあの姿はあった。
その全てのときに味方には何体もの特機とあの白いASの姿があった。
その上での現状の戦力差までに考えを伸ばしたとき、沈黙を破ってSRTの
スペック伍長が言った。
「じゃあ、こういうのはどうだ?こんな無茶な負け戦に付き合うのなんて、や
めてよ。これからテキトーなライフル持って司令センターに行こうぜ」
「やめなさい、スペック」
マオの静止を無視してしゃべり続ける。
「テッサとデ・ダナンを無傷で差し出すって条件なら、敵も乗ってくるだろう
な。やつらだって兵法のイロハくらい知ってるだろう。逃げ場をなくした敗軍
の抵抗ってのは……そりゃもう、すげえもんだ。相当の損害をしなきゃならな
い。ビジネスライクな話し合いで済むなら、向こうも喜ぶと思うぜ」
「それ以上ざれごとを口にしてみろ。敵前逃亡と反逆罪を適用するぞ」
その眼光に静止以上のものをのせてクルーゾーが言った。
「雇われ兵になに言ってるんだ?作戦本部が吹っ飛んじまったんだぜ?俺らの
ギャラを、あんたが払ってくれるっていうのか?え、大尉さんよ」
「貴様……」
「部隊の仲間のために喜んで死ねってか?ハリウッドのバカな戦争映画じゃね
えんだぞ?そういう単細胞のヒーロー気取りが一番始末に負えねえ」
そこで一瞬ちらりとその視線が忍のほうを向いたのに本人が気づく。
「言っとくが、俺は犬死はごめんだぜ」
「おいスペック。誰のこと言ってやがる」
一歩、前へ進む忍。
「……何のことですかな、少尉殿?」
「しらばっくれてんじゃねぇ。単細胞とか抜かしたとききっちりこっちのほう
を向いてたじゃねえか!」
「へぇ、自覚はあるのか」
「スペック、てめえ!」
「忍、やめなって!」
雅人が制止しようとするがそれを押しのけてスペックの胸倉を掴む忍。
「旗色が悪くなったからって、敵に味方を売るような玉無し野郎に単細胞扱い
されるいわれはねぇ!」
「だからヒーロー気取りだってんだよ、特機乗り!」
負けじとこちらもその胸倉に掴みかかる。そこで新たな声が割って入る。
「わたしを売る。なかなかの名案ですね」
PRT要員を二名従えて、格納庫入り口からテッサが入ってきていた。
「大佐殿……」
「そういう話も出ているだろうと思って、様子を見に来ました」
「聞いてたのかい」
「ええ。途中からですけど」
「悪く思わないでくれよ。こっちも商売だからな」
スッと半歩だけ、亮は体をずらしてスペックがテッサに飛び掛っても即応で
きるように身構えた。
「そうですね」
しかし、飄々とテッサは聞き流すように頷くとPRT要員にこう言った。
「拳銃を貸してください」
彼は一瞬躊躇した後、言われた通りにスイス製のオートマチックを抜いてテ
ッサに手渡した。
「ありがとう」
いつもと変わらぬ笑みで一つお礼を言った後、安全装置をはずしてハンマー
を引き上げる。その動作はスムーズで危なっかしいところはどこにもない。
「スペックさんの考えに傾いてる人もいると思います。ですが、許しません。
反逆を企てる者は、わたしがこの場で射殺します」
スペックは阿呆のようにぽかんと口を開けていたがようやく頭が意味を咀嚼
したところで小さなため息をついて肩をすくめた。
「おいおい、無理するなよ。あんたはいい子だと思うが——」
その足元に轟音と共に撃ち込まれた弾丸はそれだけでは飽き足らないのか跳
弾しはるか後方の壁にその身を埋めた。
「態度をわきまえなさい、伍長。もしかして、わたしがわざわざここまで足を
運んで、涙ながらに協力を訴えるとでも思っていましたか?けなげな善意を期
待して、同情混じりの忠誠を請うとでも思っていたのかしら?」
二の句の告げないスペックに容赦なく畳み掛けていく。
「ここにいる以上は、あなたも『戦士の回廊』を歩む者でしょう。自分の意思
でこの窮地にやってきた。違いますか?」
「いや……」
「わたしを名ばかりのお姫さまだとでも思っていたの?」
「…………」
「言ってみなさい。わたしがだれか。その役職と階級を」
いつも通りの柔らかい口調。いつもどおりの美しい顔にはしかしそれを上回
る迫力を帯びていた。
スペックは乾ききった喉で唾を飲むと口を開いた。
「……テレサ……テスタロッサ大佐。トゥアハー・デ・ダナン戦隊の総司令官
です」
「よろしい。では、さきほどの発言を撤回して謝罪しなさい。いますぐ」
「……撤回します。冗談が過ぎたようです。申し訳ありませんでした」
「けっこう」
銃のハンマーの位置を戻して、テッサは銃を返した。
「あいにくですけど、敵はミスリルの存在そのものを地上から、いえ。地球圏
から消すつもりです。わたしたちが合理的なつもりの交渉を持ちかけても、効
果は無いでしょうね」
違いあるまいと一人頷く亮。自分たちを生かしておいても得るものなどある
まい。不利になったからと寝返るような兵隊などどこも欲しがらないだろう。
「スペック伍長。隊はあなたの技能を必要としています。反逆を煽動した罪は
、みんなが生き残ったら帳消しにしてあげましょう」
それだけ言うとテッサはくるりと踵を返した。
「…………生き残る?どこにそんな望みがあるってんだ……?」
「バカヤロウ!なけりゃ作るんだよ!俺たちの手で!」
「藤原少尉はよく理解しておいでのようですね。それとも野性の本能かしら?」
にっこりと微笑みながらもう一度だけこちらを見る。
「もう一度わたしの報告書を読みなさい。頭を使って、工夫をしなさい。疑問
があるなら、わたしやレミングに助言を請いなさい。そんなこともできない木
偶の坊なの?」
忍には縁遠い言葉だな、と雅人は思ったが空気を読む自負はあったので(自
負だけだが)口には出さずにおいた。
「どうも勘違いしているようですね。わたしは一度もあなたたちに『死ね』な
どと命令したことはありません。これまでも。そして——これからもです」
あくまでも毅然たる態度の彼女にその場は静まり返り、スッと一同直立して
いきそれの最後の一人の雅人も直立の姿勢をとりながらぴゅうと口笛を鳴らし
た。
「テッサちゃん、かっこい〜!」
茶化しでもなんでもなく、純粋な畏敬の言葉にテッサは素直に答えた。
「ありがとうございます。……生き延びなさい。命令です」
「イエス、マム!」
「幸運を」
最後に微笑みながらそう言って彼女は去った。
しんと静まり返った格納庫で、視線の集中を感じて観念したようにスペック
が口を開いた。
「あー、わかってる。わるかったよ、くそっ。イラついてただけだ。でもよ、
みんなちょっとは考えただろ?そんな目で見ねえでくれよ」
スペックの言葉に大半が自嘲気味に嗤った。
ケッ、どいつもこいつも……と忍はそっぽを向いたが、食って掛かろうとは
しなかった。
「……まったく、エンジェルといい彼女といいやられっぱなしだな。彼女の言
うとおりだ。悲壮な覚悟に浸るのはやめて、もう少し知恵を絞ろう。作戦の報
酬は己の命といったところか」
「妥当なギャラだ」
「ま、なんとかなるかもしれねえし……」
「あー、たまらん。嫁さんにしてえ」
何て事を当のスペック自身が言うのだ。
「残念だったな」
にやりと笑ってクルーゾーは言ってやった。
「彼女へのプロポーズは階級順だ」
爆笑。
「さて……では対策会議の続きだ。この中でベヘモスと実際に戦って、一矢報
いた経験のある奴は誰だったかな?」
自然、その視線は獣戦機隊とクルツに向いていき、そして獣戦機隊はクルツ
のほうを向いた。
「え……?俺?」
街中の自然公園で起こった火災にカイザーとビューナスで降りてきたが、そ
こにはもう何も無かった。
「戦闘だったのは間違いないみたいだな……」
爆発四散したらしい残骸はヘリのものだと見て取れたし、クリスマスの船上
でみた人間サイズASたちの残骸やその他戦闘員と見て取れる死体もあった。
「甲児君。この足跡は……」
さやかに呼ばれて見てみるとカイザーやビューナスよりは小ぶりな、しかし
明らかに人よりは大きい足跡がとつとつと続いていた。
「ASのサイズよね、これ」
「ああ。きっとアーバレストだ」
しかし、どうやらこの場から移動してしまったらしい。
「下手に探し出したら余計に危険になるかもしれないわね……」
「ああ。むしろ俺たちのほうで敵の注意をひきつけておこうぜ」
朝のわずかな時間を利用し、調布市のあちこちで起きている破壊活動を報じ
るラジオに耳を傾けながら、じきにその位を退く陣代高校生徒会長林水敦信は
引継ぎのための書類を片付けていた。
昨日の夕刻、部下の彼と交わした会話を思い起こしつつ、ため息をついた。
憂慮。
おおよそこの青年からは普段感じられぬそんな雰囲気が感じられた。
「林水会長っ!」
そこへいささかの慌しさを伴って三人の少女が駆け込んできた。
「どうしたのかね?カティア君、テニア君、メルア君」
先程までの表情は成りを潜め、いつもの生徒会長がそこに座っていた。
「統夜、知りませんか!?」
「行方、というのであれば今日はまだ彼は見ていないね」
悠然とそう答える。
「じゃ、じゃあ、相良君は!?」
「……いや、彼も今日は見ていないな」
「そうですか……」
見るからにしょぼんとする三名。
「どうかしたのかね?」
「今朝、気づいたら統夜の姿が見えなくって……」
「それで、思い出してみたら昨夜相良君から電話があったあと、誰かが出て行
った気がしたので……」
「相良さんと何か関係があると思ってそっちに連絡を取ろうとしても全然連絡
が取れないし、かなめさんもメールの返事が来ませんし……」
「…………」
無言のまま林水はちらりとラジオに目をやった。……考えすぎなのだろうか?
行方の知れない宗介たちと、この事件……。
◇ ◇ ◇
118 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/27(水) 17:54:48 6XL61XCO
どっかで読んだことあるなと思ったら「続くオンマイオウン」か
しかし、上手くJキャラが組み込まれてるな…良作だと思う
123 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/28(木) 03:58:48 odPOfIr1
>>VXyeufNV
GJ!
期待してるからがんばってくれ
124 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/09/28(木) 08:28:20 q5vzmm2y
>>VXyeufNV
こちらからも言わせて貰おう
GJだ
151 :96 :2006/10/02(月) 01:49:27 pmM7c/CH
え〜、多数のGJありがとうございました。おかげさまでようやく完成いたしました。
落としどころをいろいろ悩んだのですが、いかがなものでしょうか?
皆様のご感想など、頂けると幸いです。
◇ ◇ ◇
『忍、来たよ!』
雅人の声に目を見開く。
今回の作戦で三機のベヘモスはそれぞれA,B,Cと区別され、Aにはマオとクルーゾー、Cには獣戦機隊、Bにはクルツをリーダーとした残り全てのSRT要員が配されていて本命とされており、A,C対応班はB撃破までの間になるだけ時間を稼ぐように言われていた。
A,B対応班にはそれぞれ多数の無人兵器がつけられていたが、C班には獣戦機のみであった。
これは根本的に運用方法が違うというのが第一理由で、獣戦機には元々他の無人機を運用するための装置が無かったのと、わずかな時間ではそれを取り付けるのが不可能だったこと、彼等自身が必要なしと判断したことがその理由だった。
ダンクーガといえども、その火力でラムダ・ドライバを突破できる確証は無かったがそれでも獣戦機が分離すれば十分にかく乱は可能だろうと忍は考えていた。
今回、メリダ島にダンクーガがいたのはあくまでも偶然である。本来四つの戦隊のいずれにも属さず、衛星軌道上のガンドールに待機している彼らは、東南アジア地区での任務後、機体の損傷が激しかったためこちらのほうへ緊急避難的に帰還したのだ。
そのため、頼みであるガンドールとも別行動であり現在の最大火力は
『亮!断空砲フォーメーションだ!』
「行くぜ!」
身構えた青の巨体に照準を合わせる。
『マキシマムレベル!シュート!』
ダンクーガから放たれた光はラムダ・ドライバに一度阻まれ、それを貫き通し、ベヘモスが大きくよろめいて……それだけだった。
『ちっくしょう!なんて頑丈さだ、あの青達磨!』
もしコダールだったならば、ラムダ・ドライバで削がれた威力でも殲滅するのに十分な出力だっただろうが、ベヘモスの装甲はそれほど柔ではないらしい。青い塗装ははげ、装甲にも亀裂が走っていたがまだまだ戦闘に問題はなさそうだ。
「忍、来るぞ!」
『各機分離散開!妖精の目を起動!注意力散漫になってたら遠慮なく弾丸をぶち込んでやれ!』
獣戦機がばらけ、エネルギーを本体にまわして空になったブースターを砲弾が貫いた。
これでもう、補給なしに断空砲は撃てない。
『こちらビースト1!ダンクーガの最大火力で迎撃するも敵の損傷は軽微!足止めに入る!』
妖精の目はラムダ・ドライバの発動箇所を光学的に表現する機器で、これによって力場の効力の薄いところ=注意力散漫な箇所を判別することが出来るのだ。
本来ならあえて注意力を薄くしていき、出来るだけ薄くしていったところに必殺の一撃を叩き込むのが正しいやり方なのだがそこが獣戦機隊の獣戦機隊たる所以で、注意力散漫になったところを叩かれればベヘモスの搭乗者はそちらに注意を引き、その分他が薄くなる。そこを叩けばまた他が薄くなる……と繰り返していく……人間なのだから四方八方に気を配っておくことなど出来るはずもなく、出来たとしてもそれを長時間続けるのは相当の精神力を消耗するものであり……つまり、忍たちは我慢比べをやろうというのだ。相手を精神的に疲労させていき、もはや集中力が持たなくなった時点で一斉攻撃を仕掛ける。
初代ベヘモスの搭乗者タクマは薬物でもってそれを伸ばしていた。今回の搭乗者も同様の可能性があるが、それにしたところで無限ではない。
四人がかりの根性勝負で負ける気などさらさらなかった。
『ウルズ2より各機へ!』
そこで通信機からマオの声が響く。
『軽微ながらも、巨大ASに損傷を与えた!』
たったの二人で、しかもダンクーガほどの火力もなしで、である。
『いけるわ。ただし気をつけて。敵の火力は圧倒的よ』
『聞いたか!?四人がかりのオレたちが、負けるわけにはいかねえぜ!』
『当たり前だろ?』
『見せてやろうじゃないの、俺たちの野生をさ!』
「俺たちで撃破することも、不可能ではあるまい」
上空から急降下しつつ、ミサイルとバルカンの雨を降らせる。下方の注意が散漫になったところでビッグモスの巨砲が撃ち込まれる。微弱ながらも展開していたラムダ・ドライバに阻まれ、装甲に傷をつけるには至らない。
苛立ったようにバルカンを撃ち込んでくるがビッグモスとて並みの重戦車ではない。バルカンごときはものともせずにパルスレーザーを撃ち込んでいく。
実質的に言えばビッグモスとベヘモスの大きさに大した差はない。そもそも、ヒューマノイド形態ではその全高は頭一つ小さい程度なのだ。
亮の方もこの巨体でマトモに避けようとは考えていないし最も警戒すべき物干し竿を取り回すには近い場所に陣取っていた。無理に撃とうとすれば、こちらには場所を変えるタイミングを取れるようにしている。
クーガーとライガーはそのAS並みのサイズを生かして、この岩場の多い地形を移動していた。ベヘモスの40ミリバルカンでも十分破壊できる装甲でしかないが、まず捕らえきれない。そして上方から、おそらく本人は死んでも認めないだろうが注意をひきつけることを主目的とした忍のイーグルファイター。時たまヒューマノイドモードの滑空でライフルを撃ち込んではまたバルカンの射程外に退避するのを繰り返していた。
(いけるな)
亮はそんな確信めいたものを抱いていた。が
『こちらパース1』
カリーニンの声が聞こえる。
『いいニュースの直後だが、悪いニュースも伝えなければならない。敵の降下部隊が南東から接近中だ。多数のASと歩兵部隊だろう。敵はこの基地の地下を制圧するつもりだ。おそらく、十五分以内に白兵戦になる。それまでにベヘモスをできるだけ片付けなければならない。さもなければ——部隊は全滅だ。デ・ダナンも出航できないだろう。地下ドックから出たところで、狙い撃ちにされる』
『チッ、ちんたらやってる場合じゃねえってのか!』
悪態をつく忍。
『そんな、無茶だよ!』
半ば悲鳴の雅人。
『でも、どうしても、やらなきゃならないわけでしょ?』
『肯定だ』
育ての子へと受け継がれた簡潔な言葉が響く。
『気楽に言ってくれるね』
クーガーでライフルを撃ち込みつつ、沙羅もぼやく。
「どうする。ビッグモスだけでもそちらの足止めに回るか?」
『……いや、このまま攻撃を続ける!とっととこいつをぶちのめして、その後でそっちにも対応するぞ!』
『ちょっと忍、本気?』
『当たり前だ!』
そこで一つ息を入れ、コクピット左のボタンに手をかける。
『やあってやるぜ!』
既に三年生の通常授業は終了していて、本来成績の面から言っても林水が学校にいる理由は何もなかったが、彼の矜持から受験に向けての特別授業は受けていた。
その最中、懐の携帯電話が震えた。
教師の目を盗み、名前だけを確認する。……公衆電話だ。
だが、この状況での公衆電話は……。
「先生」
挙手して、教室を退出して手洗いで電話に応答する。
「はい」
『先輩。頼みがあります』
正しく予期していた声にいくらか安堵し、またいくらか気を張った。
「トラブルかね」
『ええ』
「わかった。どうすればいい?」
今、全力で彼に協力したいと思った。昨日告げたとおり、時が尽きたらしい。これが、おそらく最後となるだろう。
『1100時に全校生徒、および職員を二分以内に校舎から出してください。自分の過失を原因としていただいてかまいません』
つまり、校舎を空にしろということか。
「まいったな。停学ものだ」
『必要なんです』
切羽詰ったように思える声に、今言うべき台詞ではなかったかと眉をひそめる。
「いや、冗談だよ。喜んでやろう」
『助かります』
「構わんさ。ただ——」
小さく、ため息をつく。先程感じたことを尋ねる。
「これでお別れということかな?」
『……おそらく』
「そうか。達者でな。……君との一〇ヶ月は楽しかったよ。本当に楽しかった」
『俺もです。楽しかった』
世辞でもなんでもない、初めて会ったときからそれだけは変わらぬ素直な後輩の言葉が、この時だけは悲しい。
「彼女にもよろしく言っておいてくれ。出来る限り力になるとも」
『はい』
言うだけ無駄なことも判っている。自分には彼らの世界で物事を為すだけの器量はない。ただ、この学校でのみかろうじて彼と盟友であれた。
「幸運を」
その自分の無力さにいささか怒りを覚えながら、彼は友のため階上の放送室へと向かった。その道中の火災報知機を押す。これだけで十分説教ものだなと自嘲しつつ、頭の中でシナリオを整える。
「テスト、テスト。こちらは生徒会です」
生徒会長としての最後の職務は、人命救助だ。仮に自分の直感どおり、彼が自分に助けを求めるほど切迫した状況で『向こう』の、戦場という世界が侵食してきているのなら、一年半前あの機動兵器が落ちてきた以上の惨事となる。
「つい先程、北校舎で重大な災害が発生いたしました。当生徒会の補佐官——えー、ご想像の通り、彼です——彼が持ち込んだ化学兵器が、不幸な事故により漏洩しました。これから一〇〇秒以内に校庭まで避難してください。すこしでも遅れると死にます。お急ぎを」
四機の獣戦機がアグレッシブビーストモードでの戦闘を開始してから既に八分。時間が、無い。
『ちっくしょぉぉぉおおお!』
雄たけびを上げて突っ込むイーグルファイターも虚しくラムダ・ドライバ突破には至らず、島の南半分は既に制圧下に置かれているし、基地内にも一部侵入を許している。
「く……」
幸いというか何というか、四機とも四肢はどこも欠損していない。装甲にひびが入っていても戦闘には支障は無い。しかしそれだけではダメなのだ。ここだけで五分に渡り合えていても。
ベヘモスB対応班は多数の犠牲を払って撃滅したというが、それでも大勢に影響は与え切れていない。
(ジリ貧だな)
ギリ、と奥歯をかんだところで通信が響く。
『藤原、合体だ!』
はっと空を見上げるとイーグルファイターより一回り大きい飛行メカがあった。
『アランか!』
『ガンドールも援護の準備は完了している。ファイナルダンクーガに合体して、一撃でケリをつけるぞ』
『よぉし、それなら!キーワード!D,A,N,C,O,U,G,A!ダンクーガ!やぁってやるぜ!』
合体の間隙を突こうとするベヘモスは逆にアランのブラックウィングに後背を突かれ、その隙に合体を完了させ、さらに背中にブラックウィングが合体する。
『断空剣!』
柄から生えた切っ先を天に掲げる。
『エネルギー充填120%、ガンドール砲発射!』
断空剣にガンドール砲のエネルギーが蓄えられる。
「愛の心にて、悪しき空間を断つ!」
『名づけて、断空光牙剣!やぁってやるぜ!』
ベヘモスが両手を前に押し出してまで防御に専念する。これまでの最大の強度でもって展開されたラムダ・ドライバはしかしあっさりと突破され、光の牙は青い巨体を両断した。
『ターボスマッシャーパーンチッ!』
カイザーの腕が飛び、不用意に接近したASシャドゥの腹をぶち抜く。
二人は現在宗介からの要請で対空用ECMを最大出力で発信しているため完全に無防備となっているアーバレストを守っていた。
学校内部と、常盤恭子にくくりつけられた爆弾の遠隔操作をキャンセルするためである。
『くっそ〜、こいつら後から後から湧いて来やがる!』
ASだけではない。人間の歩兵も無人のアーバレストにとっては十分脅威となりうる。が、いくらあの戦争中不本意とはいえ人を殺したことのある甲児たちとしてもこんな目に見える形での人殺しにいい気はしない。
『ルストトルネェェェド!』
比較的殺傷力の低い攻撃で押し戻す。高いビルから落ちているものもいるから何名かは死んでいるかもしれないが。
恭子を人質にするような連中に慈悲など無用だと考えても、そうそう割り切れるものではない。
『このぉ、だめだって言ってるでしょ!』
ビューナスの手がランチャーを構えた歩兵から武器を奪い取り、足元に光子力ビームを撃ち込む。
『警告。六時方向より敵対機接近。サベージ、1』
アーバレストの外部スピーカーが告げる。
『くそっ!さやかさん!』
『ダメ、間に合わないわ!』
後方から接近してきたサベージがヒートハンマーを振りかざしたところで、
「オルゴンソード、ファイナルモード!」
虚空から現れた蒼騎士がサベージを二分していた。
「済まない、遅れた!」
『統夜!この野郎、どこほっつき歩いてやがった!』
「横須賀から出た直後に、こっちを目指してると思われるベヘモス・タイプのASがいたから足止めしてたんだ!」
また一機のシャドゥを袈裟切りにする。
『ベヘモス!あいつらそんなものまで持ち込んでるの?』
「日本にあるスーパーロボット研究所の数を考えたらありえない話じゃないさ。実際そっちのほうは超電磁チームに任せてきたからね」
ベヘモスは例えたどり着かないまでも注意を逸らす役割を担っていたのかもしれない。
「ところで、なんでアーバレストが動かないんだ?それに、確かこっちには来ないだろうって……」
『テッサちゃんが気を利かせてくれたんだとさ。実際、相良しか動かせないんだからこっちにこっちに回したほうがいいんだろ』
『それで、今は学校に仕掛けられた爆弾の遠隔操作をさせないために電波妨害に全出力を入れてるから動けないのよ』
『ECM作動中。あと三〇秒』
「爆弾!?」
『しかも恭子ちゃんを人質にしてやがったんだ。他の生徒は林水先輩が校舎から出してくれたから、今相良は恭子ちゃんの救出に行ってる……ファイヤァァァブラスタァァァッ!』
飛び掛ってきた一機を迎撃する。
『ECM停止。本機はこれよりファイルX−2の特別司令に基づき、緊急避難モードを起動。回避行動を開始します』
アーバレストのAI、アルの言葉と共に立ち上がるアーバレスト。跳躍し、近隣のビルに着地する。
「ジャミングが止んだ!」
学校の方面を望遠する。……爆炎は、無い。
『やったぜ!』
喝采を上げる甲児。
「いや、まだだ!敵はやる気だぞ!」
未だに戦意は止まず、アーバレストを追う敵機を統夜はシューティングサイトに重ねた。
メリダ島。
基地司令部を放棄してテッサを先に逃がし、その他の人員も彼女についていかせた。
ASを扱えない以外は十分な実力を持ったSRT要員ウルズ9ヤン・ジュンギュ伍長も付いていったようだ。
アンドレイ・セルゲイビッチ・カリーニン少佐はたった一人、通路に居た。
自らの選択が正しかったのか過ちであったのかはわからない。
だが、あの銀髪の少年に賭けてみたくなったのもまた事実だ。
「アンドレイ・カリーニンだな?」
アマルガム側の部隊長と思われる男がそう尋ねてきた。
「そうだ」
マシンガンを捨て、カリーニンは応じた。
大挙して日本地区に押し寄せたAS部隊にラストガーディアンからも秋津マサト達が迎撃に出ていた。
(こいつらの軍勢……)
あのガウルンの扱っていた連中と同種のものだ。そう、アマルガムの部隊だ。
木原マサキの知識にはその名が刻まれていた。否、元々マサキはあの組織の創設者の一人だった。が、自らの冥王計画の実現には遠いと見たマサキはアマルガムを離れ、鉄甲龍を同じくアマルガムを抜けたルラーンと共に作り上げたのだ。ただ、あの戦役の最中現れた軍勢を見た時、アマルガムは鉄甲龍に吸収されたものと思っていたのだが……。
『AS部隊沈黙。任務完了よマサトくん』
「いや、まだだ。これは陽動に過ぎない」
『え?』
「敵の本命は……多分あそこだ」
半ば廃墟となった街。学校の校庭、生徒たちの固まっているのと反対側に四機のロボットが居た。
そちらも、行動にこそ支障はなさそうだったが装甲のあちこちにひびが入りひどい有様だった。
「……ボロボロだな」
サイトロン粒子の物質化による機体修復を開始しつつ苦虫を噛み潰した顔で統夜は呻いた。三人が無事に避難してくれているといいが……。
『三人とも……こんな事に巻き込んでしまって……済まなかった』
『だから、気にすんなって』
『そうよ。学校のみんなも守れたじゃない。十分よ』
「宗介……千鳥さんと行くのか」
統夜が直球に尋ねる。
『ああ……ひょっとしたらもう地上の、地球圏のどこにも安全な場所は無いんだろうが……逃げるしかない。俺はそうすることしか知らないんだ』
『私達の研究所に来れば……お父様も事情を説明すれば守ってくださるわ!』
『そうだ。何度敵が来ようと俺たちで蹴散らしてやるぜ!』
『ダメなんだ。それではダメなんだ!』
宗介らしくも無く、叫ぶ。
『それでは君たちに迷惑がかかってしまう。最悪政府そのものを敵に回すことになりかねないんだ!お前たちなら、そんなことを気にしないでくれるかもしれない。だが、もう千鳥が限界なんだ!自分のために、他に迷惑がかかることを耐え切れないんだ!』
『け、けどよ……』
「!」
そこで統夜の脳裏に閃く。
「待て、話は後だ。何か、来る!」
それを裏付けるようにアーバレストのレーダーも捉える。
『大型輸送機が接近中。方位一八七。距離二〇。一機。速度五〇〇。高度一〇〇〇から降下中』
アラーム音と共にアルが伝える。
『機種、C−17。敵味方識別、無し』
『この状況だ。間違いなく敵だぜ』
「だからって撃墜するわけにもいかない。ここで落とせば街に突っ込む」
一気に高度を下げてきていて地上高三〇〇mあたりを通過していった。
『何だありゃあ?』
「いや、ASが降りたんだ!ECSを展開してるだけで、近くにいるぞ!」
ばっとラフトクランズを上昇させ、サイトロンでスキャンをかける。校舎のほうにASが使ったと思われるパラシュートが落ちた。
(どこに……いる?)
宗介も甲児も、さやかも油断無く辺りを見回すが、見えない敵が見えるようになるわけでもない。
手を出しあぐねている中、アーバレストがバッと身を翻し、ボクサー散弾砲を撃ち放った。
改めてそちらに目を向けると、いた。
白銀の鋭角的な装甲に左右非対称の角を持った頭部。ラフトのバックパックにも似た肩のパーツは、まさか単独で飛行能力を持ったASだと言うのか?
「違う形だけど……こいつも持ってるな」
ラムダ・ドライバを。でなければ素手でASが来るはずがあるまい。
『さて——相良宗介くん』
腰に手を当てつつ、外部音声でその声が響いた。人を食ったようなしゃべり方だ。
「……ばらす気か」
宗介の素性を学校のみんなに。
『——僕はそこの人々を人質にするつもりはない。その意味さえ感じていない。でも、あえて言っておくよ。これが最後の警告だと。諦めて彼女を渡す気はないかな?』
『てめえ、好き勝手言ってるんじゃないぜ!』
カイザーがその胸部からファイナルブレードを抜き放って構える。
『答えならわかっているだろう』
宗介も、外部音声で応えた。
『まあ、そうだろうね……でもさ。そういう物分りの悪さ……もしかして格好いいとでも思ってるの?』
『何の話だ』
『ちょっとね。そういうの、嫌いなんだよ』
白銀のASの翼——やはり翼だった——が展開し、機体を浮遊させた。
そして次の瞬間、猛烈な力でアーバレストは吹き飛ばされた。
『相良くん!』
『てめえ!やりやがったな!』
吹き飛んだアーバレストのサポートにビューナスが回り、カイザーが切りかかった。
『てぇりゃあああ!』
「よせ、甲児!」
が、統夜の制止も遅い。
白銀のASのラムダ・ドライバに阻まれる。
『マジンカイザー……中々強力な機体のようだけど……ガウルンの乗った初期型にさえパワー負けしてたのに。「完全領域」と自由に交感してラムダ・ドライバの力を全て引き出せる僕に勝てるわけ無いだろう?』
『な、何!?』
ラムダ・ドライバの力場に囚われて宙に浮き、その手の所作だけでマジンカイザーが錐揉みしながら飛んでいった。
『甲児くーん!』
一瞬さやかがそちらに気をとられたとき、接近してきた白銀のASのラムダ・ドライバで上乗せされた手刀で逆袈裟に切り払われ、中破した。
『きゃああああああ!』
身もだえするビューナスにはもう目もくれず、空を見上げた。
『それで?フューリーの騎士さんはどうするんだい?』
見上げたそこに蒼い機体は無い。
その後背で、オルゴン・クラウドを乗せたオルゴンソードとラムダ・ドライバが衝突していた。
「く……そ!」
『惜しかったね……こんな街中でなければ最大の攻撃力で挑めたんだろうけど。……力不足だよ』
翻った左手がラフトクランズに力場をたたきつけた。
「ぐうぅうううう!」
後ろにいる生徒たちの事もある、跳躍するわけにもいかず、オルゴン・クラウドを全開にして後ずさるだけで凌ぎきる。生徒たちには……大丈夫。そっちには突っ込んでいない。
「はっ……は!」
この間に体勢を立て直したアーバレストが、完全に後ろを向いている敵ASにボクサーを向けた。背中の放熱板が伸びる。やった。アーバレストもラムダ・ドライバを駆動した。これで……
『見苦しいよ』
それだけ言い、白銀のASの手刀がボクサーを持った腕ごと振り向きざまに切り裂く。
それでも怯まず、頭部のチェーンガンを放つ。
が、ラムダ・ドライバを乗せた最後の反撃も当たり前のように白銀のASの前には無力で、今度は頭を潰され、右膝が反対に曲がり、左足は大腿部から欠損し……
「宗介えぇっ!」
シールドを展開して爪を開き、背後からその白い翼を狙うが、届かない。阻まれる。
その間にもアーバレストの胸部、コクピット辺りを踏みつけ胸部装甲を引き剥がした。
「ああああああ!」
絶叫した。友の命が目の前で尽きようとしていて。
『五月蝿い……!』
半ばイラついたように声が響き、今度こそラフトクランズも吹き飛ばされ、宙を舞った。
それを見届け、再びスクラップとなりかけているアーバレストに目をやり、半壊状態のオペレート席にいる男に、銃弾を打ち込まれた。
「…………っ!」
不快だ。こいつも、さっきのドンキホーテもあの特機乗りも。それで彼らが屈服するわけでは無いことはわかっていたが、見ているだけで吐き気がした。
もう一発、宗介のグロックが火を噴き、ラムダ・ドライバで後も残らず消し去ろうとしたところで、異変が起きた。
『警告。敵対機出現』
アーバレストのさらに向こう側、禍々しい機体がそこにあった。
「遅かったか……」
出現した特機、グレートゼオライマーのコクピットでマサトは呻いた。
『なんてこと……』
『ゼオライマー……木原マサキさんですね』
宗介からそちらに眼を向ける白銀のAS。
「レナード・テスタロッサ……だったか」
『よく覚えていますよ。まだ僕は二歳だった。でも、あなたとの共振が無ければ僕の人生はもっと別のものになっていただろうから。それだけ印象的だった』
うっとりとそれこそ懐かしむようにレナードの声が響く。
「アマルガムが動いてるだろうとは思った……けど、何で君がそこにいる?」
『僕の目的のためにはその方が都合が良かったんですよ。あなたの作り上げたこの民主的な組織の方がね』
「…………」
『まぁ、面白みが無くなっただけじゃなく、ウィスパードとしての力すら失った秋津マサトに興味は無いからね。お説教は聞かないよ』
その手が再び宗介に向けられる。
「悪いが、彼は僕の恩人の想い人だ。殺させるわけにはいかない!」
グレートゼオライマーが両手を構える。
『確かに次元連結システムならラムダ・ドライバなんか無いも同然だろうけど……でも、ここで冥王の力を開放すればどうなるだろうね?』
白銀のASの向こう側、未だに避難しきれていない学校の生徒たちの姿が見えた。
「く……」
外部音声出力を切る。
「美久、次元連結砲だ。出力を抑えて、ピンポイントでコクピットのレナードに直撃させる!」
『そんな、無茶よ!』
「他に手が無い!」
スッと右手を上げるゼオライマー。
おもわず身構える。まさか、本気でやるつもりか?秋津マサトはそんな人間ではないと聞いていたが……木原マサキならば、ためらわず攻撃するだろう。
「これで!……!?」
入れていたレバーを引き戻す。長い黒髪の少女が間に入った。
『もうやめて……』
「千鳥さん!?」
半壊したコクピットから這い出た宗介も、彼女を見た。
『おわりにして。ついていくから』
『だれにかな?』
『————あなたに』
ASの頭部が宗介のほうに向く。
『聞こえたね、相良宗介くん』
乗れといっているのか跪きながら、右手を差し出した。
『千鳥……やめろ……』
呻きながらかなめの方へ一歩寄るが、彼女はASの手に乗る。
『もういいの』
『よくない……』
『あたしは大丈夫だから。あなたも……』
『絶対に……連れ戻す……この場所に……連れ戻す……』
《……普通に暮らしてたってね……》
あの戦いの最中、かけられた言葉が内に蘇る。
《普通に暮らしてたってね、死にたくなるようなことはいくらでもあるのよ!》
その上で、彼女があそこに向かったのなら。
(ああ……そうか)
もう、心が、折れているのだ。彼女は。
ゆっくりと上昇していく白銀のAS。
『追いましょう、マサトくん!』
美久の言うとおりに、機体を上昇させていくが、なんとなく、わかっていた。
(多分、無駄だよ)
今の彼女では、助け出しても迷惑するだけだろう。自分のせいで他人が傷ついてしまうことを許容できないやさしい人だから。
だったら、狙われるのが自分だったら、始めから連中の方に行けば、大切な人は傷つかないから……。
(でも、千鳥さん。大切な人は、自分と関わりが有るからこそ大切な人なんだよ?)
一機の特機と戦闘機、二機の第三世代型AS,超高高度からの移動要塞によるビーム攻撃。
『亮、鉄拳を食らわせてやれ!』
しかし、数の差はいかんともし難く、じわりじわりと防衛線は後退して行き、必然的に最も狙われたくない場所を敵に教える結果となっていた。
「はあああああ!」
ダンクーガの鉄拳が正面のASを粉砕した。第三世代型であろうとラムダ・ドライバの無いASが特機に対しては力不足も甚だしい。
『おまえら、そんなのはいいからあのデカブツを何とかしろってんだ!』
メリダ島の崖先、クルツが40mmをバラ撒きつつ悪態をつく。
『うるせーっ!だったら細々したものこっちに寄越すんじゃねえ!』
「忍、くるぞ!」
既に長大な大砲は無力化され、ミサイルも撃ちつくし、残るは頭部の機関砲とその巨体だ。デ・ダナンの発進口前で二つの巨体が力士よろしく組み合う。
既に精神的に消耗が頂点に来つつあるのかラムダ・ドライバはその重量を支えるだけで障壁としての機能はほぼ失っていた。
『全砲門開け!零距離でぶち込んでやる!』
パルスレーザー砲、ビームランチャー、連装キャノン砲を始めとしたダンクーガの火力が青い装甲に吸い込まれていく。
『忍!ダナンが動くよっ!』
『ちっ!引くぞ!』
膝蹴りを一発かましてひるんだところで一気に距離をとった。そこへダナンから発射された六発のADCAP魚雷が全弾命中した。
『他の機はいい!ベヘモスに火力を集中しろ!』
ここが正念場と見たクルーゾーの掛け声の下、ファルケとクルツのガーンズバックの40mmとブラックウィングのビーム砲、ダンクーガのダイガンが集中して浴びせられる。
もはやまともに防御行動も行えていない。バランスも崩し勝った、と確信したところでドックから漫然と飛び出したダナンがベヘモスにぶちかましをかけた。
それを解っていたのか、開いている上部甲板に降り立つM9とファルケ。
『獣戦機隊の皆さん、援護ありがとうございました』
『お、おう……』
さしもの忍も度肝を抜かれていた。ちなみにあの最後のベヘモスはダナン体当たりの衝撃でバラバラになっていた。
「ふ……流石はダナンを駆る女(ヒト)だ。とんでもない女傑だな」
『藤原』
ビーム砲で戦闘ヘリを落としながらブラックウィングが接近してきた。
『周辺の敵機は一掃した。この隙にガンドールへ撤退する』
ファイナルダンクーガとなって一気に上昇をかける。
「さらばだ、七つの海をかける女神……願わくば、再び会わんことを」
ビックモス部分のハッチを開け、亮は手にしていたバラを中空に投げた。
激しい頭痛の中、意識が覚醒していく。
「あ……く……」
目を開くと、泣きそうな顔でのぞき込む三人。
「っ統夜!」
目が覚めた事を見て取り、抱きつくテニア。
「よ、よかった……」
ぼろぼろと涙を流すメルア。
「お前ら……」
「もう少し待っててくださいね。ネルガルの救護チームがここに向かっていますから」
起きあがろうとしたのをカティアに押さえられた。
「俺……一体……」
「あの銀色のロボットに吹き飛ばされてさ……あたし達、ほんと心配したんだからね!」
「そっか……俺……」
銀色の……AS……。
「っ!あのASは!宗介の奴は!」
一気に意識が覚醒する。抱きついているテニアやカティアの制止を振り切るように上半身も起こす。
「あのアームスレイブは……カ、カナメさんを……連れて行っちゃいましたぁ……」
先程とはまた別の理由から涙を流すメルア。
「…………」
言葉もなく、再びシートに倒れ込む。
「相良君も……行方が知れないわ。かなめさんが自分の身と引き替えに彼の安全を要求してたから生きているとは思うけど……」
「なんて……こった……」
そこで自分の体に血が付いていることに気づいた。それをたどっていって頭に傷があるのだとわかった。そういえば体が冷えている割に顔が妙に生暖かい。
「……甲児やさやかは?」
「統夜よりは軽傷だよ」
「そうか……」
最強の傭兵と魔神皇帝と騎士とが……まるで子供扱いだった……。
言いようのない虚脱感に統夜は覆われていた。
あれから五日後。
二年前……体感的には一年半程度だが、ともかく自らの運命と出会った校庭に統夜は立っていた。
頭に巻いた包帯をそっと撫でながら2−4を見る。珍しく無事な窓の向こうでさっきなにやら騒がしくなり、そして今は落ち着きを取り戻している……直に彼が来るだろう。
校舎の方から歩いてきた宗介を正面から見据える。
「紫雲……いろいろと、助けられた。ありがとう……」
直に顔を合わせるのが六日ぶりの友人はそれだけ言うと統夜の横を通り過ぎようとした。
「待てよ」
その手をつかむ。
「行くんだろ、千鳥さんを追って」
「そうだ」
「だったら手伝わせろ。責任は俺にだってある」
「無理だ。お前の腕は知っているが、ロボットが扱えればいいというものでもない」
「だが、お前の兵隊の技能を駆使しても彼女の行方をつかむのは至難の業だ。……違うか?」
宗介は答えず、統夜の手を振り払おうとする。
「……お前には何も責任はない。これまで通り、普通の生活を続ければいい。それも戦いだ」
「そうもいかないんだよ……」
振り払うに任せて、統夜は宗介の背中に言う。
「あの三人も千鳥さんと同じだ。地球人でありながらサイトロンを扱えるようにされてる三人は狙われる可能性がある」
そこでハッと振り返る。
「あの三人にも、今まで言ってなかったけど実はミスリルからガード役の人も来てもらってたし、実際今までに二回。お世話になってる」
「…………」
「まぁ……もう連絡も付けられなくなってるけど……」
再び正面から向き合う。
「……アカツキ会長がナデシコBの就航を巻き上げてくれたから、それに乗り込めるようにしてもらった。半年にもならない平和な時間で、あいつらにも申し訳ないけど先に行かせてある。……だから、宗介。お前も来い。その中で千鳥さんも探せばいい」
「……ネルガルは信用ならない。万が一、千鳥を助け出せてもあいつらがウィスパードのことを知れば……」
「アカツキ会長の間は大丈夫だよ。あの人は、商売第一のような顔をしていて、その実旧ナデシコクルーで一番人間的だからね」
「だが……」
「そんなに気になるんなら彼女を助けた後、艦を降りて人目のないところに行けばいい。どうせそのつもりなんだろう」
「…………」
じっと考え込む宗介。
「それに、ナデシコの最初の目的地は南の島だ。……五日前、ここの襲撃に合わせて戦闘光が確認された、地図に載ってない島の調査に行くそうだ」
「!」
その意味するところを察して顔を上げる。
「消息が解らないだけなんだから、まだ希望はあるだろ。なにか手がかりもあるかも知れない」
「…………」
「な、宗介。また俺たちが力合わせれば、千鳥さんだって助け出せるさ」
「と、いうわけでぇー」
ナデシコBブリッジ。
艦長の定位置に付いているのはテンカワ・ユリカではなく、ホシノ・ルリでもなく、ネルガル会長アカツキ・ナガレその人だった。
「僕がこの度、ナデシコB艦長となったアカツキ・ナガレだ」
「なんでだ」
とりあえずストレートにつっこむ統夜。
「何でって……君はテンカワ婦人をここに引っ張って来いって言うのか?」
「なんで会長のあんたがここにいるんだって聞いてるんだ」
「それだけ今回の事は重要な事態だってことさ。考えてもみたまえ。ミスリルの押さえてくれていた連中は巨大な軍需産業らしきフシがある。エステバリスの有用性にようやく軍のお偉いさん方が気づいてくれて、ミスリルと関係があったっぽいジオトロンもごたごたしてる。ここでアマルガムを押さえ切れれば、エステを軍の主力機として売り込むことも夢じゃあなくなるって寸法さ」
「強がるなよ、アカツキ。相良達の学校が襲撃されたと聞いて一番焦っていたのはお前だろう?」
ネルガル兵器開発部所属となっていたダイゴウジ・ガイがにやりと笑いながら言う。
「……君たちに善人扱いされるのは心外だと、前にも言ったろう?」
「照れるなよ。そんなあんただから俺たちも頼れるんだ」
「……まぁいい。どっちみち僕はお飾りに過ぎないよ。実務はホシノ君に一任するし、戦闘になれば僕もエステででるしね」
「……それでもエステが二機にラフトクランズとあり合わせからくみ上げたM9しか無いじゃない」
ぼそりとオペレーター席のルリがツッコミを入れる。そんなルリを体よく無視し、アカツキは指を向ける。
「ナデシコB、発進!目標、旧ミスリル西太平洋艦隊トゥアハー・デ・ダナンベースキャンプ、メリダ島!」
「了解。オモイカネ、サポートお願いね」
『了解!』
必要最低限の人員構成での出港だった。かつての仲間の十分の一も集まらず、それでもそこに絶望はない。
「無事だと……せめてテスタロッサさん達が生きてるって手がかりが、あればいいな」
「ああ……そう、だな」
キュ、と握り拳を作る。目に映るのは、直接二度見た銀髪の少年。
「紫雲」
「なんだ?」
「俺たちは、勝てるな?」
「……勝つさ」
一つ大きくうなずく。
「テスタロッサさん達も見つけ出して、またみんなの力を合わせて、何度も地球を救った俺たちの手で、今度は千鳥さんを助け出そう」
統夜の言葉に頷き、相良宗介はブリッジから青い空を見上げた。
ここに来ることを決める前は、カシムに自分を戻そうかとも思っていた。あの戦闘マシーンでなければ彼女は救えないと思った。
だが、彼らの助けがあれば大丈夫だ。アルを失っても、相良宗介のままでも、千鳥かなめを助け出すのに不都合はない。そう——
「問題ない(ノープロブレム)」
だ。
◇ ◇ ◇
152 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/02(月) 05:11:10 brYF6URv
>>151
とりあえず、これだけの長さのSS、GJです。
153 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/10/02(月) 16:08:42 Fz+4cvnd
>>151乙
携帯からは読めないので、職場のパソでプリントしたよ
A4で12Pも在るとは思わんかった(^^;)
感想は後程
ラミア・アクセルvsジョッシュ・ラキ
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1153754185/l50
623 :D萌スレPart7->>895 :2006/10/16(月) 23:36:23 qWE+kSJn
リクエストされたラミアとアクセルの方のSS、ここに貼ってもいいかな……?
624 :それも名無しだ :2006/10/16(月) 23:45:13 i9qJKoMw
>>623
いいんじゃないかな、ここはラミアとアクセルも範疇だから
625 :D萌スレPart7->>895 :2006/10/16(月) 23:51:27 qWE+kSJn
では……
ラミアの口調とアクセルのアホっぷりが上手く再現できてるか些か不安ですが、ひとまずキス1。
◇ ◇ ◇
「ラーミ〜アちゃんっ」
妙なイントネーションで呼び止められ、ラミア・ラヴレスが振り返ると、目下記憶喪失
中の元上司が駆け寄ってきていた。
「なんでございますでしょう?」
「いや、特に用って訳でもないけどさ、ただそっちも待機中でしょ?一緒にいたいな〜と
思って」
記憶を失って再び彼女の目の前に現れたアクセル・アルマー。
彼の話によると、いろいろと回っていたらしい。
まず目覚めたのはオーストラリアで、エルアインスの中で傷だらけになっていたらしい。
そこをカリオンのスレイ・プレスティに拾われて、しばらく行動を共にした後、彼女が兄
の今際の際に立ち会うために訪れたテスラ研で、ベガリオンに乗り換えた彼女に置いてい
かれたりしていた。
そのテスラ研では直接に面識が無かったため誰もが瞬時に思い出せず、アクセルという
名を思い出した者もあまりにも違いすぎるその印象に同じ名前の別人だろうと考えてしま
っていた。
その後テスラ研でテストパイロットをやっていたが、今度は艦隊を率いて再び現れたエ
アロゲイターに対抗するためかつてのハガネ・ヒリュウ隊のように戦力を集結することに
なったスペース・ノア級五番艦に出向した際、同乗していたイルムガルド・カザハラ中尉
が当人なのではないかと危惧。その判断のために教導隊からラミアも出向させられ、彼の
見聞を行っていた。
「やっぱり、あいつか?」
「はい……こちらの世界のアクセル隊長であることもあり得まするが、そうなるとなんと
も……」
艦長室にて、ラミアとイルムと、艦長のアーウィン・ドースティンがいた。
「だが、君の話では彼はオーストラリアに居たという。ホワイトスターが変貌したアイン
ストの一番大きい破片が落着したのもあの地だ。スレイ・プレスティとやらの証言も欲し
いが、状況証拠からすると間違いなく当人だろう」
「ですが、あの隊長は間違いなく記憶喪失なのですわ。それは疑いない」
「だから、なんだ」
眼鏡を外し、アーウィンの肉眼がラミアを捉える。
「先の戦争中もキョウスケ・ナンブ中尉を、任務ではなく私怨でもってしつこくつけ回し
たという。記憶が戻れば同様のことになるのは目に見えているだろう」
「それは……」
「彼には艦を降りてもらって、しかるべき場所で監視付きで療養してもらうのが筋だろう」
「…………」
そのことは、よくわかっている。それが一番確かなのだとも、だが……。
「まぁまぁ、お前の正論もよくわかるけどな」
ぱんぱんと手をたたき、イルムがデスクのうえに手を乗せる。
「アクセルは軍属って訳じゃないんだぜ、そもそも俺たちに強要なんて出来ないよ」
「イルム、お前な……」
「それに元を正せばラミアだってシャドウミラーなんだ」
「それは知っている。だが、だからといって同列に出来るか」
階級的には三つも差のある二人だが、オフィシャルの場でなければその交わす言葉は士
官学校時代と変わりない。どこぞのナンバー1(故人)と童顔艦長とは大違いだ。
閑話。
巡洋艦などでは副長のことをナンバー1と呼ぶ。
閑話休題。
そこでラミアが話し始める。
「私は、かつてのハガネ・ヒリュウ隊のメンバーと出会うまではただの人形でしたです。
ですが、あなた達との出会いによって私は人間になれた。……だから、今の記憶喪失の隊
長も変わることが出来ちゃったりすると、私は思っておられます」
それをじっと見つめていた二人だが、先に動いたのはイルムだった。
「よし!それじゃあラミア。あいつの記憶が戻っても、仲間でいられるようにあいつを変
えて見せろ」
「おい、何を勝手に……」
「はい、変えてみせますでございます」
「…………」
一人、しばらく頭を抱えていたアーウィンはようやく決を下した。
「わかったよ。“公然と”あいつの保護観察を任せる、ラミア少尉。……これでいいんだ
ろう」
「はい。任務、了解しましてございます……!」
一礼して、艦長室を退出するラミア。
「はぁ……甘くなったんじゃないか、イルム」
「いやいや、どうにもリュウセイやらマサキやらの影響かな?」
「こういう時の冷徹さでは俺やリンでも敵わなかったお前がな……」
「よしてくれよ、そんな言い方。俺がまるで冷血漢みたいじゃないの」
「……よく言えるな、その口で。まあいい。これをミーナに渡して来い」
ピラリと一枚の命令書を渡す。
「なんだ?……アクセルの監視任務を解く?ミーナだったのか、今まで」
「アクセル自身が言い出したんだ」
『やっぱ、俺みたいな身元不詳がぶらぶらしちゃいけませんよね〜。監視でも何でも付け
てくれてかまいませんよ。あ、でも出来れば可愛い女の子がいいな〜』
「……で、その場にいたミーナが立候補したわけだ」
「女の子?」
眉をひそめるイルム。
「同じ事をアクセルも言って、グレースやパットも含めてあいつを締め上げてたな」
みんな同い年である。
「ともかく、自由時間もそっちのけでアクセルを嗅ぎ回っていて、ジェスの奴が構っても
らえずますます自室の盆栽にのめり込むというあまりにも不健全な状況になっていたから
な……」
「苦労してんだね〜」
同情するような顔を向ける。
「お前もとっとと階級を上げろ。そして俺を手伝え」
「いや〜、俺にはそんな佐官なんて無理無理」
「ナイメーヘンで最終的に主席だった貴様に言われたくはない。はっきり言う。未だに根
に持ってるからな!」
「やだな〜、ウィンちゃん。リンだってそんな話持ち出さないぜ?」
「あいつはお前にぞっこんだからな。そんな小さいことを気にする奴だと思われたくない
んだろう」
冷ややかに見つめる。ちなみにリンは三位だった。
「本題にはいるが、あのアクセルという男、味方になるか?」
「さて……な。根本的な原因はわからんがあいつとキョウスケとの因縁て言うのはライバ
ルに近しいモノがある。俺とお前みたいな、な。それを上手く持ってくれば、こっちに引
き込むのも可能だろう」
「ミーナにおまかせ!ミーナにおまかせ!ミーナにおまかせ!おまかせ〜!」
レクリエーションルームにて、アクセルと女パイロット連中がカラオケに興じていた。
「いや〜、流石お姉様方。いいお声をしとりますな〜」
一応中の人は皆歌手デビューしている。
「それでは4番、不詳、もとい不肖アクセル、突撃ラブハート!俺の歌を聞け〜!」
「いえ〜い!」
「いよっ!サウンドフォース!」
楽屋ネタ丸出しの、半ば宴会と化したそこにラミアが現れた。
「Let's go!突き抜けようぜ夢で見た夜明け〜まだまだ遠いけど〜」
それに気づいたアクセルが歌いながら、ソファに座るようにジェスチャーした。
歌い終えて、ラミアの隣にどっかと腰を下ろすアクセル。
「ラミアちゃん、どしたの?もしかして、俺に会いに来たとか?」
「はいです」
「マジで!?マンモスラッキー!嬉しいなぁ、君みたいな可愛い子に好かれるなんて……」
その手を取ってぎゅっと握りしめるアクセル。
「お、なんだなんだ、カラオケか?俺も誘ってくれたっていいだろうに……」
今度はイルムが入ってきて、曲を入れる。
「え〜、だってイルムの十八番って陰気な曲なんですもん〜」
「エゴイストの夜をバカにするな!」
グレースの非難を受けながらミーナに命令書を突き出す。
「何これ……?え?」
「艦長からの命令。アクセルの監視はラミアが引き継ぐんだとさ」
「え〜!?そんな、つまんない!」
本当につまらなさそうに口をとがらせる。
「えーと……つまりラミアちゃんが来たのはお仕事って事?」
「そうでございますことよ」
見るからにがっくりと来ているアクセル。
「とほほ……なんだな、これが」
カラオケも終わって、スクランブル要員に入っているアクセルはブリーフィングルーム
へ向かう。
「ああ……俺はこんなにもラミアちゃんのことを想っているのに……いやいや、一緒にい
てくれることをここは喜ぶべきか……」
道中、やけに芝居がかった風にそんなことを苦悩しているアクセル。
正直ラミアは何故自分でも彼を庇うような発言をしたか、わからなかった。かつてアラ
ドを庇ったときと同じく、感覚的にそうしなければならないと自意識が告げたからなのだ
が、そういえばそもそも何故自分はあの時も彼を庇ったのか結論を出していなかった。
今一度あの時の状況を思い返してみる。
あの時のアラドは、自らのパートナーである(あの時は知るよしも無かったが)ゼオラ
を庇って機体を破壊されていた。
軍人としてみればあまりにも非効率的な行為だが、今の自分ならばわかる。それは必死
で大切な者を守ろうとする行為で、一概に褒められたモノではないがその心は間違いなく
尊ばれるべきものであるはずで……
つまり、自分は彼に好感を抱いたのだろう。
その方程式で言うとアクセルにも自分は好感を持っているのだろうか。
……そうかもしれない。かつての彼は傲慢で、他者を見下していたが、今の彼は人なつ
っこく、自分を三枚目にしながら他者との壁を積極的に取り払おうとしている。それは、
好感を持てることだ。
「それにしてもなー……監視が解かれないって事は……俺、もしかして敵だった?」
昼食でも尋ねるかのように、ごく自然にそんなことを尋ねられた。
「……なぜ?」
自分の表情が薄いことをラミアは初めて感謝したが、アクセルにはその間だけで十分だ
った。廊下の隅にしゃがみ込んで床にのの字を指で書く。
「だってさ、最初ミーナ姐さんが監視についてて、やってきたラミアちゃんにあれこれ聞
かれてから、そのラミアちゃんに監視されるって……これはラミアちゃんに関係の深い敵
だったのかなーとか思う訳なんだな、これが」
たとえ記憶を失っていても隊長は隊長か、といささか見当違いな方で感心する。
「ま、一目会ったときからビビッと来てたんだな、これが。この娘とは何か関係があるぞ!
って……」
「たい……アクセルさん……」
アクセルはやおら立ち上がり、ラミアの手を取ると
「そう!俺たちは戦場で銃を向け合うロミオとジュリエットだった!違う陣営に属してい
た俺たちは、惹かれ合いながらも互いの想いを告げることも叶わず、そして俺は行方不明
になり記憶喪失になって帰ってきた……」
などと宣いながら反対側に大きく手を上げていた。どこの舞台俳優か。
「だが、記憶を失った今ならば何のしがらみも無く言える。好きだっ!ラミアちゃん!」
「…………」
事態の展開が急すぎ、自身の人生経験では裁ききれない状況にただ口をぱくぱくしてい
る事しか出来ないラミアだった。
「……ウケなかった?」
というかそれを冗談と取れるほどに成熟できていない。
「ま、いいや。どっちにしろ俺が敵だったのは、確定事項っぽいしな、これが」
くるりと踵を返し、再びブリーフィング・ルームに向かう。
「正直、記憶が戻りたくないんだよね……たまにフッと思い出しそうになる時って、ラミ
アちゃんとも、姐さん達とも、この艦のみんなとも敵になっちゃいそうで……」
それに追いつき、腕をとる。
「……だったら、記憶が戻った後も今のご自分を忘れないでいてくださいです……。そう
すれば、私たちとも敵対せずに、仲間でいられたりします」
「出来るかな?時たま、記憶喪失前の思考でモノを考えたりしてるっぽいんだけど……え
らい冷血な思考なんだな、これが」
「だめですわ」
ぎゅっと、アクセルの腕を抱きしめる。
「その思考に捕らわれてはいけませんのです。そのアクセルさんに戻ってはだめでござい
ますわ」
「ラミアちゃん……」
アクセルは感動していた。自分の腕に押しつけられた胸の張りの良さと弾力とに。
「わかったよ、ラミアちゃん。俺、君のためにもきっと自分を無くさない」
ギャグ五割、助平根性四割、一割だけ本気でかっこつけながらアクセルは言った。
が、それを真っ正面から受け止めてしまうのが今のラミアだ。
「私のために、でございますですか?」
「そうそう。男ってのは、好きな女の子のためなら何だって出来るんだな、これが」
にぱっと笑いながら調子のいいことを言っているアクセル。そろそろ落としどころかと
オチに入る。
「んじゃあ、今の俺を忘れないように熱烈で衝撃的なチッスを……」
ん〜、とわざとデフォルメされたタコのような口になって目をつむり、ラミアに近づけ
る。
が、いつまで経ってもひっぱたかれる様子がない。疑問に思い、目を開けてみるときょ
とんとした顔のラミアがいた。
「チッス……キス、だったりしちゃったりしますか?」
「う……ああ、そうキスキス」
しばらく考える仕草をした後、ラミアはアクセルの目をのぞき込むように尋ねた。
「キスすれば、記憶が戻っても今のアクセルさんでいてくれますのですか?それなら……」
スッと、ラミアの方から目を閉じた。
(な、なに〜!?)
アクセルとしては呆れて離れても、頬を引っぱたかれても、キャラ的に美味しいと思っ
ていたのだが、ここに来て予想外の方向に美味しくなって来ている。
(え?これなに!?どっきり!?)
周囲を見回すが、誰も覗いている様子はない。
(こ、これは……据え膳食わぬは男の恥という奴か!)
未だにしがみついたままだったラミアの手を離し、その剥き出しの肩に手を乗せてそっ
と顔を近づける。
別に喜んで口づけするような相手じゃないぞ、なんてつまらん事を言っている奴が胸の
裡にいたが、そいつが時たま呼び起こされる過去の記憶だというのもわかっていたので、
平気で黙殺してプックリとしたラミアの唇に自身のそれを重ねた。
(うわー、うわー!)
唇の感触が、もう、脳のシナプスが焼き切れようかというほどに脳内を駆けめぐる。
そのまま貪り尽くしたい衝動に襲われたが、流石に初めてのキスから(本当は二度目だ
が)そんな事をしては幻滅されるだろうと、自制する。
(おちつけ……キスは許してくれたんだ。こっからこつこつと行けばムフフなところまで
直ぐだ直ぐ!変な気ぃ起こして嫌われたら目も当てられねえぞ……うわぁけどこの唇……
舐め尽くしてぇ……)
かなり精神力を削りながらも、辛うじてアクセルは唇を離す。でっかいおっぱいにばか
り気を取られるが彼女の魅力はその唇だ!と妙なところで確信を抱きながら。
「……?」
正直、ラミアとしてはこんな中途半端で終わったのが意外だった。そもそも、以前一度
だけキスをしたことのあるこの目の前の男は、訳ありとはいえ初めっから口の中をねぶり
つくしてきたのだ。
まぁ、かつて一度経験したことだからこそ、その程度で変わらないでいることを確約し
てくれるのなら、と応じたのだが。
「これで、終わりなんでございますか?」
「う?ああ……」
「もっと……凄い事されるのかと思っちゃってたりいたしましたの」
ラミアにいわれた途端、文字通り悶絶し、壁にぶつかり、ごろごろと転がるアクセル。
「あ、アクセルさん!?」
突然の奇行に心底心配するラミア。
(ダメ、我慢できない!もうやる!ヒィヒィ鳴かせたるっ!)
おかしな方向に決意を固め、完全に野獣の目となるアクセル。正にアクセル全開。
飛びかからんとしたとき、鳴り響くエマージェンシーコール。
「敵かっ!」
戦闘モードの表情に切り替わるラミア。
抱きしめようとしたアクセルの腕は空を切り、そのまま壁に激突する。
「くっそー!なんつータイミングで来やがる!」
ぶつけた鼻をこすりながら立ち上がる。
「アクセルさん、行きますです!」
「異星人野郎どもぉ……この俺のリビドーの発散を阻止させたこと、死ぬほど後悔させて
やるからなぁ!」
下品なことを大声で怒鳴りながら格納庫へと走るアクセル。
「ヴァイサーガは馴染んで来ているのでしょうかしら?」
「おうよ!俺の手となり足となり!連中に地獄を見せてやるんだな、これが!」
八つ当たり気味に、やる気満々で目の血走っているアクセルが叫んだ。
……が、この戦闘が両者の運命を変えることなど、アクセルもラミアも、知りようもな
かった。
◇ ◇ ◇
626 :それも名無しだ :2006/10/17(火) 00:12:09 PS3Xvwnm
GJ!!
いやキャラの絡ませ方がうまいなぁ、続きもワクテカしながら待ってます
628 :それも名無しだ :2006/10/17(火) 00:39:28 cz3itBIf
GJ!
F組が出てくるのも嬉しい
「別に喜んで口づけするような相手じゃないぞ」てのも悪セル隊長ぽい台詞だ
629 :それも名無しだ :2006/10/17(火) 07:30:49 ljnD4mOu
GJ! F主人公sも面白い
ラミア口説くときの、女性と見ると芝居がかった調子で口説かずには居られない、って感じがぴったりだった
だけど、記憶喪失時のアクセルはがっつく感じじゃなくて、内心凄く冷めてる印象だったかな
真剣にボケもするけど、口で軽い事言いながら頭の中ではかなり打算的に考えてる、ってシーン多かったし
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
633 :623 :2006/10/18(水) 13:29:04 Scb6FvCd
どうも、皆さんのたくさんのGJありがとうございました。
え〜、これはタイムスケジュール的にはD萌スレで出した助手ラキよりもそこそこ前の話なんですが……
皆さんの同意が得られれば、この二つをつなぐミッシング・リンクも書きたいと思います。
634 :それも名無しだ :2006/10/18(水) 14:36:03 8N1r+WFB
反対する理由はない。
やりたまえ。
というか、書いてください。
お願いします。
635 :それも名無しだ :2006/10/18(水) 16:03:45 4egI3eJG
どんとこい
639 :623 :2006/10/18(水) 23:25:41 Scb6FvCd
何だかアクラミよりもその前後の方がメインになってしまったような……
すみません。
◇ ◇ ◇
「リュウセイ……久しぶりだな。まだ生きていたか」
最初は、些細な遭遇戦だった。
哨戒中にエアロゲイターと接触したSRXチームの援護に母艦であるハガネ自体が乗り出し、向こうの逐次戦力投入を捌き続けた後に、あの漆黒の堕天使が現れたのだ。
「イ……イングラム教官……」
目を見開いたリュウセイの前で、バッと緑色の翼が広がる。
「貴様達が無事でいるということは、アーレフは敗れたか」
「あ、アーレフ……?」
聞き覚えのない名前に尋ね返す。
「俺のフルコピーのクローンだ。俺の全人格を写し、お前達の前から姿を消した後の俺の身代わりとしてジュデッカの枷の犠牲となってもらった……」
「それじゃあ少佐……あなたは……」
「……俺は、間違いなく本物のイングラム・プリスケンだ」
ニヤリ、と凶悪な笑みを向ける。
「さぁ、失望させるなよ?ネビーイームを退け、星間連合の一派をも蹴散らした貴様達の力を、俺に見せてみろ……!」
「チッ……」
キョウスケが小さく舌打ちした。
あの黒い機体はおそらくR−GUNリヴァーレの改修型。とすれば、自ずとその力はあれ以上となる。
SRXチームと、ATXチーム……かつてのハガネ・ヒリュウ隊でも中核を成した二小隊だが、数に差が有りすぎる。やれるのか……?
「スチール2より各機へ!ノア5が来た!以降は向こうの部隊と連携して、これに当たれ!」
テツヤの声が響いて、それに伴うように機体の方が大型艦の接近を伝えた。
スペース・ノア級5番艦、ヒヒイロカネ。
「うわお、ラミアちゃん達も来てくれたのね?」
真っ先に飛び出す黒と桃色の二つの特機。その内の一つで、異変が起きた。
「なん……だ……?アルト……アイゼン……?」
「アクセルさん?」
その異変に気づいたラミアが声をかける。
「ゲシュペンスト……マーク……スリー……」
「!?隊長、記憶が!?」
「キョウスケ……ナンブ!」
ヴァイサーガのリミッターが解除され、アクセルは無意識にコードを入力する。
「コード……光、刃、閃……!」
「アサルト1より各機へ。仕切り直しだ。ヒヒイロカネの連中と……」
部下達への命令を告げていたキョウスケだが、結局最後までは言えなかった。それよりも先に黒い影が走ったからだ。
「ベーオ……ウルフぅぅぅ!」
撃ち込まれた剣戟を、バンカーで受ける。
「アクセル・アルマー!?」
「ちょ、ちょっとぉ……なんであのストーカーがヒヒイロカネから出てくるのよぉ?」
「う、うううう……」
うめき声を上げながら、後ずさるヴァイサーガ。
「しかもあれ、レモンからラミアちゃんが餞別にもらった奴じゃない!」
「アクセル隊長!隊長!いけませんです!先程の約束、お忘れになっちゃんですか!」
慌ててそれを追ってきたアンジュルグがヴァイサーガの前に立ちふさがる。
「うぐ……うう……俺は……俺はぁっ!」
苦悶に満ちた表情で、もがく。
「アクセルさん!」
「シャドウミラーの……!」
「アクセル!」
「!……貴様に、呼び捨てされる謂われはないっ!W17っ!」
その言に、ぐるんと視界が回るほどの衝撃を受け、一瞬完全に無防備になるアンジュルグ。
「くっ……こんな、甘い連中と一緒にいたとは……!」
頭の中がぐるぐるしている。
理性が告げる。とっとと剣を抜け、と。
感情が訴える。バカなことはやめろ、仲間だろう、と。
「くそっ!俺まで感化されたか!俺は!俺はアクセル・アルマーだぞっ!」
そんな言葉と共に、ヴァイサーガは飛び去った。
その後、また後ろで戦闘が始まったようだが、自分には関係のないことと切り捨てた。
異界の闇騎士
クロガネ艦内。
この異世界ラ・ギアスに呼び出されて既に一ヶ月。シュウ・シラカワの協力要請を受けて同行し始め一週間。
ユウキ・ジェグナンは最近ろくにお茶も楽しめていなかった。
協力してくれれば、地上界へ帰してくれるというシュウ・シラカワと手を組んだ辺りから話は始まる。
(それではこれから自分はトロンベに乗り、シラカワ博士を手伝うことにしよう)
艦長としてやってきたエルザムがそんなことを言って、それではクロガネの指揮は誰が執るのかという話になったとき、何故かエルザムは何でもないことのようにユウを指名してきた。
もちろん、自分のように若輩で少尉程度の階級の者が艦を指揮するわけにはいかないと断ったのだが、それでは民主的に行こう、とクルー全員で多数決を取るとユウが指揮を執ることに大半の者が賛成であった。
……全員の創意であるし、自分が信頼されているのだからその信頼を裏切るわけにはいかないとしぶしぶ承諾したユウだったが、何故か今彼の目の前には戦闘指揮には関係のない艦の平常運営に関する書類が回ってきていた。
(まさか少佐、このままなし崩し的に今後も面倒ごとを全部俺に押しつけようとしてるんじゃないだろうな……)
そんなことを勘ぐりたくもなってしまう。
というか今から考えれば『民主的』な選考も端から仕組まれていたのではないかとも思えてくる。
「ユ〜ウっ」
そんな彼の恋人でもあるカーラがひょっこりと訪れた。指には、祖母が彼女に渡したらしい指輪がマリッジ・リングの位置に填っている。
「カーラか……」
「あ、ちょっと……二人っきりの時は……」
「仕事中だからな?」
言葉を遮って、そう釘を刺す。それに思いっきり不満そうな目つきで返す。
「仕方ないだろう。何故か艦の平常運航まで任されたんだ」
文句ならレーツェルさんに言ってくれ、とも言えず、鬱屈とした気持ちで書類を片づけていく。こっちだって会いたかったんだ!という本音はかけらも見せずに。
「でもさ、シラカワ博士についていって大丈夫なのかな?」
正直な疑問を口にするカーラ。
先のゼ・バルマリィ帝国第7辺境観察軍との決戦の後に、敵対したシュウ・シラカワとその乗機の真なる姿ネオ・グランゾンとの戦いは、ラグナロクのコードで極秘資料扱いで保存されている。
「あの時の博士の言動や、俺たちの感じた彼にまとわりつく念。それを考えると、今のシラカワ博士はこちらが手出ししない限り、危害を加えるつもりはないと思いたいな……」
——すべての者はいつか滅ぶ……今度は私の番であった……それだけのことです……
彼の死に様を思い出すと共に、あの時味わった不快感が胸中によみがえる。
しかし、非常識なものだ。死者が蘇るとは。
「それじゃあさ、あの赤毛はどう思う?」
「赤毛?ああ……全く破廉恥な奴だ。目のやり場に困る。それに……?」
カーラが、思いっきり不審な目を向けている。
「何だ?」
「あたしは男の方を言ってるんだけど?」
「あ?あ……ああ!」
何の疑問もなくサフィーネの方を持ってきていた。
「ふーん……ユウはそんなに気になってるわけ。あっちの方が。ふーん……」
いかん、不機嫌だ。
仕事をこなしながら臍を曲げてしまった彼女への対応を苦慮しなければならなくなったユウ。受難である。
クロガネの展望室。
その赤毛の男が仏頂面で居た。
あの時、戦闘空域を離れてからエアロゲイターと戦う傭兵まがいのことをしながら生きてきた。
結局踏ん切りが付かず、戦いを挑むことも、彼らの仲間に身を投じることも出来ずに居たが、何の因果かこんなところに飛ばされてしまって、また惰性で戦い続けている。
今の自分はもうかつてのようには動けない。
士官学校に通っていた頃の自分が記憶を失った事により表に出てきた。それは若く、青臭く、一笑に付すモノでありながら、どうしようもなく自分の中でウエイトを占めていた。
おまけにあの時のラミアの言葉が自分を嘖ませ続けている。
——……だったら、記憶が戻った後も今のご自分を忘れないでいてくださいです……。
——そのアクセルさんに戻ってはだめでございますわ
——キスすれば、記憶が戻っても今のアクセルさんでいてくれますのですか?
キス、の感触もまだ残っている。
二年前、あいつが作られたときとは、全く違う印象と感触の……
二年前。向こう側。
腐敗を続ける連邦上層部にシャドウミラーが反旗を翻すための準備期間。
イスルギも、FI社も引き入れた。Wシリーズと呼ばれる、レモンの人造人間達も数が揃いだしていた。
「それで、Wナンバーの最終調整を手伝ってもらいたいの」
「……何を手伝えと言うんだ。お前の専門のことなど、俺は欠片も知らんぞ」
「そう考えこまなくっていいわ。ただ、W11,13,16,17は女の子として建造するから、その教育を手伝って欲しいだけ」
そこで、ピンと来た。
「わざわざ俺に頼むことか。お前の作る人形共なら相手をしたがる奴はいくらでもいるだろう」
ダッチワイフを相手にする気はないと、言外に込める。
「あら、だからこそよ。私の可愛い作品をゲスな男達の性欲処理に当てるわけにはいかないもの。その点、あなたなら作業と割り切るでしょう?」
「…………」
それが、自分の男に向ける言葉か。
「そんな顔をしないの。信頼してるって事なんだから」
一ヶ月間、愛のない性交渉をし続けた。
互いに快楽を求めるのではなく、手法の説明という作業だ。
そして最後にロールアウトしたW17。
いい加減人形共への応対も手慣れてきて、自分の中で教習プログラムじみたものも組みあがっていた。
ブザーが鳴り、入るのを許可すると、W17が入ってきた。
この最後の一体で、苦痛の宴も終わりを告げる。
「W17,参りました」
「ああ……用件は理解しているな?」
「はい」
「言ってみろ」
別に聞く必要性は無い。ただの戯れだ。
「今後の情勢において、敵地への潜入が必要となったときのための技能学習です」
「く、くくく……」
技能学習、か。言い得て妙なものだ。
「何か現状の認識に不備がございましたか」
「いや、それでいい。それで合ってるさ……」
喉の奥で低く笑いながら顔を上げる。
「……今日は手始めにキスの仕方を覚えてもらう」
「はい」
「試しにキスとは何か、言ってみろ」
これも、戯れだ。
「相手の唇、頬、手などに唇を付け、愛情や尊敬の情を伝える行為です」
能面の顔で、端的に応える。
「そうだ。だが、人形であるお前に情を伝える必要など無い……俺の教える技能だけを覚えていればいい」
「はい」
W17の顎をつかみ、両頬を指で押し、口を開かせる。
「俺の舌を入れる。それに絡み付かせろ」
返事を待たず、目前の人形の中を蹂躙するために口を付け、舌を押し込んだ。
「ん……」
それが、W17の初めて交わしたキスだった。
愛はなく、嫌悪感もなく、ただ、目前の男の一部を受け入れるという……
当時は考えもしなかった。否、彼女自身も何も感じては居なかっただろう。だが……
今、当時のことを彼女はどう思っているのだろう……人格を獲得した彼女は……やはり……嫌悪しているか、この俺を……
……目が、覚めた。
いつの間にやら眠りこけていたらしい。昔の夢を見た。
「やっぱり……嫌ってるだろうな……」
だから、記憶が戻らないようにと念を押していたか……。
そう結論づけた事により、もう自分があの頃の自分には戻れないことを半ば確信めいて理解した。……多分、キョウスケにも以前のような憎悪は抱けまい。ラミアを人形と見下すことも出来まい……。
そこでようやく全身の感覚も目覚め、気配を察した。
展望室の入り口に立っている少年がこちらを見ていた。……ジョシュア・ラドクリフとか言ったか。自分たちと同じく、地上から愛機エール・シュヴァリアーと共に呼び出されていた。
「何だ?」
「この艦の連中に、あんたは私怨で戦う奴だって聞いた」
室内に足を踏み入れながら彼は言った。
「その相手がこの艦の仲間なんだと言うことも、あんたがかつてこの艦を相手に戦ってたことも」
ベンチに座っているアクセルの側に立つ。
「そんなあんたが、どうしてこんな所にいる?」
「出て行けとでも言う気か?」
「そうじゃない。その男の所へ戦いを挑むのならわかる。その仲間のこの艦に敵対するのならそれも頷ける。けど、あんたは何をやっている?」
若い目が、こちらを見つめる。
「情けない男と思うか?だがな、一度記憶を失って、それまでの自分を全否定するような自我を持った後でそれを取り戻すのは、辛いんだ」
「……だが、あんたはここで燻っている。自分を否定したのなら、その男と歩けばいいのにこんな中途半端なところで燻って、それもシュウ・シラカワといういいわけを使ってだ。それは腹立たしい、歯がゆいよ」
言いたいことを言ってくれるな、と頭をかく。
「もしメンツを気にしてるのなら馬鹿馬鹿しいことだと言ってやるよ。聞いた話によればあんたは何度も敗退を繰り返した挙げ句、こうしている。体面を気にするような立場か?」
「お前の言うことは分かるがな、ラドクリフ。割り切るにももう少し時間が欲しいのさ、こいつがな」
ようやく今の自分が何者なのか知ったばかりなのだ。
次にあいつらに会ったら、素直にその道を共に歩もう。……そう心に決めてみて、初めて自分の裡にある澱が綺麗さっぱり消え去ったのを感じた。
結局、本心では求めていたのだろう。再び彼らと共にあることを。
苦笑して、ベンチから立ち上がって、その事に気づかせてくれた少年と肩を組む。記憶を失っていたときのように。果てしなく遠く、限りなく近い世界の過去に友としていたように。
「……思ったよりも馴れ馴れしいな、あんたは」
「感謝してるんだよジョシュア。お前の一押しで今の俺が何をすべきかが分かった気がするからな」
過去の自分に無理に近づこうとするのは止めよう。記憶を失っていた時の奔放さで生きていこう。そうすれば、きっと、向こう側よりはずっと上手くいくはずだ……。
◇ ◇ ◇
640 :それも名無しだ :2006/10/18(水) 23:46:27 Egw0/mCi
GJ!!
個人的にイングラムが蛇足な気がしたけど、EX等のネタの絡ませ方は面白かったです
続き楽しみしています
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その157
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1180188755/l50
61 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/27(日) 02:12:58 tPFe2q8J
この誕生日な流れに感化されてついこんな時間までSSを書いてしまった……
え〜い!!喫茶TIME DIVERシリーズ最新作だ!!読んでけ泥棒!!
皆の者よ。後は頼んだ……ぞ(ZZZ………
◇ ◇ ◇
もはや説明が不要となってしまった程の人気店になった喫茶TIME DIVER。
今はもう夜遅く、普段なら閉店時間であるのだが何故か店内は明るかった。
店内に残っているのはアイビスを除いた店員&店長と何故かツグミ、スレイ、レーツェル、ユウが。
「連日手伝ってもらってすまないな」
「いいのよ別に。こっちだってお店貸して貰うんだから」
「この飾り付け、なかなか綺麗だな。誰が作ったんだ?」
「俺がムジカに教わりながら作った。飾り付けという物を作るのは大変だな。すぐ形が崩れてしまう」
「それはフォルカさんの力が強すぎるからだよ!!でも崩れなかったのはボクのより上手だったけど」
「フー。そこはこうだ」
「地球の飾り付けという物は意外と難しいですわね……副店長がこういう作業が上手なのも意外ですわ」
そう言いながら何かに使う飾り付けを作るのは久保、ツグミ、スレイ、フォルカ、ムジカ、フー、背後霊の6人。
そして厨房では残りのトウマ、レーツェル、ユウが何やら料理の下準備を。
「トウマ、なかなか筋が良いな」
「無数のバイトの経験は伊達じゃないって事さ。流石にレーツェルには負けるけどな」
「それは当たり前だろう」
「ぐっ!!ユウ、ハッキリ言うなよな…………」
何故このような事態になっているのか?そして何故アイビスはハブられているのか?その疑問は翌日に解消される事になった。
翌日。喫茶TIME DIVER開店10分前。
「ムジカ。おい、ムジカ……起きろ」
「ふにゃ?フォルカさん…………おはよう〜」
休憩室で寝ていた所をフォルカに揺り起こされるムジカ。どうやら泊り込みで何かの準備をしていたようだ。
「ムジカ。寝ぼけている場合ではないぞ。あと10分で開店時間だ」
「えええええええええ!?い、急いで着替えて朝ごはん食べて…………わーっ!!わーっ!!わーっ!!」
「おはようございま…………って。ムジカ?そんなに慌ててどうしたの?」
思いっきりテンパっているムジカ。そしてこのタイミングでアイビスが。
「あ!!アイビスさんおはよう。って挨拶している場合じゃなぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
机の上においてあった朝食(モーニングセットA)を急いで口に入れ、休憩室の横の洗面所で着替えと歯磨きと髪のセットを行なうムジカ。
「あ〜朝から疲れちゃったよ…………」
「だから言っただろう。無理をせず早く寝ろと」
そう言っているフォルカの目の下には薄〜〜〜〜〜〜〜〜いクマが出来ていた。
「一体何があったの?ムジカはここで寝ちゃってたし、フォルカさんには薄いけどクマが出来ているし。店長やフーさんも眠そうだったけど?」
「ああ。少し泊り込みで仕事をしていてな」
ここは誰もが正直な事を言ってしまいそうと思っていたフォルカが何と誤魔化した。どうやら対策としてムジカが教えたようである。
「へーっ。大変だったんだね。でもムジカもフォルカさんも無理しないでよ」
「精進する」
「大丈夫だって。ほら、2人とも急ごう!!」
一番遅れていたはずのムジカが何故か先頭に立ち、その後を着いて行く事になったフォルカとアイビス。
「お、ムジカやっと起きたか。遅いぞ」
「すみませ〜ん」
店内に入るなりトウマに怒られるムジカ。厨房に立つトウマは唯一の三徹なのだが、変わった様子は無い。
これも長いバイト経験で培われた能力なのだろうか…………
そしてあっという間に夕方に。今日も喫茶TIME DIVERは大入りだった。
「あ〜疲れた……今日もお客さん多かったですね」
「そうだったね。最近お客さん多いよね?」
「そうですわね。確か…………アイビスが入ってから増えてませんか?」
「それもそうだな。」
唯一の人がいなくなる時間の夕方時。ムジカ、アイビス、フー、フォルカは店内のイスに腰掛けていた。
すると、店の奥から店長こと久保がやってきた。
「アイビス。今日はもう上がって良いぞ」
「えっ!?どうしてですか?」
いきなりの上がり許可に驚くアイビス。確かに驚くだろう。
「いや、背後霊から今日はアイビスは予定があると聞いてな」
「ええ。確かに今日はイルイとの約束があるんですけど。でも、あたしだけ良いんですか?」
「大丈夫だ。それに用事があるのなら相手を待たせるのは悪いからな。行って来い」
「あ、ありがとうございます!!」
滅多に見せない本当の笑顔で言う店長。この笑顔と言葉に後押しされたアイビスは思わず直角お辞儀。
「では、また明日!!」
「またな」
「また明日〜」
「気をつけて」
私服に着替え帰るアイビスを見送るフォルカ、ムジカ、フー。
副店長が窓からアイビスが十分離れたのを確認し、店長に合図を送る。
すると、店長のエプロンのポケットから通信機が出てきた。
「こちらタイムダイバー2。ドラゴン2、スティール2、アイアン3、ストーク1、プラチナム1。各艦、状況を報告してもらいたい」
「こちらドラゴン2。ユウキ少尉はあと2分でそちらに到着するそうです」
「こちらスティール2代理の統夜です。スレイさんとツグミさんももうそろそろ着くそうです」
「こちらアイアン3代理のSRX2。兄さんはすでにそちらに向かっている」
「こちらストーク1。各界の著名人への連絡もバッチリだ」
「こちらプラチナム1。問題は無い」
「タイムダイバー2、了解した」
店長が通信を入れたのは何とハガネ、ヒリュウ改、クロガネ、ヴァルストーク、シロガネの各戦艦。
しかもヴァルストークの艦長ブレスは著名人への連絡を取ってあり、何故かハガネ、クロガネは代理が。
そして2分後。ほぼ同タイミングでユウとレーツェルとスレイとツグミが到着した。
「アイビスの引きつけはイルイに任せているから問題は無いぞ」
「その内に飾り付けを済ませて、みんなを呼ばないとね」
「料理も仕上げをするばいい程度まで仕上がっている」
「紅茶葉も持ってきた。好みに合わせて様々な紅茶葉を持ってきたぞ」
「よし。では仕上げてしまおう」
そう、昨日用意していた物はすべてアイビスの誕生日パーティーに使うための物であったのだ。
無論アイビスには内緒の極秘作業である。
「飾り付け、終わった〜」
「こっちも料理仕上がったぞ!!」
「店長、各艦への連絡完了しましたわ」
「これで後はパーティーの開始を待つだけだな」
30分に渡る飾り付け作業が終わり、料理も完成した。後は各艦のメンバーと主役の登場を待つだけである。
連絡を受けた各艦のメンバー、南極一家が来店し、各界の著名人からの祝いの電報が次々と舞い込んで来る。
「さて、最後の仕上げだ。こちらタイムダイバー2。ガンエデン1、アイビスを連れてこちらまで来てもらいたい」
「ガンエデン1、了解しました」
最後の仕上げにガンエデン1ことイルイに通信を入れる店長。いつの間にか店長服から私服へ着替えていた。
同時刻、イルイ側
「イルイ、今の電話って誰だったの?」
ちなみに、イルイとの約束とはイルイとのお出かけであった。幸せの余り顔が緩みっぱなしのアイビス。
「クォヴレーからだったの」
「クォヴレーから?何だったの?」
「えっと……昨日、お父さん達とお店に行った時に髪飾りを落としちゃって、預かってるから取りに来てくれないかって」
イルイは電話の内容こそ誤魔化してはいたが、髪飾りを落としていたのは事実である。ただし、この作戦のためでわざとではあったが。
「それじゃあ、早く行かなきゃ!!」
イルイの手を掴み、急いで喫茶TIME DIVERへ急ぐアイビス。
アイビスの素晴らしい猛ダッシュで店には2分弱で到着した。
「店長…………じゃなくてクォヴレー。イルイの髪ざ…………『パ〜ン!!パンパン!!』
店内に駆け込んだアイビス。だが、そのセリフは入った瞬間に鳴ったクラッカーの音で中断された。
「へっ…………?ど、どういうこと?」
いきなりのクラッカーと仲間達の顔を見て、目を白黒させるアイビス。
「どうもこうもないぞ。アイビス」
「す、スレイ?」
「アイビス、今日はあなたの誕生日でしょう?」
「う、うん。そうだけど?」
「みんながね、アイビスを驚かせようってドッキリ誕生日パーティーを考えたの。それで私はアイビスをここに連れて行く係りだったの。アイビス、ウソついてゴメンね」
「み、みんな…………」
スレイ、ツグミ、イルイの説明で状況を飲み込んだアイビス。目にはキラリと光る涙が。
「主役はこっちの席だ」
フォルカに連れられて、豪華な主役へと座らされるアイビス。すぐにムジカ、フー、久保がやってくる・
「レーツェルさんとトウマさんが作った料理やジョシュアさんや統夜さんも一緒に作ったデザートもあるよ!!」
「皆様からのプレゼントもたくさんありますわ」
「各界の著名人から祝電が来ているぞ。敵側ではシャア・アズナブルにギルバート・デュランダルにダイ・バザール大帝王に草壁春樹に幽羅帝…………
味方側では相羽タカヤに相良宗助に獅子王凱にテンカワ・アキトにアムロ・レイに伊佐未勇に秋津マサトに…………とにかく数え切れないな」
「きょ、去年より多い!?」
ダンボール箱2つ分の祝電を持ってくる久保。これにはアイビスも驚く。
「さて、主役も登場したし、祝いの言葉と乾杯と行こうか。あ、司会進行はこの僕、孫光龍が勤めさせてもらうよ」
いきなり出てきたのは孫光龍。再び驚くアイビス。
「な、何でアンタがここにいるの!?」
「いやぁ、クォヴレーに司会進行を頼まれてね。まぁ、細かい事は気にしない、気にしない」
「気にしたいけど……今日はいいかな?」
「そうそう。そうするのがいいよ。ではみなさん飲み物行き渡ったかな?」
返事の変わりにジュース、お酒、紅茶等個人の好きな飲み物の入ったコップを上に出す全員。
「では、大きな声でいこうか。せーのっ!!」
『アイビス、誕生日おめでとう!!』
「みんな…………ありがとう!!」
このハチャメチャなパーティは夜遅く、日付が変わる頃まで続いたそうな。
◇ ◇ ◇
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その155
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1179357741/l50
807 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 09:30:47 j2+S8KLW
統夜「ふぁ・・・・みんな、おはよう」
メルア「統夜さん、おはようございます」
テニア「統夜っ、おはよう!!!」
カティア「ハッハッハッハッ」
統夜「ん〜・・・・カティア、朝から発情してるんじゃな・・・・・・・い」

カティア「ハッハッハッハッ」
統夜「・・・・・・・・。」
メルア「え・・・・えと・・・・」
テニア「朝起きたら・・・・・・こうなってたんだよっ」
統夜「・・・・・・・・・・・・・・・なんで?」
AC見てたらこんなの思い浮かんだ
授業中なのに爆笑しちまったwwww
808 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 09:47:35 gxJ34Vrl
807を見て俺は、「そこまでして会社を休みたいか八神くん」というのが浮かんだ。
819 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 15:00:41 NFBemmrA
>>808
課長補佐代理心得、だっけか
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
894 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 22:48:44 4iuN7/AR
>>807 を続けてみた。
オチに続ける前の展開があさっての方向に爆走して書き上げるのが遅くなった。
第1段落の次は212行目まで飛ばしても多分繋がる…と思う。
あと、モデルになった食べ物屋さんは本来日曜休み&追加メニューは13:00
以降の提供なので、そこはご容赦。
◇ ◇ ◇
「んな訳あるか!」
カティア本人の如く、既にテニア&メルアを説教する気まんまんの統夜。
説教に対するモチベーションが「おやびーん」と喋るオットセイの如く盛り上
がりまくっている状態だ。
それを察して、テニアとメルアが散歩のお預けを喰らっている仔犬の顔をし
ながらこう反論する。
「本当だよー!」
「そうですー、ひどいです統夜さんー!」
で、この状況下、カティア2号(仮名)こと、そこら辺にいた柴犬はと言うと。
「あそぶ? あそぶ?」
と顔に書いて尻尾を全力で振り回している。その様子に毒気を抜かれた統夜
は、いくばくか冷静さを取り戻し、こめかみに掌を当てながらこう呟いた。
「…とりあえず、状況を整理しよう。昨日お前ら、どこに遊びに行った? 確
か俺がバイトって事で、3人で買い物に行くっていう予定だったよな?」
その問いに対して、テニアとメルアは昨日一日あった事を仔細に説明し始めた。
「明日は新宿食い倒れツア—!!」
「却下」
「なんで—!?」
「お財布の中身を考えなさい。月末まであと何日あると思ってるの?」
カティアの完璧なまでの正論に対し、テニアは不満げな顔でこう応じる。
「ぐうー」
「何それ」
「ぐうの音」
「なるほど。つまりあなたには反論の余地があるのね? ほら、言ってみなさい?」
「ございません」
綺麗な土下座で、テニアはそう答えるしかなかった。その姿を見て、メルア
はカティアを説得するための材料が揃ったプランを必死に考える。
あまりお金をかけずに、近場で、楽しめる場所。
そして結論。
「吉祥寺に行って『小ざさ』の羊羹を」
「却下」
「どうしてですかー?」
「行列だけで半日潰しちゃうのは、もったいないでしょう?」
カティアのその説得に、またまたテニアが口を挟む。
「うっそだー。アニメイトが込む前にさっさと買い物済ませたいだけじゃーん」
直後、カティアがごっつええ笑顔でテニアにこう告げる。
「何か言った?」
狩られる。本気と書いてマジで。
そう判断したテニアは、
「あははー、何でもないでございますのことよー」
即座に笑って誤魔化した。
そしてその惨状を目の当たりにしながらも、メルアが状況の打開を図ってこ
う呟く。
「それじゃあ、カティアちゃんは何処に行きたいんですか?」
「秋h」
「却下!!」
「どうしてよ」
「それ、カティアちゃんだけ楽しいじゃん!」
「チュロスはもう飽きましたー」
「それに美味しいお店は高いし安い店は込んでるし量は少ないし」
実際は統夜に以前連れて行ってもらった万世ビルのカツ屋がご飯&キャベツ
おかわり自由なのだが、アキバに行きたくない一心のテニアは、あえてカティ
アにその事を伝えずにおいた。そして案の定その策は当たり、
「うーん…」
と唸ったっきり、カティアは黙り込んでしまう。
「ね? ほら、何か別のプランを考えようよー」
「そうね。あまりお金がかからなくて」
「ごはんが大盛りで安くて」
「お菓子が美味しくて」
5分経過。
「どこよ、それ」
「面倒だから吉祥寺にしちゃう?」
「わーい、『小ざさ』ー」
「行きません」
「えー?」
かくして完全に状況が手詰まりになりつつある中、テニアが半ば自棄になり
ながら愚痴る。
「うーん、あんまり今まで行った事のない街って、なかったかなー」
「…あ」
「どうしたんですか? カティアちゃん」
「そうだ。何時だったかアキバに行った時、統夜が『たまには一駅前で降りさ
せてくれよ…』って言ってた事あったわ」
「えーと、一駅前って?」
「御茶ノ水ですかー?」
「何かあったっけ、あんなとこ」
「ちょっと待って。確かここの本棚に…」
そう呟きながら、居間の本棚をまさぐるカティア。そして数分後。
「あった! これよ!」
とカティアが得意満面で取り出したのは、かつての高名な文学者の筆名をそ
のまま雑誌の名前にした、東京レトロ趣味の雑誌である。この雑誌、毎回違う
地域にスポットを当てて取り上げるため、十分にタウンガイドとしてもその用
を為す。そしてこの家にあるその雑誌はたった一冊。その本がガイドする街の
名前は、
「神田、神保町、御茶ノ水」
「あ!」
「これですねー」
そしてその雑誌を数ページめくった結果。
「ここね」
「ここしかないよー!」
「美味しそうですねー」
ようやく3者の意見が合致したのであった。
という訳で、日曜日の御茶ノ水駅前、午前10時半。
「にしても」
「人生ナメてる街よねー、ここって」
「日曜日はほとんどのお店が11時からって一体…」
3人はそう愚痴りつつも、道沿いの両脇に楽器屋が並んでいる坂の頂点から
、明大のリバティ・タワーの前を通り抜けると、スキーショップが出はじめる。
その辺りから食べ物屋も増え始め、さらに古本屋が間に挟まり始める。そのま
ま表通りに沿って行けば、そこが本の街・神保町の表玄関となるのだが。
「おなかへったー!」
案の定と言うべきか、テニアのその一言で微妙に針路変更。明大前を過ぎて
セブンイレブンの入っているビルの脇から裏通りに入っていくと、そこは昭和
の昔から、いやあるいはそのずっと前から学生の腹を満たし続けて来たB級グ
ルメの天国のような場所になっている。ちなみに、テニアさんのこの日のター
ゲットはというと。
「えーとね、このちょっと先に、ごはん大盛りを頼むと泣いて土下座して謝り
たくなるくらい盛ってくれるとんかつ屋さんと、天ぷら屋さんがある筈なんだ
けど…」
「どっちにするの?」
「両方!」
案の定、とでも言うべきテニアのリアクションに、カティアは冷静きわまり
ない口調でこう応じる。
「駄目。片方」
「けちー」
「まあまあ…」
そんな事を言い合いながら、微妙に古ぼけたビルが立ち並ぶ裏通りを歩いて
いるうちに。
「ごま油の臭いがする…」
「あら、いい臭いね」
「この近くなんじゃないですかー?」
江戸前の天ぷらは、白身の淡白な素材にコクと風味を足して味わう。だから
ごま油の風味をきっちりと効かせるのが肝だ。とは言え、そういった天ぷらは
高級店の物と相場が決まっており、それこそ統夜が居たら3日間は頭を抱え続
けるるような金額が吹っ飛ぶのが当然というものなのだが。
ここは学生の街。それでは商売が成り立たない。素材は「そこそこ」ではあ
るが、ごま油の効いた風味、からりと揚がった衣、何より熱々の炊きたてご飯。
それを、漱石一枚でおつりを付けて出してくれる店があるのだ。
「あ、ここだここ!」
そう絶叫したテニアが辿り着いた店は、無造作に開け放たれた入り口に藍の
暖簾がかけられ、その奥には掃除の行き届いた清潔な白木のテーブルが見える。
気取った訳ではなく、力んだ訳でもなく、そこはかとなく粋な空気。
それを観て、メルアとカティアが思わず呟いた。
「わあー」
「なんか、『江戸』って感じ…」
もっとも、その感慨も、
「おじさーん! あたし、天ぷら定食大盛り、あなごにおしんこも付けてー!」
という絶叫によってある意味あっさりと打ち砕かれてしまったのであるが。
昼食は、確かに美味かった。値段からすれば十分に水準を上回っている味で
あった。もっともカティアとメルアにはやや量が多く、それを気遣った店の人
が少なめに盛ったご飯も食べるのが辛かった、というのが正直な所ではあるの
だが。
そういう訳で、「カティアにとっての」本筋である本屋巡りに入る前に、も
う一休み。地下鉄神保町駅の近くのまたまた裏通り、老舗喫茶店の立ち並ぶ一角。
その中でも一番の有名な老舗に、彼女らはいた。
「おいしいですー」
「うん、なんか懐かしい感じの味」
そう論評しながら、メルアとテニアが飲んでいるのは、例の雑誌にも載って
いたいちごジュースとバナナジュース。メルアはそれにアイスクリームも付け
ている。一方その向かいに座っているカティアは、目の前のブレンドコーヒー
よりも、壁に書き込まれた白いマジックの落書きの数々を興味深く見つめている。
「歴史ね…歴史を感じるわ」
その呟きに、メルアとテニアはこう応じる。
「おー、文学少女だ、文学少女がいる」
「カティアちゃん、頭良さそうに見えますー」
その論評を受けて、カティアは決して本気ではないとわかる程度に眉をひそ
めつつ、さりげなく反論を試みる。
「あんたら、人をアホの子みたいに言わないの」
「あはは…」
「でも、なんか気に入っちゃったわ、この街。たまに来ようかしら」
「うん、ごはんもまだまだ美味しそうなお店がたくさんあるし! カレーでし
ょ、洋食屋さんでしょ、白山通りの方を登って行くと、ラーメン屋さんもレベ
ル高いみたいだし」
「甘味処もまだまだ沢山あるみたいですし」
理由は三者三様であるが、それぞれにこの街には感じるところがあったようだ。
当然と言えば当然であろう。そもそもこの界隈、大学と専門学校とが馬鹿のよう
に密集している土地柄だ。学生の飽くなき知識欲をはるかな昔から満たし続け、
さらにその上に新たな地層を重ね続けて、新たな学生たちはもちろんの事、か
つて学生であった者たちの思い出も知識欲も決して裏切らない、不思議な魅力
のある街なのだ。
「さあ、いよいよ本筋、本屋さん巡りに行くわよ」
「おー、カティアちゃん気合入ってるー」
「頑張ってー」
喫茶店を出ると、彼女らは交差点を渡り、「古書センタービル」に向かう。
そのビルの最上階、古いアナログレコードの専門店を皮切りに(成人男子向け
の書店は当然パスしながら)、古い映画のパンフレット、戦前のプロマイド、
昭和はもちろん、明治・大正のものまでが揃った児童書の山…と言った、普通
の古本屋ではありえないラインナップを眺めながら、カティアのペースに合わ
せてゆっくりとビルを降りてゆく。
もっとも当のカティアも、アキバに行った時のように脊髄反射的に散財する
事はない。ただ、眺めているだけでも何か幸せな気分になる。統夜の言ってい
た言葉の意味を、しみじみと感じ取っていた。
そして2階。この古書センタービルのある意味象徴である、漫画古書専門店。
それに気づいて、テニアとメルアが苦笑いとともにこう呟く。
「えーと、大河の穴みたいな店なのかな」
「私、パスしてもいいですかー?」
「ちょっと待って…違うわ
「?」
「この店、アキバの店とは明白にベクトルが違うわ」
そのカティアの言葉に従って、テニアとメルアが目にしたのは。
「わ!」
「昭和30年代の貸本漫画の復刻です」
「こっちには黄金期のガロのバックナンバーがみっちり…」
「うわっ、統夜の小さい頃の漫画雑誌のバックナンバーまで、たっくさん」
そして店内の様子を眺めてみると、誰もがとうてい漫画専門店に来る客と思
えないような気難しい顔をして真剣に本を選んでいる。
「恐ろしい街ね、神保町…」
「あー、楽しかった!」
「また来ましょうねー」
「そうね」
そう言い合いながら、交差点を渡り、御茶ノ水に戻ろうとする3人。一応こ
の角からなら神保町駅から地下鉄に乗って、あるいは白山通りを登って水道橋
経由…という選択肢もあるのだが、念の為彼女らは来た道を戻ろうとしていた。
の、だが。
それが悲劇の始まりだったのだ。
「ちょっと待って」
「?」
「この一軒だけ! この一軒だけ寄らせて!」
カティアが両手を合わせて、テニアとメルアを拝み倒した。そしてそれを受
けて彼女らが見上げたその先にあったのは、黄色いビルに入った小さな本屋。
そして、その店から。
『あ、あやしいーっ!!』
『この本屋、アキバと同じ空気ですー!!』
テニアとメルアは全力でウォーニングを受けていた。しかしそれはつまり、
「普段のカティア」にとっては望むべき空気でもある。
まずい。危険だ。
そう悟った二人は、カティアにこう応じた。
「う、うん」
「頑張ってねー、カティアちゃーん」
「あたしら、ここで待ってるから」
「そう? 悪いわね。じゃ、行って来るわ!」
その言葉を残して、勇躍黄色いビルに特攻をかけるカティア。
だがしかし。
「きゃああああ! 狭い狭い狭い苦しいって、こっち!? 降ります降ります
降ります嫌あああああ—っ!」
という大絶叫を残して店内に吸い込まれて行ったかと思うと、そのまま反応
が途切れてしまった。
「か、カティアちゃん!?」
「うそ—!?」
余りの出来事に、そう絶叫しながら店の入り口付近に近寄るテニアとメルア。
しかし、である。
その店内には一箇所しかレジがなく、うなぎの寝床のような縦長の本屋の通路
は全てレジ待ちのお客さんで埋まっている。かつ、男性向けの本を持っている。
そして、入り口の真正面に当たるところの天井近くの壁に、
『女性向け 地下』
という案内が書いてあった。
「えーと、つまり」
「カティアちゃんは入ったはいいけれど、この大行列に巻き込まれて」
「なんとか頑張って地下に向かったはいいけど」
「足でも踏み外して下まで落っこちた上」
「無事だったとしても、この行列が途切れるまで上がって来れない…」
その言葉を最後に、テニアとメルアは瞬時にリスク計算を開始し、そして次に
取るべき行動を決定した。
「カティアちゃん!」
「グッドラック!」
そう叫んで、その場から逃げ出したのだ。
そして千川駅前。
「ど、どうしましょう…勢いでカティアちゃんを置き去りにしちゃいました…」
「なんとかなるっって! カティアちゃんなら自力で帰ってこられるよ!」
「でも、ひょっとしたらあの本屋さんじゃ…」
「うっ…」
「しかも、統夜さんが帰って来てもカティアちゃん戻ってこられなかったら」
「…………」
かくして、蛭子漫画の登場人物のような嫌な汗を吹き出しながらその場に固
まるテニアとメルア。
「誤魔化す方法…誤魔化す方法…」
「なんとかしないと…」
そんな事を呟いている両者の目の前で。
『何してんの? ごはんくれるの?』
とでも言いたげな表情をして、利発そうな柴犬様がお座りしていた。
「カティアちゃんだ」
「?」
「メルア! この子はカティアちゃんなのよ! たった今から、この子はカテ
ィアちゃんなのよ! 面影あるわよね! ねっ!? ねっ!」
「そ、そう言われれば、そうですねー。この子がカティアちゃんなのねー」
「という訳で」
「つまりお前らのせいか」
「あはは、そんなに誉めないでよ」
「誉めてない!」
その絶叫の後、統夜は滅多に無い剣幕で大説教を開始する。
「お前ら何考えてるんだ! だいたいいくら危険だと思ったからって見捨てる
ってのはどういう了見だ! 普段どれだけカティアに世話になってるか判って
るのか!? しかもまだカティア、帰って来てないんだぞ!?」
「わん」
「頼む…カティア2号、黙っててくれ…」
「こうなったら、この子がカティアちゃんっていう当初の方針を」
「貫かん!」
「当然ね」
「だってカティアちゃんは醜の御盾として立派に散って」
「だ・れ・が・し・ん・で・る・ん・で・す・っ・て?」
「…え?」
「はい?」
その言葉とともに、蛭子漫画の顔でテニアとメルアが振り向いた先には。
鬼の形相のカティアが、ぼろぼろの服を着て、ついでに紙袋にみっちりと
ベーコンでレタスな本を詰め込んで立っていた。
「あは、あはははは…」
「カティアちゃん、生きてたんですね、良かったですー」
乾いた笑いと変な汗のブレンドによる、被告人たちのまるで真実味のないそ
の言葉を受け、裁判官カティアは重々しく判決を告げる。
「おしおきよ。月に代わってね…」
そして、弁護人統夜も。
「今回は止める理由もないな」
「そんなぁー!!」
「ひどいです二人ともー」
「だまらっしゃい!!」
ほんでもって。
「テニア2号ー、メルア2号ー、ご飯だぞー」
統夜のその言葉を耳にして、テニア2号(ウエルシュ・コーギー)とメルア
2号(ゴールデン・レトリバー)がえさに駆け寄る。さらに。
「あ、カティア2号も」
「わん」
カティア2号もなし崩しに紫雲家に居ついていた。
「よし、じゃあ俺達もご飯にしようか、カティア」
「はい」
「ところでカティア、そろそろテニア1号とメルア1号を許してやっても…」
その言葉を途中で遮り、ものごっつええ笑顔でカティアは言った。
「まだ駄目です。もっと本気で反省するまであの子たちは許しません」
「…はい」
そしてその頃、テニア1号とメルア1号はと言うと。
「ごはんー!!」
「おやつー!!」
「やかましい! きりきり修行せんか!」
食べてはいけない禅寺修行一週間の旅に無料招待されていた。
本日の教訓。
因果応報。そして。
泣く子と地頭と「姉」には勝てない。
◇ ◇ ◇
895 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 22:52:55 P6HRult0
>>894
投下乙&2号にワロタw
>あと、モデルになった食べ物屋さんは本来日曜休み&追加メニューは13:00
>以降の提供なので、そこはご容赦。
ナイスなチョイスだったのでプニってやるw
ウリウリ (=´ω`)σ)*`Д´)ノ
898 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 23:03:46 flrIijUv
>>894
某S予備校生&某B区在住なので、御茶ノ水ネイティブな俺が来ましたよ。
ビレッジでバンガードな遊べる本屋の本店はおすすめだが、それはそうとGJ
915 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 23:39:22 8EixxZx4
>>894
なるほど、つまりテニア達はカティア二号用のあの黒髪鬘と服を用意したわけだな!?
当然お手製の!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その155
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1179357741/l50
765 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 00:33:20 3vQCQszG
流れは一旦ラースエイレムしといて。
ちょっとSS書いてみた。今日一日こんなことばっかり考えてた俺\(^o^)/オワタ
カズマとラミアとアリアのお話 投下所ロダにポイしました
では再開 時は動き出す…
◇ ◇ ◇
○月×日
(以下映像を交えてお楽しみください)
ぴんぽーん
「(動画漁り中)…ヌコハァハァ…ん?誰だろ」ピピピッ
『私だ。休暇中のところすまないが、頼みごとがある』
「—あぁ、良いぜ。今ロック外すから上がってくれ」
『感謝する』
ほどなく入ってきたのは、現極東方面教導隊隊員・ラミア=ラヴレスその人だった。
「助かる。当てにしていた者がいなくてな—ん?アリアか」
「んんにゅ?む、ラミアお姉ちゃん?」
返事をしたのはベッドに寝転がりながら俺の漫画を読むアリア。
つい先日ひょっこりヴァルストークに潜り込んでいたのだが、
その際の質問「お前らの責務だかなんだかはどうした」に対し
「久々にミヒロに会いたいから地球に行って良いかとパパに聞いたらOK出た」とのこと。
真相は大方アリアが「退屈だ」とかうるさいのでこっちに丸投げしたに違いない。親父モドキめ。
追い返すのも面倒なのでウチで働いてもらっている訳だ。以外にも使える奴で重宝している。
で、親父ネットワークの関係もありちょくちょく極東基地の連中とは仕事がらみで付き合っているのだが
近頃とりわけこのラミアとアリアの仲が良い。見た目とは逆にアリアの方がお姉ちゃんしているらしい。
「いろいろ教えてあげている」とはアリアの談。ザ・データベースの二つ名は伊達じゃないようだ。
で、今日もその流れかと思ったのだが…
「どうしたの?私じゃ解らない事?」
「ああ、多分な」
「むー」
「ラミアが俺に頼みごとってのは珍しいな。で、内容は?」
「コレだ」
言って取り出したのは「…ディスク…DVD…旧世代の記録メディアの一種だな。今も現役だけど」
「このディスクの再生に必要な個人端末が手元に無くてな。
リュウセイ少尉に頼んだのだが、生憎修理に出しているとの事だ。伝は無いかと尋ねた結果—」
「俺が該当したということね」
なるほど。甘い甘い特別教室へのお誘いじゃなかったわけね。ちょっと期待してた分少し泣いた。
「えーっと、規格はPS2か…しまってたのはどこだっけな…」ゴソゴソ「っと、有った」
「結構ごつい箱だね…確かコレは…記録対象2044391543-2だったかな?」
「何気に知ってるのね、お前…で、ディスクの方はどうだ?」
「お前って言うな!馬鹿カズマ…んーっと…ごめん、記憶に無いや」
「すまん。そうか…あ、一応動くか試したいけど、良いか?」
「問題ない」
「わかった。配線繋いで…っと。じゃ、入れるぞ」
「コレは…だんすだんすりあくたー?…ダンスゲームか。何でまたこんなもんを」
「エクセ姉さまに
『食欲中枢の機能異常で身体データの一部に異変が生じた。再調整したいがいいプランは無いか』
と聞いたらコレを渡された」
「…まぁ、あながち間違いではないか…」
「ねぇねぇラミアお姉ちゃん、コレどうやるの?」
「専用のツールで操作しろと言われた…これだ」バサッ
「矢印つきのマット?どうすんだろ」
「画面を見ていれば理解可能とも言っていたな」
「ふーん。ねぇねぇ、私やってみていい? 」
「問題ない。操作ツールは二つ有るしな」
「やったぁ!馬鹿カズマなんかそっちで見てなさーい♪」
「…はいはい。じゃ俺はヌコ動画に戻りますから…」
まぁ、少々騒がしくなるが、構わないだろう。
エクセレン少尉の、という所に少々引っかかるものを感じるが。
どうも俺はあの人のお気に入りらしい。先日も見事にやられた。
『飴』という餌を蒔いて『鞭』で刈り取るのを脇から観戦して酒の肴にしているとか。ド畜生。
とはいえ、今回はリュウセイの奴を経由しているから大丈夫か、と思った矢先。
ヌコが「…ダンス」跳ね回って「…ゲーム端末」遊んでいる「…エクセレン少尉」動画が、
そして「ふーん、足でタイミングよく矢印踏んでいけばいいのか。じゃ、やってみよっ!」「準備は万端だ」
との声が、今この部屋にあるファクターを一つにまとめ上げた。
ダンス、矢印マット、跳ね回る、エクセレン少尉、そしてラミアとアリア…いかん、これは、これはっ!
「ちょ、お前ら待t…ぐほぉッ!?」
『 飴 』 と い う 名 の 罠 だ ッ ! !
「む…これはなかなかどうして」ばいんばいん
「ひゃー、こ、こんなの…ううん、負けるもんかぁっ!」たゆんたゆん
「………………い、いかん」
落ち着け、こういう時はアレだ、素数だ。素数を数えろ、俺。
「1,3,5,7,11,13,17,19,23、にじゅう…」
「おっと…この服ではやり辛いな」ぷるん
「乳頭温泉っ?!」
行ったことも無い温泉の名前を叫んだ。いや、何処かは知らん。(秋田です)
「ぐぅ…ちょっと、二人とも…」
「どうした?受け答えしてる余裕はあまり無いが」「邪魔すんな馬鹿カズマ!」ばいんぽよん
「スンマセンツヅケテクダサイ…」 「そうか」「?変なの」
いかん、コレはコレで天国だが同時に地獄だ。テンションがレッドゾーンどころかリミットオーバーというか。
というかコレが罠なのは既にほぼ鉄板だ。急いで離脱しないと、
…間違いなく粛清の嵐が巻き起こる…い、いかん!マジなんとかしないと!
プラン1:飲み物を取ってくるとさり気なく部屋の外へ
「あー、ソウダ、ノミモノトッテコナイト」すたすた
「カズマ待った。あたしが勝つまでそこで見てるのっ」がしっ
3秒で撃沈…orz
プラン2:何事も無かったかのようにヌコ動画へ集中
「じ…じゃ、俺、ヌコ動画見てるかr」すたすた
「待てカズマ、勝負の審判をする約束だ」がしっ
そんな約束いつの間に成立っ!?…orz
プラン3:しょうがないので審判と称して下の方を見る
くっ、仕方ない、コレならなんとかナルハズ…ソスウソスウ…1,3,5,7,11,13,17,19,23、
「ふっ、はっ、とうっ…」「それ、それ、それぇぇぇぇっ!」ぷりぷりぷりーん
「…………………………………………………………………………………はっ!?」
くそっ、見入ってしまった…またか俺!orz
「ふう、やるな…」「ラミア姉ちゃんこそ!」いかん、熱くなって終わる気配が見当たらない。
「ふ、二人とももういいだろ?そろそろ休憩はさんだらどうだ? 」
「む、確かに…そうだな、もう一戦でケリをつけよう。どうだ?アリア」
「望むところだよっ…さっきのが本気だと思わないでね…ボディスーツ、高機動モードセット!」
『何ッ?!』
プシュー、バシュッ!
「って、ほぼ下着みたいになっただけじゃないか!」「やるな、機動力が20%上がっている」え?マヂデスカ?
いやしかしこれで興奮度は+100…それどころじゃない、生命の危機度が鰻上りな+1000くらいだろう。
生きろ、俺。
「じゃあ、マジコレ最後な…スタート!」
きっと俺のカウントダウンもスタートに違いない。ドアの向こうに姉と妹が来ないことを祈ろう。望み薄だが。
「よっ、ふっ、はっ…」「この程度じゃ負けないんだから!」ばいんばいん
「ふっ、どうした、息が乱れてきたぞ」「…えぇいっ!あたしの力、見せてあげる!そこ、そこ、そこおぉぉっ!」ぷるんぷるん
「ふん…ではこちらも本気を出させてもらおう…」「う、うそ!?あたしが追い詰められてる…!!」たゆんたゆん
大丈夫、だいぶ慣れてきた。主に血が一箇所に集まってくれたので思考もむしろクリアだ。
ソレを除けばもう理性が飛ぶなどありえない。大丈夫。こういう時のための素数だ。1,3,5,7,11,13,17,19,23、にじゅう
ぽろん『あっ』 「伝統芸能ッ!?てかそれは反則ぅぅうぅぅ!?」
…ごめん、今逝くよ…親父…母さん…
「ふう、同点か…惜しいな」「むーっ、もうちょっとで勝てたのに…カズマ?」
「も、もう駄目…」バタッ
(うわー、は、ハイパーおちんちんだ…)
(何だそのハイパーおちんちんとは)
(き、記録番号021302246146、カズマ特有の…その…)
(コレか)
(うわっ?!に、握っちゃ駄目っ!)
(お兄ちゃーん?さっきから何騒がしいの?入るよー。
…………アリ姉ちゃんとラミアお姉ちゃん、半裸でナニしてるの?)
(見てのとおりだ)
(…)
(あらあら、今日は大漁ね…うふふっ、料理のしがいがありそう♪)
それからの事はあまり覚えていない。何故か極端に体力が落ちているが、妙にすっきりした気分だ。
目が覚めたらミヒロにシホミ姉に長々と説教されたのはいつも通りのオチだったが。
エクセレン少尉は仲間と酒盛りまでして観戦していたらしい。お粗末さまでした。次回はアンタがツマミだ。覚悟しやがれ。
休暇も終わりに近い。さて、出発の準備をして寝るか。
明日こそは平穏かつ幸せに満ちた日でありますように。
…少し涙が出てしまった。畜生。
カズマ
◇ ◇ ◇
795 :765 :2007/05/21(月) 06:00:10 3vQCQszG
ところでだれも居ないようなので、とりあえずおっぱいしておきますね。
_ ∩
( ゚∀゚)彡おっぱい!おっぱい!
⊂彡
796 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 06:03:56 9Z1OvVoV
_ ∩
( ゚∀゚)彡おっぱい!おっぱい!
⊂彡
797 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 06:23:33 APiw3Ev5
朝も早くから、何してるんだ、自分………。
_ ∩
( ゚∀゚)彡おっぱい!おっぱい!
⊂彡
798 :名無しさん◎お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 07:09:36 vwStakZL

799 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/21(月) 07:24:18 wTEm7n9f
>>796−798
朝っぱら何やってんの!まったく…

スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その154
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1178375856/l50
464 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 18:17:19 ZU8WjInW
>>460
前にネコ耳メイドのカティアネタでSS書いた者としては猫耳の方がイメージ強い訳なんだが。
とりあえず犬ネタでSS書けとのご提示ですか?
465 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 18:26:21 UpcFaKQL
そういやカティア萌えスレに犬ネタがあったな。だがあえて
>>464構わずぶちかませ!
533 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 23:35:26 ZU8WjInW
とりあえず>>464でのネタを投下してみるテスト。
カティアスレの住人な為、あっちの方で前に書かせてもらったSSを知ってると吉かもしれぬ。
◇ ◇ ◇
事の発端は、我が家の夕飯の席で某ぽちたまが流れた事から始まった。
「あー、可愛いなー! ねぇ、犬飼おうよ!」
相変わらずのノリなテニアにカティアは厳しい言葉を投げつける。
「ウチにそんなお金があると思ってるの? 単純に言うけど、それにちゃんと面倒とか見れる?」
『うっ!』
「しつけ・散歩・餌・その他もろもろきちんと面倒見れるの? 子犬と成犬とではイメージ違うかもしれないし、物じゃない命を養うって自覚を持てる?」
まるでお母さんのようにテニアに説教をするカティア。
「とにかく! ウチでは犬は飼いません! そうですよね、統夜」
「あっ・・・・ああ」
・・・・・俺はその流れ弾を喰らってしまった訳だが。
「でもカティアちゃん、詳しいですね」
メルアに言われるとカティアは顔を赤くして顔を背けた。
「・・・・・そ、それはまぁ・・・・結局、私も単純って・・・・コトよ・・・」
(つまり、カティアも飼いたいってコトか)
事態が急展開したのは、俺が雑誌の懸賞でDSと「とあるソフト」を手に入れてからだった。
その懸賞。 DS本体とソフトを一本つけるという内容で、問題はそのソフトだった。
『nintendogs 柴&フレンズ』
それが、俺が手に入れたソフトの名前だった。
「・・・・いやー。 まさか、本当に当たるとは・・・・」
机の上に鎮座するDSとそのソフトを呆然と眺めてみる。
「とりあえず——やってみるか」
箱から本体を取り出し、ソフトを入れる。
居間の机で家計簿をつけていたら、5時になっていた。
「いっけない。 もうこんな時間」
机の上の家計簿や筆記用具を片付け、この家の家主の部屋に向かう。
「統夜、いいですか? 今日の夕飯のことについて相談が・・・・」
軽くノックをし、部屋の中を覗く。
「ラフト、飯だぞー」
———バタン。
どうやら幻影が見えたようだ。
統夜が机に向かってなにやらユカイな状況になっていた。
もう一度扉を開く。
「よし、ラフト。 散歩いくぞー」
「・・・・・・統夜?」
頼れるパートナーにして、最愛の人の姿に思わず呆然とする。
「おっ、カティアか」
「なに・・・・してるんです?」
「いやさ、これ、懸賞で当たったんだけど」
統夜に言われ、彼が手にしているモノを覗く。
「これって・・・・犬を飼うってゲームですよね」
CMで見たとき、ちょっと買ってみたいなーと思ったりしたゲームだ。
「ラフトって名前にしたんだ」
「へぇ・・・・。 かわいいですね・・・・・」
画面の中の子犬の愛くるしい姿に統夜と二人で和む。
「統夜って犬が好きなんですね」
「や、これは誰でも和むだろ」
「確かに」
カティアと二人で画面の中のラフトを暫く眺める。
「そういえば統夜。 私、前にネコ耳メイドやりましたよね」
「ああ。 そいうこともあったよな・・・・・まさか」
一瞬、かなり凄い絵が思い描かれ、すぐに消し去った。
「・・・・私が犬のコスプレしたら似合うと思いますか?」
恥らうカティアの言葉にさっき消し去った絵が再び描かれた。
犬耳をつけて、何故か俺のシャツを着たカティア。
無論、シャツのサイズが合う訳もないので手のトコロがかなり間抜けなことになっているが、かなりのエロスが漂っている。
そして彼女の腰元には左右に揺れる尻尾。
しかも、ズボンやスカートは『は・い・て・い・な・い』
「ぬおぅ!」
自分の脳裏でペタンと座り込む少女の姿に思わず吹き出す。
「統夜?」
きょとんと俺の想像図のモデル本人が俺のを覗き込む。
「いや・・・・なんでもない」
そうして紫雲家の日々は流れていった。
ちなみに、サイトロンで俺の想像図をのぞき見たカティアが想像図どおりの格好でベッドに忍び込んできたりしたことは、あったような、なかったような。

◇ ◇ ◇
537 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 23:37:45 bmW/8Vbc
>>533
果てしなくGJなんだけど個人スレに投下したるとより喜ばれるんでないかね。
538 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 23:46:08 ZU8WjInW
>>537
確かにあっちの方がいいとは思ったことは思ったんだが
こっちで予告した以上、こっちで投下した方がいいと思ったんだ。
正直、スマンかった。
540 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 23:48:16 uU0Aon5X
>>538
キニシナイ。そしてGJ
542 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/14(月) 23:51:36 UpcFaKQL
>>533さあ、今すぐカティア萌えスレにも投下する作業に戻るんだ。実にフランツ
548 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/15(火) 00:05:46 gJHRBeue
>>533
GJだ。統夜が端から見たら春先に多い人みたいになってて吹いたwww
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その154
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1178375856/l50
975 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/11(金) 23:10:39 +6FeFPfT
…なんかエキドナがちびアラドとアラドに自分が作ったケーキを試食してもらえないかたずねてる光景が浮かんだ
そしてちょうどティータイムなのでウキーラと5人で優雅にお茶会という光景が
268 :前スレ975 :2007/05/13(日) 11:21:38 uK3XOKa+
ようやく前スレの最後で言ってたネタが書けた
ティータイムのネタだったはずなのに、全然ティータイムを書いてないのは気にしない
内容も時間がかかってしまったのも反省はするけども後悔はしない

◇ ◇ ◇
「ふむ、後は焼きおえたらトッピングをすればよいのだな…」
とても戦艦の中にあるとは思えないほど設備の整ったクロガネの厨房で彼女、エキドナ=イーサッキは本を片手にオーブンの前に立っていた。
彼女の目の前で稼動しているオーブンからは甘く、おいしそうな匂いがしている。
もうすぐ焼きあがるであろう、自分が生まれて初めて—と言っても、まだ数年も経過していないが—作ったケーキを前にここまでうまくいったことに満足しつつ、これを作るきっかけを作った自身の創造主、レモンの言葉を思い出していた。
「(せっかく戦い以外のこともできるんだから、何か趣味でも持ちなさい…か。とりあえず、幾つかもらった本から”お菓子作りの本”から適当に選んだケーキを作っているが…なかなかに難しいものだな。しかし…)」
このケーキをどうしたものだろう。ここまで作ったはいいものの、自分が使った分量は8〜10人分だと本には書いてある。
いくらなんでも、そんなに一人で食べることはできない。
「私としたことが、まさか確認ミスをするとはな…」
以前の自分なら考えられないことだが、過ぎたことはしょうがない。とにかく完成させて、自分で食べられるだけ食べたあとに誰かに御裾分けすればいいだろう。
そんな風に考えていると、オーブンから焼き終えたことを示すチーンという高い音が聞こえてきた。
「ふむ、細かいことは後で考えるか。先にトッピングを済ませてしまおう…うつったか?」
自分が口にした言葉にどこぞの突撃小僧の顔を浮かべつつ、エキドナは焼き終えたスポンジケーキをオーブンから取り出し、トッピングを始めた。
一方、どこぞの突撃小僧は…
「は…ハーックシュッ!…誰かうわさでもしてしてんのかな…それにしても、ちびのやつどこに行ったんだ?」
鬼ごっこ中のちびアラドを探してクロガネの艦内を歩いていたりする。
「あー、でも失敗したなぁ…遊んでやるとは言ったけど、まさかクロガネ全部を使った鬼ごっこなんて…見失ったら、探し出しようが無いぞこれ」
自身の分身である以上、なんとなくどこら辺にいるだろうというのは薄々感じるが、距離があるとその感覚もあまり働かない。
勘と運を頼りにして探し出すしかなかった。
「(それにしても…)」
自分が幼かったころも、今のちびのように遊んでもらっていたのだろうか。
昔の記憶は奪われてしまって存在しないが、自分にもたぶん両親がいたはずだ。…捨て子とかでフェフ博士に拾われてたとかだったらいやだが。
ともかく、ちびは分身であると同時に自分の子供のようなものだ。父親のように接してやりたいという気持ちがある。
「確か、カイ少佐って子供がいるって言ってたよな…今度子育ての仕方でも聞いてみよっかなー…おっ!」
今、少しだがちびの気配を感じた。どうやら、近くに隠れているらしい。
距離から考えて、食堂辺りだろう。行き先が決まったアラドは、今までよりも速度を上げて歩き出した。
「…何をしているのだ、お前は?」
今、エキドナの目の前には何かから隠れるかのようにうずくまっているちびアラドがいた。
トッピングを終え、ケーキを切り分けようとしたエキドナが下の戸棚から包丁を出そうとしたところ、その戸棚の中にいたのである。
「…ッ!…ッ!」
「…ふむ、アラド曹長と鬼ごっこをしている最中で、見つからないように隠れていたのか。しかしな、刃物があるところに隠れるのは感心しないぞ、ちびアラド。怪我でもしたらどうする。それと、それは鬼ごっことやらではなくて、かくれんぼというものではないのか?」
「!(ハッとした顔)」
気付いてなかったらしい。とりあえず、危ないので戸棚から抱きかかえて外に出す。少しまぶしそうに目を瞑ったのは、ずっと暗いところにいたからだろう。
あまり抱きかかえられたことが無いのか、自分の服をぎゅっと握ってくる。
「…なんとなく、悪い気分ではないな」
自分が無意識につぶやいた言葉に驚いた。まさか、自分がこんな言葉を発するとは…レモン様が聞けば喜んでくれたかもしれない。
何はともあれ、これからどうすればいいだろうか。下ろそうとしても服を離さないし、かといってこのままちびアラドを抱え続けているわけにもいかない。
さて、どうしたものか…
「ん〜と、こっちの方から…あれ、エキドナさん?…と、ちび?何でエキドナさんがちびを抱っこしてんすか?」
「む?アラド曹長か、ちょうどよかった。お前のファミリアが私の服を掴んで離さん。どうにかしてくれ」
アラドがエキドナとちびアラドに近づき、ちびアラドにこっちに来るよう言ったり、アラドが代わりに抱こうとしてもちっともエキドナから離れようとしない。どうも、エキドナに抱っこされるのが相当気に入ったらしい。
「困ったな…作業の途中だったのだが」
「え、マジッすか?俺が代わりにやるんで、ちびが自分から離すまでもう少し抱いてもらってていいすか?」
アラドの申し出にエキドナも同意する。どうせ後は切り分けるだけだったのだから、別に問題はないとふんだのだ。
「なら、そこにおいてあるケーキを切り分けてもらえるか。大体8等分くらいにしてくれればいい」
「これっすか?…うまそうなケーキですけど、ひょっとして…」
「私が作った…何か、おかしなところがあったか?」
「ちょっとクリームの塗りとかが少し荒い位で、おかしいところはないと思うっすけど…いや、そんな不安そうな顔しないでくださいよ」
少し不安そうな顔をしていたエキドナの顔が今度は安心したような顔に変わる。
…もっとも、その表情の変化はどちらの表情もほとんど気付くことができないようなものだったが。
「そうか、ならよかった…そういえば、アラド曹長は大食漢だったな。作りすぎて困っていたところだ。食べていくといい…こいつと一緒にな」
「…?」
一瞬、一瞬だけ、エキドナがちびアラドに顔を向けたとき、微笑んだように見えた。その顔がとてもきれいで…アラドは数瞬見惚れてしまっていた。
「…アラド曹長、どうかしたか?」
「…あ、いや、なんでもないっす。ごちになります」
とりあえず切り分けますねと、アラドはエキドナから視線をそらす。真っ赤になっていると自覚できるほど顔が熱い。
とてもエキドナの顔を直視することはできなかった。
「そういえば、そろそろティータイムと呼ばれる時間だな…紅茶でも入れてみるか」
アラドがケーキを切り分け終えたころ、エキドナが時計に目をやればちょうどそんな時間帯になっていた。
「あ、それならわざわざ入れなくても、多分そろそろユウキ少尉がここに「呼んだか?」ぃぃっ!?」
「何そんなにおどろいてんの、アラド?あ、こんにちは、エキドナさん」
「ちょ、ちょうど話してたところに出てこられたら誰でも驚くとおもうっす、リルカーラ少尉」
突然—少なくともアラドにはそう感じられた—現れたユウとカーラの二人にアラドは驚きを隠すことができないでいた。
たとえ来るだろうとわかっていても、心の準備をしていないでいると心臓に悪いものだ。
「ユウキ少尉とリルカーラ少尉はなぜここに?」
「ティータイムに紅茶を飲むのは当然のことなのでな…ここには、少佐が作り起きされているお菓子類もあるから、いつも利用している」
「まぁ、そんなわけで紅茶のみにきたんだけど…アラド、おいしそうなもの持ってるじゃない」
カーラの目がアラドの手元にあったケーキに向く。その目は獲物を狙う狩猟動物の目だ。
「それは私が作ったケーキだ。作りすぎてしまったので、食べてもらえると助かる」
「食べる食べる!ユウ、早く紅茶入れてみんなで食べようよ」
「急かすな、紅茶は入れる前の準備も大切なんだ。あらかじめカップを暖めておくことで(うんたらかんたら)」
「あー、もう、また始まった…しょうがないから、先にお皿出してケーキを分けちゃお…アラドの分は3人分くらい乗るお皿でいいよね?」
「あ、それでお願いするっす」
ユウが演説を繰り広げながら紅茶を入れる中、カーラはてきぱきと動いてケーキをそれぞれのお皿に移し、適当なテーブルの上に並べる。
いつもこんな風にティータイムを過ごしているのだろう。
カーラは準備しながらではあるが、実際にはユウの言葉をちゃんと聞いているであろうことがその苦笑した表情から窺える。
ユウも聞いてもらっていることがわかっているのだろう、別段気にした様子もない。いいコンビである。
「ところでさ、アラド」
「はい、何すか?」
「…なんで、エキドナさんがおちびちゃん抱っこしてるの?」
準備をほとんど終えたカーラがそれまで持っていたのであろう疑問をぶつけてくる。
まぁ、普通に考えればありえない画だ、当然の疑問だといえる。
「えーと、まぁ—かくかくしかじか—というわけでして」
「へー、でもほんと懐いちゃってるね。なんか、親子みたい」
「な!?何いってんすか!?」
「アラド、顔真っ赤だねー。でもそんな感じに見えるよ?こう、天然クール系奥さんとお母さん大好きな子供って感じ。ユウもそう思わない?」
カーラから話を振られ、ちょうど紅茶を注ぎ終えたユウが反応する。一応、こっちの話も聞いていたらしい。
「何を言っているんだ、お前は…まぁ、エキドナの髪も微妙に紫がかっている様に見えるから親子に見えないこともないな」
「ユ、ユウキ少尉まで…エキドナさんもなんか言って下さいよ」
「…天然クール系…そう見えているのか…」
「SOCCHI!?」
ほんの少しだけエキドナが不満そうな表情をする…が、その発言がまさにそれを示していることに気付いていないのが彼女らしい。
「まぁ、何はともあれみんな座れ、紅茶が冷めてしまう」
「はいはい、さ、座ろ」
「うむ、ご馳走になる」
「それじゃ、いただくっす」
5人—ちびはいまだに抱っこされているが—でテーブルを囲み一時のティータイムをすごす。
エキドナのお手製ケーキに舌鼓を打ったり談笑したりしながら楽しい時間は過ぎていくのであった…
終わり
ティータイム中、、生クリームを顔中につけてしまったちびアラドの顔をエキドナが拭いてあげてまた母親みたいだといわれたり、アラドの頬にくっついたクリームを取ってあげたり、それでまたアラドの顔が真っ赤になって慌ててしまい紅茶をこぼしてしまったり、それのせいでユウが怒って紅茶責めをアラドに決めたりしたがそれはまた別の話である。
◇ ◇ ◇
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
270 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 11:29:02 7UCZcLcl
>>268グッジョォォォォォォォォブ!!
271 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 11:35:46 HbKHAK6R
>>268俺は最初から最後までGJだってのによお!
272 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 11:54:04 aYroCC2A
>>268
GJなんだなこれが!
289 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/13(日) 14:22:39 8Sq2z9JB
ちょっと遅いかも知れんが・・・・>>268
お前のSSに俺が泣いてGJした!!
すぱろぐ大戦BBS・SS投下スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/31790/1174560483/l50
29 :名無しのも私だ:2007/05/10(木) 22:31:09 ID:FePUrKcA
続々々々々・イングラム先生のお悩み相談室。
アクセル隊長の悩み、及びエキドナ更生。
◇ ◇ ◇
——居酒屋ハガネ
「しかし、客の入りが悪い店ですな。こうも閑古鳥が鳴いては、赤字経営なのでは?」
「はは、なに。儂とて、本業を疎かにするつもりはない。半ば道楽商売だ」
今日も居酒屋に入り浸る先生は大将であるダイテツ=ミナセと雑談をしていた。ここ最近は相談室を訪れる人間は居らずに開店休業状態が続いている。
「何とも勿体無い話ですね」
「構わないさ。儲けなどは考えておらんよ」
これだけ上質な酒と料理を振舞う店が繁盛しないと言うのは信じられない。しかし、ダイテツが趣味でこの店を経営していると言うのならそれも考えられる話だ。
艦長職の片手間の商売ならば、逆に繁盛してもらっては困るのかも知れない。そしてその構図は先生にもそのまま当て嵌まるのだ。
「まあ、ほどほど忙しいのが望ましいが、余り暇が過ぎるのも考え物だがな」
大将はコップに注がれた日本酒を飲みながら笑う。イングラムはその大将の仕草に相槌を打ちつつ、肴に箸を伸ばした。
——ガラガラッ
……そんな折に居酒屋の引き戸が開かれる。新たな客が入店して来た。
「噂をすれば影だな」
大将はそんな事を漏らしながら、接客に動き始めた。
「……む?」
スッ、とイングラムの横の席に客が座ろうとする。店内には他にも大量の空席があるのに、敢えてそうするこの客に先生は思う所があった。
「隣の席、座っても良いだろうか?」
そうしてその客は少し遅れてイングラムに了承を取り付けてきた。
少ししゃがれた癖のある声。覗き込むその顔は美形と言って差し支えない部類に入る。若干垂れた眼と、そこに輝く瞳は髪色と同じくすんだ赤色だ。
「ああ。構わない」
これはどうも間違い無いらしい。久方振りに迷える子羊が先生の下を訪れた。その客の名はアクセル=アルマーと言った。
「いらっしゃい。随分と顔を見せなかったじゃないか」
「最近は忙しかったから、来る機会を得られなかったんだ、これがな」
「で、今日は何にする?」
「そう……島酒。青龍をロックで」
「うむ。つまみは?」
「イカの沖漬け」
「ほう」
会話を聞く限り、アクセルは何度かこの店に顔を出した事があるらしい。……実にキャッスルヴァニアだ。
今迄面を合わせた事は無かったが、幸運にも今回その機会に恵まれた。
「……さて」
「?」
「お初にお目に掛かる。イングラム少佐、俺はアクセル……」
「自己紹介は結構だ。要件だけを聞こう」
酒の入ったグラスを傾けつつ、イングラムはアクセルの事を盗み見た。……この男の事は報告書を読んで知っている。
シャドーミラー所属の特殊処理班隊長。Wシリーズを統べる者にして、戦士としての己に誇り持っている男。
……しかし、次元転移実験の失敗により一時期記憶を失い、壊れてしまった時期が数ヶ月あったらしいが。
「流石は少佐、話が早い。当たりを付けて、ハガネに来た甲斐があった」
「御託は良い。お前の持つ悩みとやら……聞かせてみろ」
先生にとっては久方振りの客だ。辣腕を振るいたくて居ても立ってもいられないかった。指揮系統が違うのか、アクセルは敬語を使う素振りは見せなかった。無論、先生はそんな事は気にはしない。
「っ、ゴホン!それじゃあ、本題に入らせて貰うんだな」
イングラムの放つ無言のオーラに気圧されたのだろうか?アクセルは咳払いをしつつ、己が抱える悩みを打ち明けた。
「俺の悩みは一つだけ。部下との温度差を埋めたい」
「む」
中々に難しいお題をふっかけられた。どうやら、アクセルは自分と部下の間に溝を感じている様だ。
「こんな事は自分で処理しなくてはならない問題なのだろうけど、情けない事に俺はそれにどう対処して良いか分からない。だから、少佐に助言を貰いに来たんだな」
「成る程。お前と部下の間には軋轢があるのだな。……お前の部下と言うのは、Wシリーズと考えて良いのか?」
軍隊だろうが私企業だろうが、人の上に立ち、指導する者は労務管理の責を負う。アクセルが持ちかけるのは中間管理職が通らねばならない気苦労の縮図だった。
そう考えると、アクセルが普段どれだけの精神的疲労を負っているのかは想像に難くない。……イロモノ揃いのWシリーズの現場監督、及び指揮はさぞ大変なのだろう。
「ええ。……別に、そいつ等全員と仲が悪い訳じゃない。俺の手に余るのはたった一人だけなんだな」
「一人だけ?」
イングラムは酒を呷りながら考えた。自分が知っている限り、思いつくWナンバーズは三人だけ。
ウォーダン、エキドナ、ラミアの三人。そのどれもが一筋縄ではいかない人外だ。
「そう。……エキドナ=イーサッキ。彼女の事を相談したい」
「エキドナ、か」
Wナンバー16。レモン=ブロウニングが開発したWナンバーの中で取り分け完成度の高い一品。
人形としての自分に誇りを持ち、与えられた命令をこなす事こそが至上だと考えるヒトガタの見本品だ。
アクセルは彼女の事が重荷になっているらしい。
「それで……お前はあの人形に何か不満があるのか?」
「ああ。ある」
わざと人形と言う部分を強調して言うと、アクセルは若干だが眉間に皺を寄せた。
「それは何だ」
「備品としてエキドナを扱うのなら、彼女以上に扱いやすい道具はない。俺も、最初はそのつもりで扱っていた」
「今は違うと?」
「……確かに、彼女はどんな命令にも従うし、逆らう事も無い。昔はそれで良かったが、今は違う。俺の部下の中でエキドナだけが浮いているんだ」
話を聞きながら、イングラムは愛用のオイルライターを取り出し、煙草を咥えた。話を聞く時に煙草を吸うのは先生のセオリーだ。こうして、煙草をふかす間は相手も声が良く聞こえるのだ。
「ふむ。それでお前は何が不満なんだ?」
「それは……」
煙草の煙を吹きかけると、アクセルは少しだけ煙たそうな顔をした。こうして少しずつ相手の心を裸にしていくのは先生にとっては堪らない瞬間だ。
そうしてイングラムの目論み通りにアクセルは動いた。
「彼女だけが変わらない。それが今の俺には許容出来ないし、エキドナにとっても良い事であるとは思えないんだな、これが」
「ハッ……成る程」
その言葉でイングラムはアクセルの胸中が判った。それは裏を返せば、アクセル自身がエキドナを人形として扱う事を嫌っていると言う事に他ならない。
「お前も丸くなったものだな」
「かもしれない。でも、今はそれで良いと思っている」
どうやら、頭を打った事でアクセルは人としての重要な部分を取り戻したらしい。そうでなくてはそんな台詞は出て来ないだろう。
自分自身が変化し、同じ人形として創造されたラミアでさえ自我らしきものに目覚めている。ウォーダンについては知らないが、きっと同じ状況に居るのだろう。
そんな周りの変化に反する様に変わらずに居るエキドナが今のアクセルには許せないのだ。例えそれが勝手な言い草だとしてもだ。
「……良く判った。確かに、お前が焦るのも尤もだし、荷が重いのも事実だろうな」
「少佐?」
「直接、俺がエキドナに話をしよう。アポを取り付けられるか?」
「ええ!?い、いや……流石にそこまでは宛てには」
これ以上の状況の変化を望むのなら、イングラムはエキドナに直接合わねばならない。
先生が言った言葉に面食らったアクセルはブンブンと首を振るが、先生はそれは突っ撥ねた。
「ふふ……俺を頼った時点で既にアウトだ。まあ、悪い様にはしないから、俺に任せてくれ」
「そこまで言うのなら……むう、本当に信じて構わないんだな?」
「無論だ。こちらには切り札もあるのでな。……注文が来ないようだな。俺の酒でよければ飲むか?」
先生は自身満々に頷き、自分の酒をアクセルに勧め始める。……先生は機嫌がとても良い様だ。久々にやってきた鴨を逃したくない心が先生を突き動かす。
「はあ……それじゃあ、お言葉に甘えて」
「煙草も吸うか?」
「あー、自前のがあるから、結構」
「……そうか」
イングラムは本気で残念そうな顔をした。案外、先生は友達が欲しいのかも知れない。
……その後、二人は看板になる時間まで酒を飲み続けた。
——数日後 イングラム私室
「む、来たか」
チャイムの電子音が来客を告げていた。イングラムは書類整理を切り上げて、マイクに向かって返事をする。
「開いている。入ってくれ」
そうして、来訪者は無駄の無い動作で室内に入ってきた。
「失礼する」
来客の名はエキドナ=イーサッキ。先日、アクセルの口から語られた、彼にとっての目の上のたんこぶだった。
「ああ。態々来て貰って済まんな」
「・・・」
別段、エキドナはイングラムの下を訪れる用事等は無い。それでも、彼の部屋を訪れたのは隊長であるアクセルの口添えがあってこそだろう。
むっつりと黙りこくり、顔色一つ変えないエキドナは出来の良い人形の様にイングラムのデスクの前に突っ立って居た。
「成る程。話には聞いていたが、あの男が気にかけるのも頷けるな」
先生は品定めでもするかの様にエキドナを見やった。
薄桃色の短髪に何も映しては居ない様な翠色をした瞳。女性の性を強調する様な大きな胸や腿のラインは官能的。
太腿に凶器がある際どい装いから覗く肌は真っ白で、血が通っているのかが疑わしく思えてくる。
確かに、芸術品としてみれば一流かもしれない。だが、その外界の変化を認識していない様な硬い美貌はじっと眺めていると魂を凍えさせる様な冷たさがあった。
少しだけ、アクセルの気持ちが心の底で判った気がした先生だった。
「……?」
「失礼した」
あまりにもジロジロ見過ぎてしまったのか、エキドナは表情を変えずに、それでも怪訝な視線をイングラムに送った。それに対しイングラムは素直に謝った。
「さて、単刀直入に本題だ。お前が此処に呼ばれた理由……検討は付くか?」
「私には解らない。ただ、隊長の指示で貴方に会えとだけ言われてきた」
鉄面皮を超えた能面じみた表情だった。それには先生とて苦笑を隠せない。
「アイツらしい簡潔な物言いだな。……エキドナ=イーサッキ」
「何か?」
「お前には生活態度を改めて貰おう」
だが、ここまで来てしまった以上は後には引けない。成功しようが失敗しようが、何らかの結果を残さねばイングラムは自分自身で納得出来ない。
「仰る意味が良く理解出来ない」
そうして、一切の迷い無く言った台詞はエキドナには理解出来なかった。
「……解り易い様に言い直そう。お前のその人形の様な振る舞いを治して欲しい」
「拒否する」
イングラムは子供でも解る様に言葉を選び、再び言ったが、今度は真っ向から拒絶された。どうやら、中々の強敵らしい。
「何故だ?」
「必要性を感じない。私は人形として創造された。それを否定する事は間違っている」
「ほう」
漸く、エンジンに火が入った気がする先生。この手の超然とした輩を論破し、凹ませるのは先生の得意と致す処なのだ。
「つまり、お前はその生き方が気に入っている訳か」
「気に入るも気に入らないも無い。それが私に許された唯一の生き方だ」
「許された?それは誰によってだ」
「無論、レモン様に」
淡々と事務的に会話するエキドナからはやはり感情の揺らぎと言ったモノは感じられてこない。だが、彼女を揺るがす足掛かりを見つけ気がする先生はほくそ笑む。
創造主であるレモンの名を口にした時、エキドナの瞳は輝いた気がした。
「ああ……レモン=ブロウニングか」
面識は無いが、イングラムもその名は知っている。シャドーミラーお抱えの科学者にして、パイロットでもある女傑。アクセルの恋人にしてWシリーズの生みの親。
エキドナはレモンに兵士として生み出されたのだ。
「で……その女に許された生き方だから、お前はそのレールの上を行くのか。では問うが、お前と言う存在は何なのだ?」
「シャドーミラーの為に生み出された人形。そしてその戦力を担う一兵士に過ぎない」
文句の付け様の無い位に模範的な回答だった。案外、生まれた時にその様に調整が施されたのかも知れない。
「オリジナリティの無い答えだ。そうやって感情が無い様に振舞った処で、優秀な兵士とやらにはなれるものか?」
「勿論だ。兵士に感情は不要。機械と化し、与えられた命令を処理する事こそが至上」
「ふ、ふふっ……!」
「む」
イングラムはその台詞が可笑しくて噴出してしまった。
そのエキドナの様子が、嘗て別の世界であったゼロの名を冠する機体に乗る少年パイロットに似ていたのだ。
そんな先生が不気味に映ったのか、エキドナは軽く警戒した。
「矛盾だな」
「何?」
「そうだろう?機械と化す……等と言ったが、お前は本当にそんな事が可能だと思っているのか?」
「……ああ」
頭に浮かぶ言葉のままにエキドナに語るイングラムは真面目な視線を突き刺す。少しだけ間があったが、エキドナはその言葉に頷いた。
「無理だな。お前は逆立ちしたって機械には成れんよ」
「それは、どう言う事だ」
が、先生はエキドナを否定した。何故こうも自信たっぷりに言えるのかが解らないエキドナは当然の様に聞き返す。
気のせいかもしれないが、エキドナはムッとしている気がした。
「機械に成るにはお前は余りにも人間に近過ぎると言う事だ。お前の言う通り、戦うだけの機械が作りたいのならば、人間を雛形にする事等あるまい?」
「・・・」
幾ら機械となる事を望んでも、人の形をしている以上はその時点でそうなる事は不条理であり、また不可能な事だとイングラムは言いたいらしい。
エキドナは何かを考えている様に口を噤んでいた。
「仮に、お前が機械に成れたとしてら、その時点でもうお前は兵士ではない。銃器や戦車、PTと変わらない備品に過ぎんな」
兵士である条件は人間である事だ。戦う為に国や軍隊などの組織に編入される人間を兵士と言う以上、エキドナの言は矛盾しているのだ。
「お前は根本の部分で間違えていないか?」
「な、何を……」
「何故、お前が人に似せられているのかと言う事だ」
漸く、エキドナに揺らぎが見られ始めた。先生は言葉を紡ぎ続ける。
「レモンやヴィンデルが戦力を欲していたと言うのなら、お前やラミアの様なバイオロイドを作る必要等無い。それこそ、戦闘用のAIだけで事足りる筈だろう」
その程度の技術力はシャドーミラーとて持っている。だが、エキドナは人造人間と言う指摘がなければ何処からどう見ても人間なのだ。
「それは……レモン様やヴィンデル様の趣味だと」
「ああ。その可能性もあるな。と言うか、水を差さんで貰おうか」
やっと人間らしい反応が返ってきた。エキドナは真面目に反応しただけなのだろうが、先生にはそれが改心のボケに映ってしまった。
「憶測でモノは語りたくないが、きっとあの女は……人間を作ろうとしていたんだろうさ」
「レモン様が?」
そんなエキドナの言葉を無視し、先生は心に浮かんだ仮説を口にしたそして、それは恐らく真実でもある。
「そう考えなくては辻褄が合わん。お前はコレでもかと言う位に生体部品が使われ、人脳もほぼ完璧に再現されているからな」
「私が……人間を目指して?」
「人間などと言う不合理、且つファジーな存在を態々を創るのは本当に骨が折れる事だろうよ。そんな不確定要素の塊さ、お前は」
「・・・」
調達も難しく、コストも掛かるであろうパーツを組み合わせ、創られたエキドナ。レモンがどんな意図で人間を創ろうとしたかは本人にしか解らない事だが、彼女の目論見は上手くいったのだろう。
心と言う一点を除けば、エキドナは人間と言って差し支えない。そして、その唯一の問題も解決しつつあった。
「な?最初から矛盾点はあっただろう。……が、聡明なお前はその事に気付きながら、それを考えない様に努めていた筈だ。違うか?」
イングラムはエキドナの本質を見抜いた。人形に徹しようとしているのは、彼女がその生き方しか知らないからではない。
自ら意志する事を放棄し、楽な生き方を選んでいるだけだ。流されていると言っても過言では無い。
「もう一度だけ問おう。お前は人形なのか?」
「わ、私は……」
詰めの段階迄後一歩。先生は揺らいで、不安定になっているエキドナに尚問い続けた。
「お前もラミアと同じく、人格プログラムはインストールされている筈だ。何故、それを眠らせておく?」
「そんなものは……所詮は対人オプションに過ぎないモノだ」
イングラムはエキドナの凍えた魂を励起する様に語る。彼女は心が無い訳ではない。意図的にそれを抑えているだけだ。
だが、エキドナにも意地があるのだろう。今迄そうして生きて来た彼女のプライドが最後の壁となり立ちはだかる。
「それがどうかしたのか?」
「え?」
予想していた答えにイングラムは前もって考えていた台詞で躊躇無く返した。エキドナの目が点になる。
「例え作り物だとしても、贋物だとしても……お前にとってはそれが心だ。そうして、そんな心があってこそ、新たに開ける世界があるんだぞ」
イングラムは既に勝ちを確信していた。
「どうして……そんな事が貴方に言える?」
エキドナは追い詰められられながらも何とか体裁を取り繕おうと必死だった。最早そんな事をしても何も変わらないと言う事にも気付けていなかった。
「それは、言えるさ」
「どうして……」
「俺もまた、ユーゼスによって創られた人形だったからだ」
切り札を持ち出した先生は笑う。
細部は違うが誰かに創られたと言う部分では自分もエキドナも変わりは無い。その自分が変われたのだから、お前が変わらない道理は無い。
……そう先生は信じたい。
「そう言う、事……か」
それを突きつけられたエキドナは漸く先生の言葉を信じる気になった。
「幸運な事に俺は心に目覚め、奴の呪縛はほぼ振り切ったがね」
細かく見なければ解らないが、エキドナの瞳は確かに笑っていた。
表情は固いままだったが、それはエキドナが人形で居る事を放棄した証の様に先生には感じられた。
「どうすれば……良いんだ?私は」
「簡単だ。お前のしたい事を行えば良い」
エキドナは生きる為の標を欲していた。今迄眠らせていた自分の心をいきなり使おうとするのは無理がある。そうでなくても人形として生きて来たエキドナにはその生き方が染み付いているのだ。
「・・・」
「そう言っても、いきなりは難しいか。ふむ……」
イングラムは至極単純に言ったがそれが難しいエキドナは俯いてしまった。そんな頼りなさげなエキドナを正しく導いてやる為にイングラムは煙草を咥えて思案を始める。
そうして、咥えていた煙草を吸いきったと同時にイングラムの頭にはある考えが浮かんできた。
「今回の事はアクセルに泣きつかれて引き受けた事だ」
「隊長が私を?」
それはアクセル=アルマーを引き合いに出す事だった。
「うむ。それだけ……お前の事を心配していると言う事さ」
「あ……っ」
今、確かにエキドナの瞳が泳いだ。頭の中でアクセルの顔を思い浮かべたに違いない。先生はエキドナに止めを刺した。
「今、アイツの顔を想い描いたな?」
「そ、そんな事は……!」
言葉では否定していても、その反応は明らかに狼狽している事を示している。後は簡単だった。
「暫く、アクセルの側に居る事だな」
「なっ」
その先生の台詞の意図が理解出来ないのか、エキドナは面白い顔を晒し、声を詰まらせる。
「先ずは自分の為ではなく、アイツの為にしてやれる事を見つけろ。そうすれば、自ずと自分の欲望もハッキリして来るだろう」
「そ、そんな恐れ多い事は」
「アイツはお前の事を嫌っていない。お前もそうだ。恐れず、喰らい付け。案外、向こうもそうして欲しいと思っているかもな」
イングラムが甘い毒を吐き、エキドナの心を冒した。
アクセルはエキドナをもう人形とは見ていないだろうし、エキドナだってアクセルをただの上司以上に慕っている。先生は彼らを一目見ただけで理解したのだ。
「……解り、ました。そうしてみる」
どれだけ固く自我を否定しようとしても、頭の中に慕っている人物が居るのならば、それが堤を決壊させる亀裂となる。
そして、エキドナもその例には漏れなかった。
「まあ、気長にやってみれば良い。お前の妹だって出来た事だ。お前も、変われるさ」
「W17……いや、ラミアの様に?……そう、成れるだろうか」
「今、お前はそれを望んでいる筈だ。それだけでも大した進歩だよ」
「……ありがとう、少佐」
人を変え、叶えるのは自分自身の意志があってこそだ。その一歩を踏み出したエキドナは大きく変われる可能性を秘めている。
エキドナはイングラムの言葉に感銘を受けたのか、何故か頭を下げて礼を述べていた。
「話は以上だ。ご苦労だったな」
先生は久方振りの勝利に酔い、相談室の幕は閉じられたのだった。
——数日後 BAR ヒリュウ
「創り手の意思に委ねられた生き方に身を投じるのも間違いでは無いのかも知れない。だが、エキドナにとって不幸だったのは、人形を人たらしめる要素を持っていたと言う事だな」
「そうね。そう言う点では私やラミアもまた同じね。無論、貴方もだけど」
珍しくイングラムはヴィレッタに声を掛け、酒場の定位置で今回の瑣末について語っていた。
創られた者の在り方の是非を問う訳ではないが、先生はその事を自分の片割れにも話しておきたかったのだ。
「誰かの都合で創られ、勝手に使われる生き方には華なぞ無い。未だ、エキドナはそれを理解するレベルには至っていないだろうがな」
「それはきっと時間が解決するでしょう。貴方がした事にはきっと価値があるって私は思うわよ」
そう言って笑いかけるヴィレッタは微笑んでいた。人に似た存在であるエキドナはどう頑張っても人間になる事は無い。
だが、それでも人の心に目覚めたのなら、その生き方に何らかの意味を見出す事は出来る。きっと、それが真実だ。
「お前はどうなんだ?」
「私?」
若干、緊張した面持ちでイングラムはヴィレッタを見た。今迄聞きたかったが聞けなかった事をこの場で言おうとしていた。
「そうだ。俺はこの通りだが、お前もまた他人の都合で創られた。良かったと思うか?生まれて」
「・・・」
突然振られた真面目な話題にヴィレッタは目を細め、少し考えた。そうして、一分ほど考えた後に、自分のグラスに満たされた褐色の液体を啜り、こう言った。
「ええ。勿論、そう思っているわ」
「それは……何故」
その台詞が出る迄の空白が気になったイングラムは聞き返した。
「確かに、煩わしい事も腹が立つ事も沢山あるわよ?でも、それ以上に楽しい事や可笑しい事だってある。生きてないと、それは味わえないでしょう?」
「む……」
「こうして……貴方と一緒にお酒も飲める。それで十分じゃないかしら」
「はは、そうだな。その通りだ、ヴィレッタ」
クッ、と笑いイングラムは納得した。
如何に使命を与えられて創られた存在と言えど、被造物である以上は確実に創造主の思惑を超える行動を取る事は神話の時代からのお約束だ。
実際に、イングラムは別の世界でそれをやってのけたのだ。イングラムのクローンとして生み出されたヴィレッタもまた、同じなのかも知れない。
こうして、酒を飲みながら取り留めない話で盛り上がっている実情を見ればそう考えざるを得なかった。
「で、お前はどう思うんだ?アラド」
「俺っスか?」
イングラムの僚機であるアラドもまた、さっきから隣に控えていた。今迄会話の輪の中に入れなかったアラドは漸く巡って来た発言の機会に面食らっていた。
「えーっ、と……そうっスねえ」
カルピスサワーの入ったグラスを揺らしながら、頭を回転させるアラドの顔は真剣だった。
「俺には難しい理論とかは解らないですけど」
「ああ」
やっと自分の言葉を脳内で紡いだアラドはキリッとした顔付きでそれを言う。
「生きている以上は……それで良いんじゃないですか?」
「それは、どう言う事かしら」
「いえ、そのままの意味っスよ。酸いも甘いも噛分けるのは命あってのものだねでしょう?今を生きている事以上に重要な事はないと思うっス」
「ふふ……なるほど、ね」
可愛い顔をして随分と核心に近い事を言ってくれると思うヴィレッタだった。
全ては生きていると言う前提で始まっている。そして、生きると言う事は変わると言う事だ。人の心を持つのならば、その真理には抗えない。
エキドナや自分達に限った話ではないのだ。
「貴方も変わったのね。少し、貫禄が出てきたんじゃないの?」
「いやあ、全然っスわ。でも大尉がそう思ってくれるなら、師匠の教育の賜物って事で」
素直に賞賛したヴィレッタにアラドは照れ隠しする様にグラスを呷った。案外、褒められて恥ずかしい年頃なのかも知れない。
「……ですってよ。お兄ちゃん」
「そう思うだろう?実際、まだまだ仕込み足りないがな」
「いいっ!?か、勘弁して下さいっスよ……!」
イングラムの口元はくの字に曲がっている。アラドは様々な技術や知識を青ワカメに植付けられていた。
それがどんな代物かは本人達以外には解らないが、アラドの顔を見る限りは真っ当では無いモノで間違い無い。
ヴィレッタはそんな歪な師弟関係を否定する気は無かった。
そして……
——一ヶ月後 アフリカ アースクレイドル
「あの……た、アクセル隊長」
「ん?ああ、エキドナ。どうかしたか?」
「コーヒーを淹れたのですが……宜しければ、隊長に」
「俺に?……ああ。有り難く貰おう」
「は、はい!暫しお待ちを」
「上手くやれている様だな。しかしあの女、あんな顔も出来るのか」
余りまくっている有給を消費し、この世界でのシャドーミラーの活動拠点にやってきた先生。その目的は一月前に世話を焼いたアクセルの仕事現場を見学する事だった。
そうして、物陰から覗いた光景はそこそこに満足のいく成果を示していた。アクセルには刺々しい部分は見えない。エキドナも多少ぎこちない部分が残っているが、上手く歩み寄れている。
「イングラム=プリスケン。貴方に会ってから、あの娘は変わったわ。一体、どんな魔法を使ったのかしら?」
「ここ最近、隊長がエキドナに付きっ切りで寂しいですたい。何をしたのか白状して欲しいですのぉ」
先生と同じくその光景を盗み見ていたレモンとラミアが少し怖い表情をしながら、問い詰めて来る。
「俺が何をしたと言うのだ?……出来る訳が無いだろう」
「「・・・」」
取り合うのも馬鹿らしいのでイングラムはすっ呆け様とした。だが、そんな事で女二人の追撃をかわす事は出来なかった。
「そんな顔で睨まないでくれ。ただ、何時もの様に得意のイカサマトークを炸裂させただけだ」
どんより濁った鈍色の視線に冷や汗をかきつつ、先生はそれだけ言って再び視線をアクセル達へと向けた。
「少し薄めだけど、良い香りなんだな、これが」
「あ、有り難う御座います」
「礼を言うのはこっちだ。俺の為にありがとうな」
「あっ……隊長//////」
「ほう。あそこで頭を撫でるとはやるな」
……あんな光景を見れるとは、アフリカくんだりを決行したのも無駄ではなかったのかも知れないと先生は思った。
爽やかな笑みと共にアクセルがエキドナのおかっぱ頭を撫でている。その優しげな手付きにエキドナは顔を紅潮させて身を捩っていた。
とてつもなく嬉しそうなエキドナの変貌振りには驚かされる。少なくとも、過去のエキドナには絶対出来ない反応だった。
「アクセルは女の扱いは得手、なのか?」
「さあ?どうだったかしら」
その旨をレモンに聞いてみると、彼女は面白く無さそうに呟いた。
「どうした、レモン=ブロウニング。眉間に皺が寄ってるぞ」
「複雑なのよ。あの娘が自分の意志を持ってくれたのは嬉しいけど……ね」
成る程、とイングラムは納得した。成り行きの関係だと言っても、アクセルとレモンが付き合っているのは事実だ。
それなのに自分の娘と言っても過言ではないエキドナと懇ろに成りつつあるアクセルに色々と想う所があるのは間違い無い。
ひょっとしたら、裏でアクセルはエキドナを仕込んでいるのかも知れない。
「くやしい……!でも……エキドナに嫉妬しちゃう!」(ビクッビクッ)
「ラミア=ラヴレス。お前は再調整を受けろ」
……どれだけ、根拠の無い仮定を頭に浮かべても、真実を知るには今の距離では無理だった。
取り合えず確かなのは、ラミアがおかしいのは言語機能だけでは無いと言う事だ。
「お前達……仕事をしろ」
シャドーミラーの責任者であるヴィンデルは不機嫌そうに言葉を放ったが、レモンもラミアも全く聞いてはいなかった。
「ま、良いんじゃないのか?」
何とも平和な会話で涙が出て来る。これが闘争の永続を願う軍隊の中身だと言うのだから、大層悪い冗談の様な気がしてくる先生はヴィンデルの肩にポンッ、と手を置いた。
「良くないわっ!この青ワカメ!」
誰からも相手にされない緑ワカメを慰める青ワカメ。……どうやら、ワカメ同士の友情を育むのは難しいらしかった。
◇ ◇ ◇
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その153
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1178375856/l50
103 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/12(土) 15:42:57 81+oX0fc
どうでも良いけど、これはこうへーは検めたのか?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/31790/1174560483/29-37
こんなこっそり投下されたら気付けないよ
まったくもってけしからん(;´Д`)ハアハア
104 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/12(土) 16:03:09 QuBrOpOS
なんだこれは!全くもってけしからん!(´Д`;)ハアハア
105 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/12(土) 16:25:56 d5db+lAY
>>103
実にけしからん!
腹が立ったからこうへーの床にちびえきどなを10体発注してやった。
106 :名無しさん◎お腹いっぱい。 :2007/05/12(土) 16:31:35 bL+FD356
_ ∩
( ゚∀゚)彡 こうへー!こうへー!
( ⊂彡
| |
し ⌒J

あれ?人の気持ちを見透かした方がいる?
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その153
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1178375807/l50
77 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 14:28:20 7Zolk0Et
D発売当初に、スレ(板?)がどんなカオスになってたのかは気になるな……
何が釣りで何がマジなのか、素で判断が付きかねる内容だから困る。
前情報なしでこんなもんやったら大混乱だろうに。
プロローグから早乙女のジジィィィィィ!!
総帥と白い悪魔が最初から共闘
ジョッシュ顔広すぎワロタ
ふたりはプロギュネ
マジに『歌うだけ』の7
グラキエース大変身
ザンスカール帝国残党まで自軍入りなんておかしいですよ!
個人的に、ジョシュアの人気は『破天荒な本編に普通の主人公』というギャップにある気がする。
80 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 14:40:17 DvZQnCHN
竜馬「早乙女のジジィーッ!」
鉄也「俺は復讐を終えるまで戦う、俺は戦いのマシーンだ」
バサラ「戦いなんてくだらねぇ!俺の歌を聞けーッ!」
シュワルツ「キサマらジャップとゲッターは悪魔だ!」
助手「落ち着け」
81 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 14:42:02 n8xWFH+9
>>77
64のはどんなだったんだ?未プレイだから分からないんだが。
Dレベルに世界が荒廃していたと聞いてたんだが。
85 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 15:22:23 1tPiH9eG
>>81 SRW64の世界観について
簡単に説明すると、グラドス(レイズナー)やムゲ(ダンクーガ)によって「占領された地球」が
ゲーム開始時点の状況。主な敵としては
・異星人に取り入って貴族的な扱いを受ける連中(ロームフェラ、ガンダムWやレイズナー一部)
・どさくさに紛れて暴れだす連中(マジンガー・ゲッター系)
・異星人(開始時点はグラドス中心)
対する主人公勢は
・異星人に取り入っていたけど正義を貫くために反旗を翻す(スーパー女)
・世俗を離れて修行してたら占領されてた、師匠も死んだし俺は戦う(スーパー男)
・最下級市民として暮らしてたら戦闘に巻き込まれ、やむなく手近な機体に(リアル男)
・御嬢様だったけど戦争で全部失いゲリラで捨て鉢な生活。全滅寸前、こうなったらこの機体で(リアル女)
主人公チームは中盤になってゲリラという立場から大きく変わるけど、その中で
・地球圏の新しい支配者(OZ、ガンダムWでの敵組織)の指揮下での戦闘部隊として活動
という選択肢がある。
他のSRWと違うのは、ゲーム開始以前の展開で地球防衛に失敗した事かな。
86 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 16:07:04 n8xWFH+9
>>85 説明ありがとう。
最初からどん底かよ。他の作品には見られないスタートだな。
そういえばシナリオレイターってDと同じ人だっけ?
87 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 16:14:08 f/JUN4rV
Jの人でもある
今は何してんだろうな
88 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 16:23:51 A478A2lq
シリーズ一悲惨だと思われるのにそれをみじんも感じさせないMXの地球最強すぎ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
83 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 15:00:32 PV4hF3Ly
流れをぶちぎらせて貰って、こんなものかいてみた。
64のOG風味のアークSS。
つい勢いでやってしまった。でも反省はしていない。
◇ ◇ ◇
「——ん。あれ、俺……?」
「あ、アーク、気がついた? よかったぁ……そのまま死んじゃうのかと思った」
「……?」
霞む視界は白く無機質な天井を映し出す。つん、と軽く鼻をつく独特の匂い。
そして、その声の主を探して、ゆっくりと顔をそちらに向けた。
「おはよ、アーク!」
「頼むから、人が意識を覚醒した直後に物騒なことを言ってくれるのはやめてくれるかな」
よく聞きなれた声。親しみのある声。
だから彼にはそれが誰だかすぐに分かった。
「……エミリア」
黒い長髪を揺らして、太陽のような笑顔を浮かべる少女はおどけたように言う。
「何よー、心配してあげたんじゃない。感謝はされても、恨まれる覚えはないわ」
「俺をこの状態にした犯人がいうセリフじゃないな。まず」
少年は、溜息を吐き出しながら上半身を起こした。
ようやくはっきりとし始めた思考は、どうして今此処にいるのかという経緯をトレースする。
そう、珍しく幼馴染の彼女が手料理を振舞ってくれるということで、
ちょうどその時雑談していたブラッドと共に食堂で彼女の手料理を食することになったのだ。
しかし、少年はこの点で失敗していた。
なぜなら彼は幼馴染が料理を苦手としていたことを知っていたからだ。
ならば、どうして彼女について行ってしまったのか。
答えは簡単だ。彼女に対して彼は拒否権というものを持てないからだ。
話せば長くなるが、それが幼馴染として培ってきた関係なのだ。
つまり、その話を聞いた時点で失敗。
気づけば、あまりの不味さに気絶して医務室に運び込まれていたというわけだ。
「あ…そう言えばブラッドは?」
すっかり忘れていたが、ブラッドもあの食事を食べていたはずだ。
とてもじゃないが、彼が無事だとは到底少年には思えなかった。
心配そうな少年の声に、からからと少女は笑い飛ばした。
「え、ブラッド君なら美味しそうに食べてくれたわよ? おかわりしてくれたぐらい」
「ブラッドもアラドタイプってことか……」
彼の丈夫な胃に尊敬の念を抱きながら、呆れたように溜息を吐く。
「せめて、自分で味見してから食事に出せよな」
「もう、アークったら文句ばかり! そんなことじゃ大きくなれないよっ?」
「あのなぁ…」
そんな軽口を叩きあいながらも、少年は何故だか穏やかな気分になっていることに気づいた。
戦闘も激化し続ける戦況において、こういった日常は彼にとって心の清涼剤となっていた。
いつまで続くか分からないこの戦争に、立場は違えど少なからず誰しもが緊張や不安と戦っていた。
それは非戦闘要員である少女もそうだった。気丈そうに見えるが、本当は優しく繊細な心の持ち主だ。
いつ、彼女の心が折れてもおかしくないというのに、それでも少女は明るく気丈に振舞っていた。
けれど、それが皮肉にも少年を戦場に立たせる理由となっていた。
彼女が笑ってくれるから、彼女のその心を支えるために、彼女の居場所を守るために。
もちろん、早く戦争を終わらせたいという気持ちはあった。
だがそんな大義名分で戦争に参加できるほど、少年少女の心は単純ではなかったし、成熟もしていなかった。
それでも、少年は思う。
彼女が笑ってくれるのなら、どこまでも戦い続けることができる、と。
「ね、アーク」
「何だよ、エミリア」
「……何があっても、アークは生きてね」
「急に何言ってるんだよ」
少女の笑顔はいつもの明るさとは違い、どこか、子どもを温かく見守る母親のような笑顔を見せていた。
あまりに真摯な眼差しと言葉に、少年は嫌な予感を覚えた。それが何かは分からない。
分からないが、漠然とした不安が彼の心にのしかかる。
「いいから、約束して。貴方は強い人だから…大丈夫。この先もきっと戦っていけるわ」
「エミリア、君の言っていることが分からな…」
困惑する少年を、少女はぎゅっと彼の身体を抱きしめた。ふわりと良い髪の香りが少年の鼻をくすぐる。
「これからもきっと貴方は深い闇のなかを歩き続ける…。
でも、心配しないで。貴方はひとりじゃない。私も、お父さんたちも……あの人も、傍にいるから」
「分からない、分からないよ…エミリア」
あの人って誰だ。大切なことを忘れているような気がする。
けれど、それを思い出すのが何故かとても恐ろしく悲しく思えた。思い出したくない。
少年は顔を彼女の胸に埋めながら、子どものように首を横に振る。知りたくない。何も思い出したくない。
少女はそれを黙って抱きしめ、彼の髪を撫でてあやす。
「……ゴメンね。でも、もう…私たちのような人たちを出したくない。
このまま戦いが続けば多くの人たちの哀しみが広がるだけ。お願い…アーク」
「エミリア……」
「ごめんなさい。アーク、私、貴方と一緒にいて楽しかったよ?
もう…行かなくちゃ。また、いつか…どこかで会おうね」
抱きしめてられていた少女の身体が透け始める。はっと少年は少女の顔を見上げる。
悲しげな笑みを浮かべながらも、そこには穏やかな眼差しが少年を眺めていた。
「待って…待ってくれ! エミリア!!」
そして 夢は 覚めた
『…ク……アーク! アークライト・ブルー!』
「くっ……?」
ノイズ交じりに通信機から声が聞こえる。この声は確か……
「キョウスケ隊長……?」
『……無事か。心配させるな』
微かに安堵の色が声に混じっていたのは気のせいだろうか。
そうか、ここは戦場。
周りを見渡すと、そこはよく見慣れたコックピットの中だった。モニターには外の光景が広がっていた。
轟々と赤く染まる瓦礫の街。破壊し尽されたコンクリートの森。
この光景を戦場と一言で片付けられるほど生易しいものではなかった。
明日からこの街の住人はどうやって暮らしていけばいいのだろうか。それを考えるだけでも憂鬱になった。
「アシュクリーフ……お前が見せたのか?」
あの夢を。
少年、アークは自らの愛機に問う。以前にも、同じような幻影を見せられた。
その夢と幻影に一体何の意味があるのだろうか。もしかして、この街を救えなかった自分に対する戒めだろうか。
「隊長……、俺は無力です」
『……』
「結局、俺のしてきたことは無駄だったんでしょうか」
あの日、あの時、あの場所。
戦闘に巻き込まれ、アークは何もかもを失った。親しい家族も帰るべき場所も。
もし、あの時、ベーオウルフズ隊長、キョウスケ=ナンブに拾われていなければ、おそらくは今でも絶望に暮れていただろう。
あるいは絶望の果てに、自らの命を絶っていたかもしれない。そういう意味ではキョウスケに感謝してもしきれなかった。
彼は自分に生きる意味を考える時間と場所を与えてくれた。
けれど、そこにあるのは破壊と奪略と別れがあるだけだった。果たして、自分のしていることに意味があるのだろうか。
『自惚れるな』
「……隊長」
『お前ひとりで解決できるほど争いというものは、簡単なものではない。
そして、戦争というものはひどく残酷なものだ。……だが、俺たちはそれを無駄にしてはならない。
次に起こる争いを防ぐために、俺たちは少しでも学習していく義務がある』
遠回しで、ぶっきら棒だが、彼なりの励ましだということはすぐに理解できた。
いつも無口である彼がコレほどまでに饒舌になっていることが、その証拠であった。
「ありがとうございます、隊長」
なんとなく、夢の中で少女を言ったことの意味が少しは理解できたような気がする。
きっとこれからも先、自分の無力を痛感することはあるだろう。
けれど、全てが全て無駄だというわけではない。それはキョウスケも言ったとおりだろう。
少しでも守るべきものを守れたのなら、それはきっと一歩前進したことになる。それを次に繋げばもう一歩前に進める。
果てしなく険しい道だが、歩いて行けない道ではない。
『……掃討戦に移る。各機追従して来い』
キョウスケはアークの言葉に応えることなく、隊の部下に命令を下す。
「……俺たちも行こう、アシュクリーフ」
きっと、未来は明るくないのかもしれない。何度も挫折することはあるだろう。
それでも、前に進むことを恐れたら何も始まらない。
そして、それはきっと今まで散って行った者たちの死を無駄にする行為に他ならない。
だから、一歩前に足を踏み出す。
「エミリア、レラ……俺、もう少し頑張ってみるよ」
いつかきっと、この争いが終息し、彼女らの死が無駄ではなかったことを証明できる日を願って。
◇ ◇ ◇
109 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/06(日) 19:01:34 OQd2lJwg
>>83
エミリアはいい娘さんやー
第一話でしんじゃうけども、顔グラもないけども、セリフすらないけども
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その152
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1177949197/l50
522 :207 :2007/05/03(木) 23:19:45 LEutKN59
さてさて、タロットカードな流れを斬るので申し訳ないのだが
喫茶TIME DIVERのSS第2弾を影鏡にUP完了した事を報告させていただく。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「喫茶TIME DIVER〜新入りウェイトレス、その名はアイビス〜」
ここはすでにお馴染みとなりつつあるかもしれない喫茶TIME DIVER。
本日この喫茶店にケイサル・エフェストドメ時の神雷級の衝撃が走るとは誰しも思っていなかった。
そう、数々の平行世界を渡り歩きある意味策士となっているかも知れない背後霊でさえも知らなかったのだった・・・・・

何はともあれ、喫茶TIME DIVER開店。
しかし、今日は開店直後なのに妙に客が多かったのである。普段の2倍の人数はいるようだった。
お客の対応に追われるムジカ、フォルカ、フーの3人と物凄い速度で料理を作るトウマ。
「モーニングセットのAが2つとBが3つです!!・・・ねえ、今日はお客さん多くない?」
「そうだな・・・・・こちらはモーニングセットのCとDが2つずつだ。」
「確かに・・・異常なほどですわね。こちらはモーニングセットのA〜Dまで3つずつとコーヒー3つですわ。」
「モーニングセットのA、C、Dが4つでBが5つとコーヒー3つだな!?」
いつもの2倍の速度で料理を作っていくトウマ。いつぞやのミナキではないが、モルモットウマという単語が全員の頭の中を巡った。
そしてコーヒーと聞いたフーは脱衣体勢になり、すかさず止めるムジカ。脱衣止めもすっかり板に付いてしまっている。
そんな中、店長と副店長は店の奥でアルバイトの面接中であった。
「ふむ・・・・・では次の質問。脱衣に抵抗は無いか?」
「え!?だ、脱衣ですか・・・・・・・・!?」
「背後霊の言う事は気にしなくていい。こっちの質問に答えてくれればいい。」
背後霊の口にありがたいお札を貼り付けながらアルバイト希望者に話しかける店長ことクォヴレー。
中は何故か暗く、アルバイト希望者の顔は見えない。
1時間後・・・・・・客足は何とか落ち着いた。ヘトヘトになっているムジカと余裕のトウマ、フォルカ、フー。
そして店の奥から店長&副店長、そして先程のアルバイト希望者がやってきた。
「今日から新しくアルバイトが1人入った。自己紹介は必要ないかもしれないが、頼む。」
「あ、はい。アイビス・ダグラスです。よろしくお願いします・・・・・・」
新しく入ったアルバイト・・・・それはアイビスだった。
「あれ?何でアイビスさんがここでバイトを?・・・・・トウマさん、もしかして紹介した?」
「いや、俺はアイビスには紹介した事ないぜ?スレイや統夜やジョシュアならよく紹介するが・・・・・」
ムジカがスーパーアルバイターのトウマに訊ねたのを聞き、クォヴレーが事情を話し始める。
「彼女は俺が何気なくタ○ンペ○ジに載せた募集を見て来た。彼女もいい加減に普通の食事をしたいそうだ。」
「スレイから前に聞いたが、結構・・・いや、かなり酷いらしいな。駄菓子食。」
「うん・・・・ツグミが工夫を凝らしてくれてるからおいしいにはおいしいけど・・・・やっぱ普通の食べたくて・・・・」
何ともな理由に固まるトウマ、ムジカ、フォルカ、フー。ちなみに、面接時には久保と背後霊も固まったそうだ。
さらに1時間後・・・・お昼のラッシュタイムに突入。
やはりラッシュ時だけあって人の数が多い。
2時間前よりも多い人に対応するため、今度は3倍の速度で料理を作るトウマ。注文を取るウェイター&ウェイトレスも必死だ。
アイビスもムジカやフーから細かい説明を受けたため、苦戦しながらもこなしていくアイビス。
だが、注文と受け料理を運ぶアイビスの格好は何故か喫茶TIME DIVERの制服ではなく英国風メイド服だった。

「オーダー入ります!!オムライスセット2つとハヤシライス3つでオムライス1つとハヤシライス2つはTIME DIVER盛りで残りは普通です!!」
「了解!!アイビス、あんまり無茶するなよ!!」
「あ、ありがとう・・・・・・」
トウマの親指立て付きの激励にちょっと頬の赤くなるアイビス。
その激励のおかげなのか、その後のアイビスは動きがかなり違っていた。
さらにさらに2時間後のラッシュタイム終了時。喫茶TIME DIVERではちょっとしたアクシデントが。
「クォヴレー、大変だ。」
「トウマ・・・・深刻な顔をしてどうした?」
「それがな・・・・・・材料が殆ど無くなったんだ。」
そう、あまりの客の多さに用意していた材料が無くなっていたのだった。
「そうか・・・・一時店を閉めて買出しに向かうとしよう。」
「そうだな。ムジカとアイビスの二人もバテバテだからなぁ・・・・・」
そう言ったトウマの視線の先には燃えつきかけているムジカとアイビスが。
「そうしよう。みんな集まってくれ。」
店長集合が掛かり、集まる全員。食材が無くなっているため買出しの間一時店を閉める事を伝える店長。
「確かに今日は人が多かったからな・・・・・それが得策だろう。」
「そうですわね・・・・・ムジカとアイビスもかなり危険そうですから。」
「ぼ、ボクにゃららいじょ〜ぶだひょ・・・・」
「ア、アタシひゃってらいじょ〜ぶ・・・・」
ヘトヘトすぎて呂律の回っていない2人。かなり危険である。
「二人とも、呂律が回ってないぞ。無理はするな。奥で休んでいろ。」
「フォルカ、頼んだぞ。クォヴレー、買出しは俺達で行くか。」
「いや、2人だと何かと大変だ。フー、同行してもらえるか?」
「分かりました。」
こうして店は一時休業。トウマ、クォヴレー、フーの3人が買出しに向かい、フォルカはアイビスとムジカの看病?に
喫茶TIME DIVERの奥。ここには少しだが部屋があり、その中の一室の休憩室にムジカとアイビスを運ぶフォルカ。
「2人とも、しっかりしろ。・・・・・寝てしまったのか?」
何とムジカとアイビスの2人は移動途中に寝てしまっていたのだった。とりあえず、手近に合ったソファに二人を座らせるフォルカ。
流石の修羅も疲れたのかソファの2人の間に座り込み、寝息を立てだすフォルカ。
寝ている2人が寝返りを打つ。すると、フォルカに抱きつくような格好になってしまった。
さらに寝ながらも気配を感じたフォルカが両脇の2人に一撃を入れようとしたが力が入らずに2人を抱き寄せるような手の位置になってしまった。
そんな状態になっているのも知らずに寝続ける3人・・・・・・
2時間後・・・・買出し部隊が帰ってきた。
「ふう・・・・これだけあれば何とかなるかな?」
「だろうな・・・・これからは仕入れ量を多くするか。」
「ところで・・・・ムジカ達はどこに?」
このフーの一言で3人は何も言わずに捜索を開始した。
「おーい、ムジカー、フォルカー、アイビスーどこだー?・・・・休憩室か。ここみたいだ・・・・・」
ドアを半分開けた状態で固まるトウマ。そこには先程と同じ体勢を維持している3人が。
「トウマ、見つけたの・・・・・・・」
「店長?トウマ?一体どうし・・・・」
固まっているトウマを見つけ、その視線の先の状態を見て同じように固まるクォヴレー&フー。
2人が固まったのと同時に目を覚ます3人。
「ふぁぁぁぁ・・・・あ〜よく寝たって・・・・・・えええええええええええええええええええ!?」
「ん・・・・いけないいけない。バイト初日から寝ちゃったって・・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「む、いかん。寝てしまったか・・・・・ん?」
絶叫するムジカ&アイビスとやや驚くフォルカ。
その後、アイビスとムジカの必死の弁明のためこの日の喫茶TIME DIVERは終日まで休業状態だったそうだ・・・・・・
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
526 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/03(木) 23:29:05 FHZPZNEU
>>522
眠気を吹っ飛ばすSS投下をありがとォー!
527 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/03(木) 23:41:34 lgrv+Z9o
>>522ふう、眠気が吹っ飛ぶかと思ったぜ・・・
吹っ飛んだじゃねーかこの野郎!
530 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/05/03(木) 23:50:24 FHZPZNEU
>>522
スレイや統夜やジョシュアにならよく紹介する…か。
それぞれの制服を着た三人が容易に想像できるぜフゥーハハハァー
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その151
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1177424739/l50
852 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/30(月) 20:03:53 oftWFwoy
そーいや昔マサキ&SRXチームのSSを書いたのを思い出した
ネタ的には既出かもしれんからろだにうpしといた、もしよかったら読んでみてくり
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
劣勢だった。
哨戒任務中だったSRXチームは太平洋上で輸送艦を引き連れたDC残党と交戦、当初残党は連携がとれていなかったためSRXチームは難なく撃墜していき、戦況はSRXチームが優勢だったのだが・・・。
「なっ・・・」
リュウセイは絶句した。
「何故残党が何故この機体を所有しているの!?」
「・・・。」
二人も同様だった。
目の前には、ヴァルシオンが2体いたのだから。
態勢が不利だと判断したDC残党は輸送艦に収容されていた自分たちの切り札—ヴァルシオンを出撃させたのだ。
機体のカラーはブルー。つまり少数ながら生産された量産型だった。
「大尉、ここは一時退却して態勢を整えたほうがいいかと」
「ええ、そうね。フォーメーションOCCが承認されないのも痛いわ」
トロニウムの危険性故に艦長の許可なしではOCC・・・つまりSRXに合体できない。しかも技術面の問題で未だに出力の安定しない今のSRX一機では、量産型とはいえヴァルシオン2体を倒すのは不可能に近かった。
「リュウセイ、この海域から離脱するぞ!」
「了解!!・・っと、邪魔するんじゃねぇ!!」
群がるリオンタイプを蹴散らしながらSRXチームは退却していく。
しかし。
ズバァァァァァン!!!!
「きゃあぁぁぁ!!」
一体がクロスマッシャーを発射、それがR−3パワードに被弾した。
「アヤ!!」
「大尉、大丈夫ですか!?」
「ええ、なんとか。でも、推進系をやられたみたい。浮いているのがやっとね」
「なんだって!?じゃあ・・・」
ライは苦い顔して呟いた。
「R−3を破棄して脱出するか、ヴァルシオンを撃墜するか・・・」
「でもR−3は・・!」
「ああ、今失うのは今後の戦いに不利になる」
もともとアヤの専用機として作られたR−3は、換えが利かなかった。
「リュウセイ、R−3を守るぞ」
リュウセイは自分の頬を叩いて気合を入れた。
「よっしゃ、任せろ!!」
アヤは申し訳なさそうに
「ごめんね、二人共。でも私なら大丈夫よ、構わずヴァルシオンを撃墜しなさい!」
と言った。そのままストライクシールドを駆使してリオンタイプと交戦を開始した。
「大尉・・・わかりました。リュウセイ、来るぞ!!」
ヴァルシオンが迫る。その手に大剣、ディバインアームを持って。
「うおおおお!!」
振り下ろされた大剣をかわしながら、即座にR−1は懐に飛び込む。
「T−LINK・・ナッコォォォォォ!!!」
ドゴォォォォォ!!!
タイミングも位置も完璧だった。しかし・・・。
その強固な装甲のせいで表面に傷つけるだけに至った。
「ちくしょう、やっぱスーパー系は堅ぇな・・っと!!」
ヴァルシオンを蹴ってその反動で距離をとると、ライから通信が来た。
「リュウセイ、俺がハイゾルランチャーで奴の装甲に穴を開ける。お前はそこを狙え」
「ああ、わかったぜ」
R−2は照準をつける。
まだだ。
すると、ヴァルシオンがクロスマッシャー発射態勢になった。
キュイィィィン—!
今だ。
「ハイゾルランチャー、シューッ!!」
ズバァァァァァァァン!!!!
R−2から放たれた光は的確にヴァルシオンの胸を捕らえた。
「今だ!!天上天下ぁ!!念動ぉ!!破砕剣!!!」
R−1から光の刃が放たれる。
ザシュゥゥゥ!!!
刃が、ヴァルシオンを貫いた。
「よっしゃあ!!」
「安心するのはまだ早いぞ、もう一機来るぞ!!」
G・リボルヴァーで牽制するが、全く効いていない。逆に射撃の隙を突いて攻撃された。
「ちぃ、こいつさっきの奴より強い!!」
ギリギリのタイミングでかわしながら、リュウセイが毒づく。
「・・・そろそろまずいな」
「なんとか倒してるけどこのままじゃまずいわね・・・」
「こっちも弾切れだぜ・・・!」
未だにヴァルシオンは悠然と立っている。R−2とR−1は弾切れ、R−3は戦闘はなんとかできるもののリオンタイプと交戦している。
このままでは全滅だ。
「どうする・・・」
ライは悩んだ。やはり・・・。
ライはアヤに通信をかけた。
「大尉、R−3を・・・」
その時、隙を突いた一機のガーリオンがR−3に特攻を仕掛けた。
「!!くぅっ!!」
「大尉!!!」
R−2が行こうとするとヴァルシオンが阻んだ。
「ちぃ、こっからじゃ間に合わねぇ!!」
リュウセイが間に合わないと諦めかけた、その時。
「任せな!!」
「何っ!?」
目の前を白亜の風が通った。
そして・・・。
「サァイフラァァァッシュ!!!!」
ズドォォォォォン!!!
R−3を囲んでいたリオンタイプが一斉に爆発した。
そう。SRXチームの窮地を救ったのは
「へっ、随分苦戦してるみてぇじゃねぇか。助けにきたぜ」
サイバスターのパイロット—マサキ・アンドーだった。
「ニャーに言ってるんだか。ただ迷子にニャっただけニャのに」
リボンをつけた黒猫—クロがぼやく。
「そーだニャ。今回も地球を何周したのか・・・」
若干諦めまじりの口調で鈴をつけた白猫—シロが言った。
「うるせぇ。にしても、ヴァルシオンなんてよく持ってやがったなぁ」
「マサキ、ヴァルシオンを倒すぞ」
「おう!!リュウセイ、乗りな!!」
サイバスターはディスカッターを空間に突き刺した。
リュウセイはきょとんとしていた。
「えっ?乗るってどういうことだ?」
リュウセイの質問に何も答えずにマサキはサイバスターを変形させる。
「サイバスターチェンジ、サイバード!!!」
「!!・・・そういうことか。とうっ!!!」
サイバードの上に乗ったR−1の右手に、エネルギーが集約していく。
そしてディスカッターを突き刺した空間から魔方陣が現れる。
二人が叫ぶ。
「アァァァカシックゥ!!!!」
「ブレイカァァァァァァァァァァァ!!!!!」
炎の魔人と炎の鳥は、ヴァルシオンに突っ込んでいく。
そして。
光が爆ぜた。
「いやぁ、助かったぜマサキ」
「本当ね、ありがとうマサキ」
「いやぁ、そんなことねぇって」
照れ隠しにマサキがぼやいた。
「それにしても、なんのために地上に出てきたんだ?」
ライが純粋に質問した。
「あぁー、それは・・・」
その後合流したリューネにマサキがこてんぱんに怒られるのはまた別の話。
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その151
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1177424739/l50
839 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/30(月) 19:37:42 DY+dtqOd
発動機の出力——安定
推進系および各部アクチュエータ制御系——問題なし
通信および航法システム——問題なし
索敵、火器管制システム——問題なし
全システム正常
モーションパターンを確認し火器管制システムへ機体各部の兵装を割り当てる。
計器の位置やレバーなどのインターフェイスは基本的にMKⅡと同じだ。
座席の座り心地が気になるが——まあ、未使用の新型機だと思えば我慢できないほどではない。
「後3分だ!」
タウゼントスフェラーの機長からの連絡に了解と答え、
戦術情報をリンクさせ外部の情報をディスプレイに表示する。
エクセレン達は敵航空機を撃退したようが、まだ未確認機が数機残っているらしい。
飛行可能な人型機械?
最新の試作機だったビルトラプターでさえ変形しなければ不可能だった空戦をしてみせる機体。
普通では考えにくいことだが——EOTならそういう事もあるか。
だとすればあの敵機の正体は…
「あと1分だ!」
……思索は後でもできる。再び了解と答えシステムをざっと見直す——問題ない。
ジェネレーターの出力をアイドル状態から戦闘駆動へ。
カーゴハッチが完全に開いたのを確認し機長へ連絡を入れる。
「見送り感謝する。こちらアサルト4、出撃する。繰り返す、アサルト4出撃する!」
「了解だ、アサルト4!幸運を祈る。オーv…」
「わたしのMkⅢにふさわしい戦果を期待しますわよ、オーバー」
通信に割り込んで機長を困らせるラドム博士の様子を想像し
笑い出しそうになる表情筋をおさえる。
着地の衝撃で舌でも噛んだ日にはエクセレンになにを言われるか分ったものではないからな。
ああ、遅れたことを侘びでおかねば、それも煩そうだ。
「エクセレン、ブリット、遅れてすまない」
無線で一声かけてから機体のロックを解除してカーゴハッチより降下した。
スラスターを吹かし、機体の関節を開放し衝撃に備える。
見る見る地表が迫り、着地——思ったほどの衝撃が無い。
座席の衝撃吸収性は良好、さすがは新型というところか。
…ばかばかしい、機動兵器に快適性を求めてどうする気だ。
マリオン・ラドムの設計思想にあきれつつ機体をチェック、こちらも問題はない。
警告音!
どうやら敵機はこちらにねらいを定めたらしい
回避運動——反応は悪くないが、機体が重すぎる。
しかも——調整していない為、上体の重さに振り回されて転倒しないように——機体の姿勢がほとんど傾かない。
当然、棒立ち同然の状態ではこまめな乱数回避が全く出来ず——いかん直撃だ!
流石の座席も衝撃を吸収できずハーネスが体に食い込む。
ダメージチェック——幾つかの回路の不具合が自動で予備に切り替わる。
装甲のダメージも問題ないようだ。
機動性は悪いが、その分装甲は厚いか。
ダメージコントロールの必要が無いタフさに感心しつつ姿勢制御を設定しなおす。
続いて火器管制システムを呼び出し左腕部、三連機関砲で反撃を試みる。
姿勢制御をいじった分命中精度が落ちだが、それでも何発かはあたった。
——が、ただ当っただけだ。有効射程距離を超えているらしい。
他の武装——右腕の杭撃ち機と肩の近接炸裂弾も有効射程は短い。
近づかねば何も出来ないのならば突撃あるのみ!
今度は加速性能を試すまでだ。
ジェネレーターの出力を最大、スラスターを全開にして——
—— ッ!一瞬で敵機との間合いがゼロになる!!
ちっ!咄嗟に右腕を繰り出したまではよかったがトリガーを引きそびれた。
なんという加速性能——座席の衝撃吸収性が無駄に高いと思ったが——
何の事はない、それだけ必要だったわけだ。
敵機は大破させたものの、これは俺の実力ではない。
単に相手の装甲が航空機並に貧弱で、かつこちらと重量に差があっただけに過ぎない。
詰まるところ、アルトの性能ゆえである。
成る程、こういう機体か……
その分厚い装甲を頼りに敵機に肉薄し火力の限りを尽くして即時制圧する強襲機。
かえすがえすもバカバカしい機体だが——悪くない。
すくなくとも、大気のなんたるかも知らない月の連中の作った可変飛行機よりは。
確かに量産試作機としては癖がありすぎるかもしれない。
手札で言えばあらゆる局面で優秀な成績を上げるエースではない。
だが、使い方を間違えなければこの機体こそが最強(ジョーカー)だ。
僚機が破壊されるのを見て上空へ退避しようとする残りのアンノウンの頭を
エクセレンとブリットのスプリットミサイルが塞ぐ。
地面に縫い付けられた人型飛行機を、右から——撃ち貫く!
今度はステークの一撃を過不足無く撃ち込む。
二機目撃破!
どうやら、今回この機体に賭けたのは大勝だったらしい。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
845 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/30(月) 19:57:23 fBUBG63a
>>843
GJ!
847 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/30(月) 19:59:06 LyQ24wb3
>>843
GJなんだな、これが!!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その148
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1176131303/l50
526 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/12(木) 23:44:53 5cupI6Q3
SS楽しみにしていますよ!!
1分以内に書き込みがなかったら、『うきゅ〜』と言いながら、タスクの部屋(無人)のベッドにダイブ。
駄目だろうけど。
608 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 19:52:47 WlnmkDRS
影鏡の94番目にレオナネタを投下してみた。パロディだけど。
興味があるなら見てくれ。
あくまで、パロディです。ネタ元・オオカミさんとかいう小説シリーズ
◇ ◇ ◇
今回の件は極めてメンドクサイ事例だったと言える。
「狙われてる?」
「いや、狙われてるっていうか、部屋に誰か勝手に入ってるっていうか………」
ジョシュア達(ある意味口が堅そうなジョシュア・グラキエース・ムジカ・フォルカ)がタスクから相談されたことが発端だった。
「荒らされてる、とか盗まれた、とかそういった被害はあるのか?」
「特にそういったものはねぇんだが………、物が動かされた感じが多々」
「……薄気味悪いね」
「そうなんだよ、正直気味悪いんだよなぁ……、何か誰が入ってきてるのか解るいい方法ねぇかなぁ?」
「良い方法か…、ちょっと待ってろ」
そう言いつつ、おもむろに電話開始。
——数分後。
「監視カメラを借りれたが」
『どこから!?』
——設置完了
「で、問題の監視カメラからの映像を見てみることにしようか」
「お、おぉぉぉ……」
タスク、いわゆる『出る』関係ではないよな、と少々ビビリ気味。
カメラからの中継映像を見ているタスクとジョシュア。
「く、来るならさっさと来いやぁァァァァ!」
「た、タスクさんもう少し落ち着いて……」
「シングウジ、うるさいぞ」
と会話をしながら2,30分経過。
さすがに今日は来ないか、と思った矢先。映像に動きが起きた。
「き、来たか?」
カキッとか、ガチャガチャとか、物騒な音が響き渡る。
「うち(軍)のロックって鍵穴式じゃない気がするんだけど……」
「なんでも、オオミヤ博士が規定外行動をした際に鳴るようにしてるらしい」
「意味あんのかよ、それ・・・」」
そんなこんなでしばらくしてから、プシューとドアが開く音。
「開いた……」
一体誰が侵入者なのか?と固唾をのんで見守る中、その侵入者が姿を現した。
「れ、レオナちゃん?」
いつもどおり、少々不機嫌な感じでタスクの部屋に入ってきたレオナは、キョロキョロと辺りを見回して……
『うきゅー』
奇声を上げて、タスクのベッドにダイブを敢行。
そのまま布団を抱きしめ、顔を埋めゴロゴロゴロゴロ。
「ジョシュア……、彼女は一体何をしてるんだ?」
「ラキ、世の中には知らなくても良い事がある」
見てはならないものを見てしまった青年は物凄く居心地の悪い顔をしていた。
ちなみにタスクは奇声の辺りから意識を放棄している。
画面内ではまだレオナが布団の上で転がっている。
『はぅー』
胸一杯に布団の匂いを吸い込んでるご様子。いつもの彼女の雰囲気はまったくもって無い。
「……暴走しまくりだね」
ムジカ、少々呆れ気味である。
そのままレオナはゴロゴロしていたが途中でふと我に返ったらしく、停止。
自分の行動を思い返したらしく、顔を真っ赤にしている。
しばらくしてからおもむろにタスクの本棚を物色開始。
そして数分後にピタリと動きが止まる。その視線上にあるものはいわゆるO.D.E.SYSTEMな代物。
挙動不審な態度をとりながら、その本を読み始める。
時折、『なるほど、こういうタイプが…』とか『こういうパターンもありね……』とか聞こえてくるが無視の方針で。
そして、一際スタイルの良い……要するに揺れると一部の人が大いに喜ぶ類のものが大きい女優さんのページで手が止まり、
自分の胸に手を当て、もう一度写真を見やり、ずがーんと肩を落としている。
「……それでズガーンなら、ぼくはもっと地獄だよ」
「………ファーエデン(憐憫)」
「みないで!!フォルカさん、そんな目でぼくを見ないでぇぇぇ!!」
しばらくすると棚の物色も終了したらしく、本を元の位置に置きなおし、扉の前まで行き最後に部屋の内部を見回すと
『うきゅー』
もう一度ベッドにダイブ。さらに数分程ゴロゴロした後ベッドを元の形に戻すと、一つ頷きそのまま出て行った。
ジョシュアは無言で監視カメラの中継をきった。なんというか、皆言葉がなかった。
「じょ、ジョシュアさん……」
「見なかったことにしてやれ……」
尚、タスクは意識を放棄したまんまである。
後日、その映像をレオナに見せたのだが、その結果はまあ別の機会ということで一つ。
◇ ◇ ◇
609 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 20:19:40 kFkdJS26
>>608GJ
レオナ可愛いよ!レオナ!
610 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 20:23:09 QLEAGvew
>>608
うおおおおおおおおおおおおおおお!!
611 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 20:26:21 oku/ARea
>>608
やってくれる
612 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 20:41:15 DPcO02bi
>>608
GJなんだぜ
615 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 21:00:22 hzpVGHz9
>>608
貴様のネタで何人の人がが悶え死ぬと思っている!!
もっとやれ!!
616 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 21:15:17 aAdaHnFz
>>608
とってもGJですの
っていうかレオナのあの声でうきゅーとかいうのか!?
・・・・・・・・・・・・・・・ちゃべー(蝶やべーの略)、ちゃべーよ!!
655 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/13(金) 23:24:53 vTI7KSoS
>>608
亀レスだが、
なんか…某のだめのテンションで再生されちまったぜ。GJ!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その145
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175181209/l50
430 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:30:46 JyKap3ip
流れを切ってSS投下していいですか?
434 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:34:08 44hJnNrH
>>430
バチコ〜イ
435 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:36:09 JyKap3ip
良かった…気付いてもらえたw
では…初SS投下
このスレで見たカーラ=猫って、物凄くド真ん中の設定のせいでこんな電波を受信した。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
次の出撃に備えて機体を整備するために格納庫に向かっている最中の事。
ユウ「おい、そんなにくっつくな!」
カーラ「いいじゃん恋人同士なんだし♪」
こいつは…と思いつつ満更でもないユウ。
そんなことを知ってか知らずか、後ろを歩いていたマサキが嫌味っぽく言う
マサキ「昼間っからご苦労様だぜ。通路でイチャイチャと」
クロ「マサキ、モテにゃいからってひがみは良くないにゃ」
シロ「ごめんにゃ二人とも、気にしにゃいでイチャイチャしといてにゃ」
マサキは、自覚が無いだけで結構モテるし嫌味を言ったつもりはないのだが…
ユウ「イチャイチャなどしてな…ん?」
???「あ!居た!クロ〜!シロ〜!」
通路の行き止まりから赤い髪の女の子がこっちに向かって走ってくる。
マイだ、彼女の手には何かが握られている。
シロ&クロ「「ンニャ!?それは!!」」
彼女の手に握られている「それ」に気付いた二匹は急に興奮し始めた。
マイ「シロとクロはこれが好きだって、アヤに聞いたんだ!それで部屋で育てていたんだ。」
カーラ「マタタビ!!私にも分けて〜♪」
シロ&クロ「「ニャニャニャニャ〜!よく分かってるじゃニャいか〜〜♪」」
マサキ「マタタビか。お前ら好きだよな〜…でもお前らじゃれ過ぎて酔うなよ。」
普段は人見知りのマイも、シロとクロとカーラ(?)の凄い喜び様に興奮しているようで積極的に話しかける。
マイ「酔うのか?何でだ?」
マサキ「あぁ。でも何でだっけ?」
ユウはすかさず
ユウ「猫にマタタビを嗅がせると、なめる、かむ、頭をこすり付ける、体をくねらせたり転がりながら身もだえる、
よだれを垂らして恍惚状態(フレーメン状態)になるんだ。
これは、マタタビの葉、茎、実に含まれている揮発性のマタタビラクトンとアクチニジンという物質が、
猫の神経を刺激したり麻痺させたりし、性的快感を覚えさせるような成分だとわかってきたと言われている。
しかし、それらの成分がどのような理由から猫科の動物にのみ効くのかなど、まだまだ判らないことが多いんだ。」
マイ「そ、、そうなのか…(ほとんど理解できなかったけど…)あ、、ありがとう…(凄く早口だった…)って!」
マサキ「お、、お前、猫好きなんだな…って!」
ユウ「常識だ。…というかいい加減離れろカーラ、何かさっきから熱いぞ。って!カーラ!?」
カーラ「ん〜?どぉしたの〜?ユウぅ〜」
なぜかカーラは酔っていた。
しかし、そんなことなんか吹っ飛ぶ事態が起きていた
ユウ&マサキ&マイ「「「耳!!!」」」
カーラ「みみぃ〜?耳なら誰にでもあるでしょ〜」
ユウ&マサキ&マイ「「「ネコ耳!!!」」」
カーラ「ネコ耳ぃ〜?…っは!」
カーラは酔いからは一気に醒めたが、思考は逆に完全に停止している。
今戻すことも出来るが、それじゃ逆効果だと本能で悟った。だがそれから先の「これからどうしよう会議」が進まない
ユウ「い、、いつの間につ、、付けたんだ?」
マサキ「何かぴょこぴょこ動いてないか?…よく出来てるな〜。これ」
マイ「か、、可愛いな!私にも貸してくれ!」
シロ「カーラ何かいつもより色っぽいにゃ〜(酔ってる)」
クロ「シロ!…確かにいつもより可愛いにゃ〜(こちらも酔ってる)」
これで天然と普通の人が判別できるな〜。
と一週回って冷静になってきたが、出てくる答えは一つしかなかった…
カーラ「あ!部屋に尻尾忘れてきた!取ってくるね〜!」
凄い速さで、というか四足で部屋に逃げ帰ったカーラ。口にはマタタビを銜えて。
マイ「何でカーラはマタタビ銜えてたんだ?」
その後で、戻ってこないのが心配で部屋に来たユウを半分野生化したカーラが(性的な意味で)襲ったのはまた別の話。

続きが読みたい人は「ピカチュウ ピカチュウ」と叫んでください。
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437 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:40:17 JiGn7VPf
デカチュウ デカチュウ
438 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:41:50 erHJnD/V
ライチュウ ライチュウ
439 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:43:46 6OJibvyD
ピチュー ピチュー
440 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:44:34 FmtROfBt
セカチュウ!セカチュウ!
441 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:45:45 Jmx3fNWA
デンリュー デンリュー
442 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:46:27 8sI8O77J
テツヤとレッフィーのチュウ、テツヤとレッフィーのチュウ
443 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/31(土) 22:47:22 wX7SUjVF
>>442
あんしんパパ自重
ピッカチュ、ピッカチュ!!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その148
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1176131303/l50
251 :140 :2007/04/11(水) 00:13:39 kxJmRFpy
執筆中のSSだが、とんでもない長さになりそうだ・・・・・
コンテスト時と戦闘時の2つに分けてUPしようと思う。
コンテストは完成しているのでコンテストをUPしました・・・
◇ ◇ ◇
第??話 「明日の『艦長』とヒゲ男」 コンテスト編
今、極東支部伊豆基地の大型レクリエーションルームではあるコンテストの開始が待たれていた。
特設ステージの上の幕には「明日の艦長×5は君だ!一番星コンテスト」とどこかで見た事のあるタイトル、そして会場には何故かヒゲの魔神像が。
ステージ横には、学校等にある大き目の机付きのイスが。しかも「実況」と「解説」の貼紙付きの机。そこにはタキシードに着替えた孫光龍とライが腰掛けていた。
その隣の「審査員」と貼紙のしてある机のパイプイスにはトウマ、統夜、ジョシュア、カズマ、テツヤ、ショーン、リー、ブレスが腰掛け、そして一際大きく
「審査員長」の貼紙のしてある机のパイプイスにはダイテツ艦長が、その隣の「特別審査員」の机には何故かジョナサン博士が腰掛けていた。
そして、ステージ前の観客席にはズラリと敵味方関係無しに揃った男性メンバーがと少数の女性メンバー。だが、数人の男性メンバーと多数の女性メンバーがいない。
何故このような事態になったのか・・・それは数日前のある少年の一言で始まった。
事の始まりは艦の整備のため、ハガネ、ヒリュウ改、クロガネ、シロガネ、ヴァルストークからなる艦隊「ブルースウェア」が極東支部伊豆基地に寄航していた時。
ヒリュウ改の食堂での会話だった。荷物を届けに来たついでに食堂で昼食を取っていたカズマ・アーディガンがいきなりこんな事を言ったのだった。
「なあ、この戦艦じゃあ艦長コンテストはやらないのか?」
無論、付近の者は固まるなり食べていた物を吹き出すなり喉に詰まらせて死に掛けたりとそれぞれがリアクションを取る。
「艦長コンテストって・・・・そんなのあったか?」
「あれ?統夜さんもナデシコ乗った事あるって聞いたけど・・・統夜さんの時は無かったんだ。凄かったぜ・・・」
「へえ〜・・・・」(よかった、あったら絶対カティア達に女装をさせられて参加させられたって。)
笑顔で相槌を打ちながら、背中にはビッショリと嫌な汗を掻いている統夜。そして、そんな統夜を見て「どういうコンテストかは分からないが、無くてよかったな」
と言わんばかりの苦笑いに近い表情を浮かべてるトウマとジョシュア。
「でも、ヒリュウ改の艦長のレフィーナ艦長は女性だから意味がない気がするんだけど・・・・・」
「統夜さんの言う事ももっともだけど、1日だけでも変わるのも面白そうじゃないか?」
「面白そうって言っても人にもよるぜ?カチーナ中尉だったら鬼の特訓になりそうだし・・・・」
「じゃあ、俺の所のヴァルストークも含めて5艦全てでやってみるたらどうだ?それなら万が一の時の避難所も出来るかもしれないし。」
「その前に、艦長達から許しが出ないだろ。家の親父が何かしない限りは・・・・」(メキメキメキメキメキメキメキメキメキ・・・・・
「ジョ、ジョシュア・・・落ち着け・・・・」
ジョシュアの手に持ったスプーンがメキメキと音を立て折れ曲がっていくを見たため、必死で落ち着かせようとするトウマ。
このまま特に会話の進展も無かったため、誰もが実際に起こりえないと思っていたコンテスト。だが、彼等は知らなかった。
食堂入り口でヒリュウ改の紳士でもある副長のショーンがこの会話を聞いていた事を・・・・・
それから3日後。各艦の掲示板にはこんな貼紙が貼られていた。
「明日の艦長×5は君だ!一番星コンテスト!!
参加資格:女性であれば誰でも参加可能です。また、例外として女装が似合う男性なら数名のみ可です
優勝者5名はハガネ、ヒリュウ改、クロガネ、シロガネ、ヴァルストークの1日艦長をしてもらいます。副賞も有りますよ
(無論、1日限りですがブリッジ要員や副長も変更可能です。)
審査方法:水着審査、及び、歌唱力審査
審査員:各艦の艦長(ヒリュウ改のみ副長の私が)ハガネのダイテツ艦長には審査員長を務めていただきます
また、一般審査員としてアル=ヴァン・ランクス、トウマ・カノウ、ジョシュア・ラドクリフ、カズマ・アーディガンの4名に協力していただきます
なお、特別審査員としてテスラ研所長のジョナサン・カザハラ博士が参加いたします
参加希望の方はヒリュウ改の副長室か、直接この私、ショーン=ウェブリーまで」
最初にショーン副長に呼ばれた4人の話によると、レフィーナとテツヤとリーは隊の士気の上昇のためと言いくるめ、ダイテツとブレスには真実を話した所
二人とも快く承認したため、このコンテストは行なわれる事になったとの事。
カザハラ博士はショーンが連絡した所、ぜひともという返事が返ってきたため、特別審査員に選ばれたという。
なお、ブレスの人脈により、敵対組織にまでこの情報は伝わり、結果として参加者は敵味方含めたすべての女性キャラ、そして不運にも女装が似合うキャラとして
リョウト、クォヴレー、フォルカ、インファレンス、ウェンドロ、ラリアー、アラド、イングの8名が女装参加となった。
それから2日後。そう、一番星コンテストの当日である現在に時間軸は戻る。
特別審査員席では少し様子のおかしいカザハラ博士を気遣ってか、統夜が話しかけていた。
「え〜と・・・テスラ研のカザハラ博士ですよね? 何だか普段と雰囲気か違うような気が・・・」
「え?そ、そうかな・・・・・・?」
ドキリとするジョナサン。それもそのはず。このジョナサンはこちら側の世界のアクセルの変装である。
特別審査員を引き受けたはいいが、実験のスケジュールがズレてしまい、参加できなくなってしまったためテスラ研でテストパイロットをしていたアクセルに
自分に変装してコンテストの様子をビデオカメラに収めてきて欲しいと依頼したのである。
テスラ研で働かせてもらっている身のアクセルは断る事が出来ず、ここにこうして来ているのである。
「・・・俺の気のせいだったみたいですね。すみません。」
「い、いや・・・気にしないでくれ・・・」
「そうですか・・・・俺、元々は審査員じゃなかったんですけど、アル=ヴァンさんが急用が出来ちゃったみたいで代理で引き受ける事になって・・・
それでちょっと緊張しちゃって・・・・」
少し笑いながら言う統夜。つられてカザハラアクセルも笑おうとするが、変装がばれないようにするため、顔がどうしても強張ってしまう。
「そ、そうか・・・まあ、リラックスしていつも通りにすればいいんじゃないかな?」
「そうさせてもらいます。あ、そう言えばイルム中尉のパートナーも出るらしいですよ、このコンテスト。」
「そうなのか?これは楽しみなんだな、これ・・・おっと。」
危うくいつもの口癖が出そうになるカザハラアクセル。幸い、統夜には聞こえていなかったようである。
突然、会場の電気が消え、スポットライトが司会席の孫光龍に当たる。
「え〜大変長らくお待たせしました。ただいまより〜『明日の艦長×5は君だ!!一番星コンテスト』を開催いたします!!」
孫光龍の開始の声と共に、電気が再び付き、会場から割れんばかりの拍手や口笛が鳴る。
「さて、始まりました一番星コンテスト! 本日の司会は私、孫光龍が。解説は元大関スケコマシのライディース・F・ブランシュタイン少尉でお送りします!」
「ごっつぁんです・・・ってなんなんだこの台本!誰が元大関スケコマシだ!!」
「カズマ、あの二人の声って・・・・・」
「統夜さんも思った?ウリバタケさんとアカツキさんにそっくりだよな?しかもセリフも殆ど同じだし・・・・」
「そうそう。そっくりだよな。セリフまで同じとは・・・・やるなぁ・・・」
ひそひそ声でナデシコ乗船経験者二人が話している中、カザハラアクセルはしっかり任務(ビデオ撮影)をしていた。
「審査員の皆様の解説は・・・まあ、みんな知ってるだろうし省かせてもらおう。」
「まあ、人数も人数だからな・・・・最初100人超だったのが書類審査で50人まで減ったとはいえ・・・・」
「さて、まずはエントリーナンバー1番。エクセレン・ブロウニングさん。曲目は・・・『負けない愛がきっとある』です。では、どうぞ〜」
音楽と共にバスタオルを纏ったエクセレンが現れ、歌を歌いだすと同時にバスタオルを飛ばした。その下の水着は、男性数名が鼻血を出して倒れる程キワドイ物だった。
「解説のライディースさん、どうでしょうか?」(鼻にティッシュ)
「そうだな、水着はいつもとあまり変わりないようだが、この歌は考えさせられるな。」(平然)
「ほほう。どんな風にですか?」
「セリフで言うなら・・・『俺は、俺は、一体何のために、戦っているんだ。』だな。」
「ほほう。そうですか・・・今のセリフどっかで聞いたことが有るような気が・・・」
「気のせいだ。」
キッパリ言い切るライ。その解説を受けたのかどうか知らないが、リュウセイが考え込んでいた。
「なあ、リュウセイ。どうした?」
「ブリットか・・・いや、何かこの流れでいくと俺、『マグマストリーム』とか『ゴットバード』とか言わないといけない気がしてな・・・」
「な、何なんだそれは・・・・・」
「さて、張り切っていってみようか。エントリーナンバー・・・・・」
コンテスト自体は1時間半ほどで終了した。途中、クスハの水着を見たブリットが鼻血を吹き出す、レオナの歌声で大多数の人が死掛ける、
女装したリョウト、ラリアー、アラド、イングのロリ?チームと女装したフォルカ、クォヴレー、インファレンス、ウェンドロの美形チームにお姉様方が
倒れる、あのライがオウカの水着姿(しかもスクール水着で名前の所には平仮名で『おうか』と書いてあった)で倒れるなどのハプニングがあったが・・・
「さて、集計結果の発表の時間となりました。トップ5は・・・・・」
孫光龍の口からトップ5が発表される瞬間、サイレンの音が響き渡った。
「このサイレンは・・・敵襲!?」
「せっかくのコンテスト結果発表を台無しにするなんて・・・ジョシュア、統夜、行くぞ!!」
「トウマさん、カザハラ博士がいません!あと、そこにあったヒゲの魔神像も!!」
統夜の言うとおり、会場から忽然とカザハラ博士とヒゲの魔神像が消えていた。カザハラの名前を聞いたのか、イルムが話しかけてきた。
「親父?親父なら今頃テスラ研で実験中だぞ。」
「ええっ!?じゃあ、俺の隣にいたカザハラ博士は一体・・・・」
「統夜、ともかく今は発進だ。キョウスケ中尉がすでに発進している。何だか物凄く怒っていたが・・・・」
統夜に発進を促すジョシュア。彼はどうやら数少ないキョウスケの怒りを感じ取れる人物のようだ。
◇ ◇ ◇
統夜&スレイの大轟鳳、トウマの大雷鳳、ジョシュアのエール・シュヴァリアー、そしてキョウスケのアルトアイゼン・リーゼが発進した時、
目の前では全く同じ機体同士・・・そう、ソウルゲイン同士が睨み合っていた。
ただし、片方は見慣れた青色だが、もう片方は白かった。
「ソウルゲインが二機だと・・・・・・どういう事だ?」
「あれって会場にあったヒゲの魔神像ですよね・・・・?」
「それは分からんが・・・片方の機体はシャドウミラーの機体だ。試しに・・・・」
キョウスケが青いソウルゲインに通信を入れる。すると、画面には見慣れた顔、そう、アクセル・アルマーだ。
「来たか、ベーオウルフ。このお祭り騒ぎに乗じてW17とお前を仕留めるつもりだったが・・・まさかこちら側にソウルゲインがいるとは・・おかげでここで足止めだ。」
「お前が平行世界のアルトに出会ったように、こちら側にも平行世界のソウルゲインはいる。残念だったな。」
「フン、まあいい。この場でお前を倒し、W17を引きずり出す!!」
アクセルが指を鳴らすと、どこからとも無くゲシュペンストMk−II・Mが現れた。
「キョウスケさん、周りの敵は俺達が引き受けます!!ソウルゲインの相手を!!」
「すまない・・・賭けを邪魔されたからな・・・たっぷりと例はさせてもらう。」
統夜達はキョウスケの言葉を聞くと同時にゲシュペンストMk−II・Mへ向かっていく。リーゼと青いソウルゲインが今にも激突を開始しようとしたその時
リーゼのコックピットに今面と向かっている男と同じ声が聞こえた。
「会話を聞いた限りじゃ、キョウスケも向こう側の世界の俺とは因縁があるみたいだな・・・・」
「向こう側の世界の俺・・・・ッ!?もしやお前はこちら側の・・・・」
キョウスケの呼びかけに答えるかのように、映像回線が開かれた。そこには、もう一人のアクセル・アルマーがいた。
「ご名答!!俺はこっちの世界のアクセル・アルマー。まあ、今はテスラ研でテストパイロットをしているんだな、これが」
「バカなッ!?平行世界の俺だと!?こちらの世界に戻っていたのか!?」
もう一人の自分の登場にさすがのアクセルも動揺していた。どうやらこの二人。以前向こう側の世界で会った事があるようだ。
「久しぶりだな。向こうの世界の俺。悪いが俺はキョウスケ側に協力させてもらうぜ。さて、いっちょ行きま・・アイタ〜ッ!!」
こちら側のアクセルが何かを言おうとした時、遠距離からの砲撃が白いソウルゲインを襲い、白いソウルゲインは吹き飛ばされた。
「アクセル隊長、援護に来ました。」
艦長コンテストに出場していた時の水着姿のままのエキドナがラーズアングリフに乗り、ゲシュペンストMk−II・Mを8機ほど引き連れて現れた。
「よくやったW16。しかし・・・その格好はどうにかならんのか!!」
「すみません。服は本部の方へ置いてきてしまいました。」
「・・・・・まあいい。これで形勢逆転だな。ベーオウルフ、お前の仲間達も苦戦しているぞ?」
見れば、乗っているパイロットの質がいいのか、はたまた機体が改造されているのか、どちらにしろ統夜達は押されていた。
「クッ・・・・・アクセル、無事か!!」
「何とか無事なんだな、これが・・・それにどうやらこっちにも援軍が来たようで。」
アクセルの言葉通り、ヴァルストークとアルムストラ、そしてヴァルホーク、Jカイザー、ラフトクランズ(カルヴィナ機、フー機、アル=ヴァン機)アルムアルクスが
援護に来た。戦艦2隻からの砲撃は凄まじく、最初からいたゲシュペンストMk−II・Mはほぼ壊滅状態に近かった。
「テニア、カティア、メルア!!来てくれたのか!!」
「もっちろん!!統夜のピンチを見過ごす訳ないでしょ!!」
「メルア、準備は出来てる?」
「バッチリです。フーさん、お願いします。」
「分かった!!ラフトクランズ、オルゴンサテライトバスターモード!!」
フーのラフトクランズが変形を開始し、大型の銃となる。そして、Jカイザーがそれを手に持ち、月からのマイクロウェーブをJカイザーが受信する。
「「「「必殺!!オルゴンバスターキャノン!!」」」」
銃形態に変形したラフトクランズから光が迸り、射線上にいたゲシュペンストMk−II・Mが消滅していく。
「スレイさん、行きますよ!!」
「ああ、行くぞ、紫雲!!」
やや強いゲシュペンストMk−II・Mを正面に見据え、大轟鳳が構えに入る。
「「ヴォーダ・アンド・シャイン!!」」
「「クード・レイ・フェス・ヴィ・ティア・・・・」」
大轟鳳の右手が緑色に、左手が青色に光り、サイトロンの光がゲシュペンストMk−II・Mを捕らえる。
「「ハァァァァァァァァァァァァ!!」」
二人の気合と共に放たれたヴォーダ・アンド・シャインによって、ゲシュペンストMk−II・Mのコックピットはもぎ取られ、機体は爆散した。
「行くぞ、外道・・・ライジングメテオ!!」
大雷鳳のライジングメテオ・インフェルノが敵を蹴り上げ、ジョシュアのエール・シュヴァリアーがサイファーソード二刀流のバーストレイヴ・クロスが
敵を切り裂く。完全に状況はブルースウェアに傾いており、残っているのはラーズアングリフと青いソウルゲインだけだった。
「行くぞ、カルヴィナ!!」
「分かってるわ、アル!!」
二機のラフトクランズがラーズアングリフに向かい、絶妙な連携で攻撃を決める。ライフルを同時に放ち、カルヴィナがクローで掴んだ後、上空へ投げ飛ばす。
そしてトドメとばかりに、アルがソードFモードで斬りつける。
「名付けて・・・ダ———ラブラブアタックでいいんじゃない?」
最後の締めをアルが言おうとしたが、カルヴィナの一言で遮られた。
「ら、ラブラブアタックって・・・キョウスケ中尉達の攻撃じゃ・・・・」
「長ったらしい名前より、こっちの方がいいでしょ?」
「・・・・・・・」
顔が赤くなりながらも、否定をしないアル。完全にカルヴィナペースだ。
「隊長・・・・・」
「W16、早く離脱しろ。」
「・・・・了解です。」
ラーズアングリフが撤退しついにシャドウミラー側は青いソウルゲインだけになった。対峙するのは白いソウルゲインとリーゼ。他の機体は周りで待機している。
「ったく、せっかくの祭りをぶち壊しにするなんてとんでもない事をしでかしてくれたんだな、これが!」
「チッ・・・貴様の介入さえなければ、うまくW17を始末できたものを・・・!」
「そっちの事情は知らないが、楽しみを邪魔されたこっちとしてはあんたにゃさっさとご退場願いたいんだな、これが!」
互いに玄武剛弾を打ち合い、弾きあう二機のソウルゲイン。
「チィ・・・性能は同じか・・・・」
「そのようなんだが、これが・・・だが、こっちには・・・」
「俺がいる事を忘れるなよ、アクセル!!」
白いソウルゲインがしゃがみ、その後ろからリーゼがアヴァランチ・クレイモアを叩き込む。
青いソウルゲインが体制を崩した所に、白いソウルゲインが突進し、麒麟を叩き込む。
そして、トドメにリーゼのリボルビング・バンカーを全弾叩き込む。
「ぐおっ!!おのれ・・・ベーオウルフ、アクセル!!」
各部から煙を出し、撤退していく青いソウルゲイン。
「さすがだな、アクセル。」
「キョウスケもやるな、俺達結構いいパートナーになれるかもな。今のは名付けるなら麒麟撃か?」
「・・・・・お前とパートナーか・・・フッ、いいかもな。」
互いに褒めあうキョウスケとこちら側のアクセル。
「で、結果はどうなんだ?」
「そうそう。結果を聞かないとこっちも帰れるに帰れないんだな、これが。」
戻るなり、孫光龍に詰め寄る二人。そんな状況でも孫光龍は悠然としてる。
「あ〜結果?それがさっきの襲撃で紙が燃えちゃってね・・・・結局はノーコンテスト。艦長はそのままさ。」
「何ッ!?それじゃあ、賭けも無効か・・・・・」
またもや賭けをしていたキョウスケ。エクセレンは呆れたように聞く。
「ダーリン、またなのね・・・・・と・こ・ろ・で・誰に賭けたの?」
「それはエクセレン、お前だ。」
「んふふふふ〜♪ダーリン、ちょーっといいかなぁ〜〜・・・・・・?(ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・)」
「じゃあ、用件済んだから俺は帰らせて・・・」(ガシッ)
「俺とお前はパートナーじゃないのか?だったら最後まで付き合ってもらうぞ・・・・(ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・)」
「え?ちょっと、キョウスケ、それにエクセレンまで・・・ちょっと・・・・」
ダブルで物凄いオーラに当てられてるアクセル。その後、アクセルの悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか・・・・・・・
完
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
272 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/11(水) 07:47:36 7S9fedB9
>>269
ダ…何を言おうとした、アル=ヴァン…。
とりあえず、動いてる大轟鳳とJカイザーを見られただけでお腹いっぱいですた。
と言うか、あのカオスを良くぞまとめたもんだ。GJ!
275 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/11(水) 08:41:57 4Yb+WYUD
>>269
ダブルオルゴンストライクとでも言おうとしたのか?アル=ヴァン・・・・
ともかくお疲れ様でした、GJ!!!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その146
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175437229/l50
602 :599 :2007/04/04(水) 04:19:45 Jd5lEIHt
おまけ
自分で書いていて、あまりの壊れっぷりに削除した一文。
取り合えず、置いときます。
※ODE…ではありませんが、九割方冗談で書いています。自己の責任でお読み下さい。
キャラのイメージを大切にしたい方はスルー推奨。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「見ていて本当に気の毒だな、アイツは。…何とかしてやりたいが」
寝台に潜っても、頭を掠めるのは先程見たアラドの疲れ切った表情だった。
…イングラムがここまで気にかけるのは、その発端に自分の行動があるからだけではない。…アラドに笑顔を取り戻して欲しい。そんな強い思いがあった。
「…寝るか」
だが、どれだけ思いを巡らせても良い考えは浮かばない。イングラムは思考する事を放棄して、睡魔の尻尾を掴んだ。
——そうして、彼の下にも甘美な地獄が訪れた
「う…ぐっ…かっ、ぁ…!」
不意に襲ってきた息苦しさ。呼吸の自由が奪われたイングラムは眠りの底から浮上しようとする。
「息…が、ぁ…肺が圧迫、されて…!」
重たいものが自分の胸に圧し掛かり、その重みで潰れた肺は正常な機能を果たせなかった。
「ぐ…ぅ、…なっ、何だ?」
堪らずに目を開けたイングラム。…前にも似た事があった気がする。そんなデジャヴュが脳内を通過し、状況の確認に努める。
…自分に密着する見知った感触が確かにあった。
「あんん…少佐ぁ…♪」
エッチぃ声が聞こえてくる。
不埒な輩がその豊満な乳をイングラムの胸板に乗せて爆睡していた。
「この…馬鹿女め。何処から入った…」
セレーナはくすぐったそうに身を捩ってイングラムの裸の上半身に体を擦り付けていた。
…彼女に寝込みを襲われるのは初めてではない。あんな事があってから流石に警戒したイングラムは自室の戸締りを厳重にしていたが、この女には効果が無かった様だ。
「他人の安眠を妨害しおって…!」
前は不問と言う事にしたが、今回ばかりは無視する訳にはいかない。眠りを邪魔されたイングラムは内に燃える怒りのままに大声で叫んだ。
「チェンジ!」
「なっ!?なんですとおおお〜〜〜!!?」
セレーナが飛び起きる。裸のお胸が惜しげも無く晒されてぷるぷる揺れた。
「五月蝿いわ乳牛!とっととその脂肪の塊をぶら下げて消えろ!」
だが、そんな事で一端火が付いたイングラムの怒りの火は消せなかった。
———スパン!
「「なっ」」
突然、イングラムの部屋の自動ドアが壊れんばかりの勢いで強引に開かれた。二人はそれを成した人物を見て絶句した。
「私の出番の様ね」
そこには下着だけを着用した先生の片割れが仁王立ちしていた。
「っ!!…たっ、大尉…!」
「聞こえなかったのかしら?敗者は潔く消えなさい。この場に居て良い女でなくてよ、貴女」
「…くう」
イングラムに拒絶された事を知っている様にヴィレッタは謂う。セレーナはぐうの音も出せなかった。
「な、何が…起きてるんだ?」
流石の先生も状況が飲み込めない。そもそも何だってチェンジ等と戯けた事を口走ったのだろうか?…案外、アカシックレコードの為せる業かもしれない。
「ふっふふ。馬鹿ね。胸に執着は無いってアレほど言ったでしょうに」
「ぅ、ううぅぅ〜〜〜」
懲りずにそれに頼った貴様の落ち度だ。ヴィレッタはセレーナを嘲笑し、セレーナは半泣きになりながらイングラムを見た。
「あー…胸が張ってるなら、搾って貰ったらどうだ?…俺以外の誰かに」
「少佐の阿呆〜〜〜〜!!!近親マニア〜〜〜!!!!」
床に落ちていた自分の装いを拾い上げ、セレーナは滝の様な涙を流しながら出て行った。
グラマー × 『有害 取り扱い注意』
「邪魔者は消えた。それじゃあ…ね」
「む」
兄のそれを彷彿させる艶のあるエロ声だった。
スス…と、軽やかな足取りで片割れに近付く妹。そこには微塵の躊躇も無い。
「私が貴方の一番だって事、思い出させてあげるわ」
そうして、イングラムの唇を指でなぞるヴィレッタ。だが、兄は情熱的な妹を放置して寝台に身を横たえた。
「一線は越えんぞ?…と、言うか寝させてくれ…」
「…チッ」
ヴィレッタは舌打ちした。
———三十分後
「・・・」
「んっ…イングラム……」
寝付きがかなり良い部類にヴィレッタは入るのだろう。寝台に潜って数分でヴィレッタは夢の世界に旅立った。
抱き枕である自分の兄をギュッと抱きながら、夢飛行を堪能する妹の寝顔は幸せそうだった。
だが…
「これは…寝る以前の問題、だな…っ」
イングラムは一人取り残された様に起きていた。眉間には皺が寄り、今の現状に不満がある事を如実に語っている。
その原因は簡単な事だった。
「ほ、骨が…当たって痛い…っ!」
ヴィレッタの恥骨、鎖骨、腰骨…その他諸々がイングラムの肉に食い込んでいた。その痛みからイングラムは完全に眠気を削がれてしまった。
ヴィレッタは胸や尻は出ているが、それ以外の箇所の脂肪は非常に薄い。体重が50に満たないのだからそれが当然。だが、そんなモノに抱きつかれては痛いのは必定だった。
「ぐっ…く、糞。こっちの気も知らないで、スヤスヤ寝おって…!」
かなり強い力で抱き付かれているので、その抱擁を解く事は不可能だった。存外に硬い抱き枕はヴィレッタのお気に入りの様でそれを離す気配を見せない。
理不尽な怒りが湧いた先生はまたあの台詞を叫ぶ。
「チェンジ!」
「え…ちょ、な、な…!一体、何!?」
ヴィレッタもまた飛び起きる。どうして自分がそれを宣告されるのか理解していないらしかった。
「喧しいわ虚弱体質!お前は肉付きを良くする所から始めろ!」
「ちょっ…!あ、貴方は何様のつもりなのよ!」
「お前の体は痛いんだ!早く失せろ!出直せ!」
…端から見れば凄まじく間抜けな寸劇にしか見えないだろう。だが、そのどちらも切実なモノを抱えると言うのが笑える。
感触が気に入らないと言う理由で女をとっかえひっかえする兄と、自分の欠点が兄の安眠を妨げる事に気付けない妹。…シュール過ぎる光景だった。
———スパン!
「え、援軍か!?」「今度は誰よ!?」
ヴィレッタがそうした様にイングラムの部屋の自動ドアがまた強引に開かれた。…恐らく、修理が必要な状況になっているに違いない。
次なるチャレンジャーが入場してきた。
「ご指名有難う御座います♪」
「Oh…mammy」
——あなたは何処のお水のお姉さんですか
血の気の失せたイングラムはそのままフラッ、と寝台に沈みそうになった。その人物は先生にとっては忘れられない女だった。
「ア、ヤ…っ!あ、あなた…」
アヤ=コバヤシがかなり際どい下着を着用として現れた。
「敗者は此処には居られないルール…そうでしたよね、隊長?」
「…ぅ、あ…」
そんなルールは何時決まったのだろうか…?恐らく、ほんの小一時間前だろう。
自分がセレーナにそうした様に言われるヴィレッタ。アヤはそんな悔しそうなヴィレッタを凄惨な笑みを浮かべながら見ていた。
「これは、苛め?いや、新手の嫌がらせか…?」
此処まで来れば、どんな状況だろうが笑い話にしかならない。イングラムは何とかこの状況に納得いく解を出そうとするが、それは無駄だった。
「それで…誰がイングラムさんの一番ですって?」
「ふ、ふん…そんなの、そ…そんなの…」
決まり悪そうにイングラムを見るヴィレッタは半泣きだった。何か自分を助ける言葉が欲しいヴィレッタはイングラムに縋る。
「済まんが…俺の一番は俺自身だ」
「っ…そ、そう。そう…なの」
今の現状に於いて、誰も自分の伴侶に添える気は無い。イングラムはそう語った。助け舟を出されなかったヴィレッタは潔く部屋を出て行く。
「くたばってしまうが良いわ。…インポ野郎…っ!」
最後の最後に捨て台詞を吐いたヴィレッタの顔には涙が一筋伝っていた。
スレンダー × 『問題外 ご協力有難う御座いました』
「やっと…機会が巡ってきました。イングラムさん…」
「・・・」
情の篭った翠の瞳が燃えていた。それを直視出来ないイングラムはプイ、と顔を背けてベッドに逃げ込んだ。
「…つれない人。私の心、知っているのでしょう?」
イングラムの背中にのの字を書くアヤは寂しそうだった。
「…ODEシステムの発動は不許可だ」
「…意地悪」
恨みがましい視線が背中に刺さる。イングラムはそれを全力で無視して寝る事に努めた。
縁りが戻りそうになっている現状に於いて、再び過ちを犯す事だけは避けたかった先生だった。
———三十分経過
「っ…あ、ぁ…くぉぉぉ…っ…っ!」
「イングラム少佐……好きぃ…」
もう何が起こっても驚かない。そう居直った先生だったが、そんな空元気はアヤには通用しなかった。
二度ある事は三度ある。セレーナの時を超える息苦しさが先生を苛む。
「かっ…ぁっ、気、道が…ふ、塞がれ…!」
否、これは息苦しさと言うレベルではない。切実に呼吸が出来ないのだ。口も鼻も柔らかい感触に包まれ、鼻腔に漂ってくるアヤの甘い体臭。
あろう事か、アヤは自分の均整の取れた美乳でイングラムの顔を抱いて寝ていたのだ。先生の口や鼻はおっぱいで塞がれていた。
「ぬ、ぅ…っ!!!」
…嘗て別の世界で自分が倒したアンドロイドや怪獣、自分が殺した超機人がこっちに来るなと大声で手を振っていた。
三途の川が見えた先生はその死に至る包囲網を突破し、漸く呼吸の自由を得るに至る。
「はあ…はあ…はー……くっ」
貪欲に酸素を肺に取り込みながら、死に向き合って自然と零れた涙を拭う。…こんな抱き癖は以前には無かった筈なのに。
イングラムはそのアヤのした行為に恐怖を感じて叫んだ。
「もう、もう良い!独りで寝る!!」
「えええぇぇーーー!!?そ、そんなあ!!」
アヤは自分がしでかした事の重大さに気付いていない。…或いは、無意識の産物だったのだろうか?そう考える先生は本当に薄ら寒くなった。
「黙れ殺人者予備軍!ふ、復讐か?お前を捨てた事に対する復讐なのか!?」
添い寝で殺されかけるのは御免蒙る。こんな危ない抱き癖を持つアヤとは寝られない先生だった。
「復讐…って…わ、私…何かしました?」
「…今は何も言わずに去ってくれ。…頼む」
もう、威嚇する気力すら奪われてしまった。イングラムはただ、静かな眠りを欲した。
「い…イングラムさん…!」
アヤの瞳に浮かぶ涙。イングラムはその程度では動じなかった。自分の命がかかっているのだから当然だ。
「俺の部屋から…出て行ってくれ。アヤ」
「ぅ…っ、うう…少佐のドスケベ!!…種馬ぁ!!!」
よよよ…と、顔を覆い部屋を飛び出していくアヤ。その背中を見送ったイングラムはやっと平穏を手にした。
標準体型 × 『殺人衝動有り 危険人物』
「…そんな派手に種を撒いた覚えはないのだが」
捨て台詞がドンドンと凶悪なモノになっていったが、もうそれがこれ以上酷くなる事は無い。寧ろ、その程度の悪態しか吐けないのなら可愛いモノだろう。
「しかし…やはり、自分の時間と言うのは大切だな」
蒼い長髪を掻き上げて、もぎ取った平穏な時間の大切さを噛み締めたイングラム。…こうやって、構われている裡が華なのだろうが、やはり物には限度と言う物がある。
…アラドはきっとそんな現状に息苦しさを感じているに違いない。
「俺ならば上手く立ち回れるだろうが、アイツにそんな器用な真似は出来んか」
ある程度は割り切って行動できるイングラムは大人だ。こう言う事があったとしても、あの連中とはまた笑って酒を酌み交わせる事を知っている。
が、若いアラドはそんな行動が取れるほど場数を踏んでいないだろうし、経験そのものが未熟だ。幼い…と言っても良いだろう。
…そんなアラドをある意味食い物にしている女達。このままいけば、最悪血を見る事になりかねない。
「取り返しの付かん事になる前に、俺の出来る事をしてやるか」
我が身を振り返り、改めて知れた危機的状況。崖っぷちのアラドを救うのは同じ境遇に居る自分しか有り得ない。
そうして、心に静かな闘志を芽生えさせると、イングラムの心にアラドに指し伸べる案が浮かんできた。それを綿密に脳内で図上演習しながら、イングラムは睡魔の誘いを受けた。
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603 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 05:14:29 h/LzB3+U
いつぞやのアラド×チームTD以来のファンです。
ODEの方も楽しみにしとります。
先生シリーズはいくつか取りこぼしがあるのが悔やまれます。
すぱろぐの補完に期待。
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その146
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175437229/l50
588 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 03:45:46 Jd5lEIHt
流れを両断してお久し振りの。
続々々々・イングラム先生のお悩み相談室
モイスチャールーム
アラド女難(時々先生)
…投下して宜しいか?
589 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 03:47:12 SwgcyR7O
OK忍!
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590 :Distress :2007/04/04(水) 03:53:54 Jd5lEIHt
———居酒屋 ハガネ
「・・・」
和風の純居酒屋。そのカウンターの隅に座り、酒とつまみを味わうイングラム先生。ここ最近の無茶な働き振りは多くの人間に知れ渡り、それこそ名前も知らない一般兵からも相談が舞い込む始末だった。
もうそれについて弁解する気は無いが、自分の時間を奪われる事を良しとしなかった先生はBAR ヒリュウとは全く対極であるもう一つの隠れ家に足げなく通っていた。
…その名はハガネ。やたらと豪快な大将が経営する、日本料理と酒を振舞う居酒屋だ。酒の種類は多くはないが、出される料理はそこらの料亭にも負けない質を誇っていた。
「やはり、良いものだな。独り酒は」
お銚子からぐい飲みに酒を注ぎ、独り言を言う。誰かのペースに合わせ、自分の酒の進み具合を妨害されるのは好きではない。
昔…ヒリュウは静かなものだったが、今のあそこは自分には騒がしすぎる。それを認識したイングラムは他の客が滅多に訪れない穴場中の穴場に拠点を移したのだ。
…そうして、煙草をふかし、料理を注文しながら酒を進めていく先生は不意に自分以外の客の存在に気付いた。
「む…?」
『ハア——』
先ず気になったのはその客が発する溜息だった。エクトプラズムでも吐きそうなその重たい吐息はイングラムの興味を誘うには十分だった。
「アレ…は」
その後に飛び込んでくる、その人物の青白い顔。先生が知っている顔だった。
「あ、アラド…?」
アラド=バランガ。先生の弟分であるクォヴレーとつるんでいる駄目な子の見本品。だが、駄目な子ではあるが、内部に隠した爪の鋭さは他を圧倒する。
最近のアラドの成長振りは目を見張り、各種ミッションに於ける彼の戦績は必ず上位にあった。…そんな最近上り調子のぷに少年が何故こんな寂れた場所で独り溜息を吐いているのかが先生には判らない。
「んぐ…んぐ…っ、はああああ…」
傍らに置いたカルピスのボトルを一気飲みしてまた溜息を吐くアラド。…あんな飲み方は血糖値を危険に晒す。先生はそう突っ込みたくなった。
「……大将」
「…何だ?」
アラドは肴が無くなった事に気付き、カウンターに控えていたダイテツ艦長に注文を告げた。
「砂肝とレバー…各十本ずつ」
「うむ。相変わらず、良い喰いっぷりだな」
微笑を湛えた大将はアラドの注文を捌く為に忙しなく手を動かす。アラドの視線は死んだ様に濁っていた。
「・・・」
今迄何度も通った居酒屋だが、アラドに遭遇した事は先生には始めてだった。しかもあの寂しそうな、内に毒を溜めている様な視線は何なのだろうか?
「…気になるな」
もう何度目かの、先生の悪い虫が疼き始めた。首を突っ込んで碌な目に合わないのは過去の経験から明らか。しかし…そんな辛そうなアラドの視線の理由が知りたくて先生は居ても立っても居られなくなった。
「仕方が無い。世話を焼くか」
イングラムは肴を載せた皿とお銚子を手に持って、自分の席から立ち上がった。…これでも多くの若人の悩みを解決してきた似非カウンセラー。今更その経歴が増えた所でイングラムは痛くも痒くもなかった。
「隣、構わんか?」
「え?…あ」
アラドの返事を待つ前にイングラムはアラドの直ぐ隣の席に腰を下ろす。そうして、わざとらしく煙草を咥えて火を点けた。
「お前の姿が目に入ってな。…お前の様に若い客はここでは珍しい」
「…そうなんスか?今日…始めて来たから」
アラドは顔を伏せてイングラムと目を合わせようとしなかった。
「…良い店だとは思わんか?ここは」
「…ええ。静かだし、何よりも飯が美味いっスね」
「ああ。酒も限定されるが中々の品揃えだ。一杯引っ掛けるには丁度良い」
「すんません。酒は…判らないっスわ。俺、餓鬼だから」
イングラムが空のぐい飲みに銚子を傾けると、アラドは再びカルピスのボトルを呷った。
…未だ警戒されている部分はあるが、話を合わせてくれている分、取り付く島はあった。先生は本題を切り出す。
「で、何か深刻な悩みでもあるのか?お前は」
「っ」
アラドは目を見開いてイングラムの顔を凝視する。声を詰まらせながら、アラドはイングラムに答える。
「俺…そんな、酷い面…してます?」
「ああ。死んだ魚の様な面だ。溜息ばかり吐いているしな」
「・・・」
ぎゅっと唇を噛むアラド。内にある黒いものがその可愛い顔を汚していく。イングラムは言葉を待った。
「少佐…何か…相談事に乗ってくれるって聞きましたけど」
「あ…っ、まあ…最近、その手の事に首を突っ込む機会が多い事は認める。しかし、それは誰から」
大手を振って喜べないイングラム。悩みを聞く事で救われる人間が多くなる事は嬉しいが、それで名が売れ過ぎてしまっても困るのだ。
当然の様に自分の噂を知っていたアラドを先生は問い詰める。
「アイビスさんから聞いたんです。…世話になったって」
「ああ」
嘗て胸の事で相談してきた負け犬の事を思い出した。あの時は途中から恋愛談義になってしまってまともなアドバイスも出来なかったが、アイビスはそれに感謝していた様だ。
「……はあああ〜〜〜」
再び、アラドが死にそうな声を出した。だが、あからさまに自分に相談をしろとは言えない先生はそのままアラドのケチな顔を肴にして酒を飲み続けた。
「お待ちどう」
ニュッ、とカウンターから手が伸びて、大将は焼き鳥で山盛りの皿をアラドの前に持ってきた。アラドはそれを無言で受け取って、それを食べ始めた。
「あー、大将」
「注文か?」
イングラムのエロ格好良い魔性の声とダイテツの老練なエロ渋い声が重なった。
「ツボダイの煮付けを」
「うむ。暫し待て。…しかし、珍しい組み合わせだな少佐?」
「確かに。しかし…まあ、これも性分と言う奴です」
「ふふふ…」
ダイテツは意味がはっきりとは判らない笑みを口元に引いて厨房に引っ込んだ。イングラムはダイテツと言う男の奥深さと偉大さを知っているからこそ、腰の低い態度を取った。
そうして、暫く経って…
「げっぷ…っ、はああああああああ〜〜〜〜」
追加注文した串物を綺麗に食べ尽くしたアラドは見てていじらしくなる表情をして、また溜息を吐いた。…そこでイングラムは漸く傍観を解除した。
「何か、あるな?」
「え……ぅ、え?…や、やだな。そんな訳ないじゃないっスか」
「嘘を吐くな。その程度の事は簡単に見抜ける。…溜めてるものがあるなら、ぶち撒けてみろ」
「っ!」
頑なに否定するアラドの心の外周をジワジワ侵す先生。歳若いアラドはそれに抗えなかった。
「あの…聞いて、くれるんスか?」
「お前にその気があるのなら、聞こう」
一瞬、自分は何をやっているのかと自分に問うたイングラムだが、もうここまで来てしまえば最後まで面倒を見るしかない事を悟り、その迷いを消す様に酒を飲んだ。
「判りました。溜めても仕方ないし、少佐に聞いて貰う事にするっスわ」
一端深呼吸し、呼吸を整えるアラド。そこから語られる青少年のお悩みをイングラムは聞き始めた。
「最近…休まる暇が無くて」
「休息が取れていない?…仕事がキツイのか」
「いえ…仕事は順調っス。カイ少佐も頑張ってるって褒めてくれます」
「あの男が、か」
アラドの現在の職場は教導隊預かりで、その職務は雑用係…と言った所だろう。だが、腐っても教導隊にあるアラドに適当は許されない。訓練や職務だってさぞきつい物があるだろう。
そんな激務にあり、直属の上司であるカイ=キタムラに褒められると言う事はそれだけアラドの働きが認められていると言う証拠だ。上辺や酔狂であの実直な男は他人を褒めたりはしないのだ。
「やる事をきっちりこなして、休む時には休む。それが出来てればカイ少佐は厳しい事は言わないし、褒めてくれるんです。でも…」
「それでもお前は休めてない。…原因は、私生活か?」
「そう…なんでしょうね」
ここから先を切り出そうか悩むアラドが渋い顔をした。だが、それは一瞬で、次には続きを語っていた。
「最近…その…ぁ、アイビスさんと…仲良くなりまして」
「むっ!」
ちょっと照れた様に言うアラド。イングラムの心が少し軋んだ。…何故ならば、少し前に彼女にそれを勧めたのは他ならぬ自分自身だったからだ。
「そ、それは…っ、良かったな。で、お前は…それに不満があるのか」
「いえ…別に無いっスよ。アイビスさん…年上だから優しいし、世話焼いてくれるし、ちょっとドジだけどそこも可愛いってーか…」
「…惚気の類か?」
「まあ…半分は///」
…聞いて損をした。一瞬そう思ったイングラムだったが、問題はそれ以降に起こった事にある様だ。その証拠にアラドは見た事も無い怖い顔をしていた。
「でも…それを良く思わない人が居たって言うのかな…。その人達が出て来てから、俺の生活が…狂ってきて」
「それは…」
「俺は気付けなかったけど、その…俺を好きだった人達が俺に群がるんすよ。アイビスさんもそれに対抗意識を燃やしちゃって」
「群がる、だと?」
何故だろうか?とてつもなく不穏な空気が何処からとも無く流入し、アラドと自分の周りを包んでいる気がした。
「気が付いたら…誰かしらが隣に居るんすよ。仕事中には無いんすけど、昼休みとか…部屋に帰った時。最近は寝てる時だって…」
「寝ている時?…ストーカーに目を付けられたのか?」
「今じゃあ、もうそれと大差無いっスわ。…どれだけ鍵を閉めても入り込んでくるし、一人になる時間すら奪われて」
「あ、アラド……」
大分、精神が参っている様だった。その緑色の瞳には、今にも泣きそうな程に涙が溜まっていた。アイビスに代表されるその一団がアラドにとってのストレスの原因になっている様だ。
一体、その連中がアラドに何を強要しているかは知らないが、精神的にタフガイなアラドをここまで追い込んでいるのだから、相当に搾取しているのは疑いようが無い。
「一体…誰だ?そのたわけは。具体的な名前は言えるか?」
「それは…」
「言いたくないならそれも良いが、俺がそれを知る事で立てられる対策もあるだろう。…だが、無理には聞かんよ」
「・・・」
そんな言い方はずるい。大人な対応をするイングラムの発する言葉はアラドを容易く揺るがせた。
こんな現状に於いて、別に知られて恥になる事はないし、イングラムがそれを吹聴して回る人間でもない事をアラドは判っている。
アラドはその名を口にした。
「ゼオラ…と、姉さん。…オウカ姉さんっス」
「…何だと?」
一瞬、先生は耳を疑った。ゼオラについてはまだ判る。アラドと対になる様に調整されたのだから、その情が嫉妬に変わる事だってあるだろう。
だが、オウカ=ナギサまでそうだったとは恐れ入る。ラトゥーニ一本の女と思っていたがそれはフェイクで、実は狂おしいまでの情を不出来な弟に注いでいたと言うのだろうか?
…どちらにせよ業が深い。スクール一家で唯一の男を盗られたと思ったゼオラとオウカは簒奪者であるアイビスからアラドを奪還しようとと極端な行動を開始したのだろう。
「…難儀、だな」
そして…その闘争の火種を炊き付けたのは他ならぬ自分自身である事を知ったイングラムは唇を噛んだ。
「ちょっと恥ずかしいっスけど、これが瑣末って事で」
「あ、ああ」
「ふう。…喋ったら、少し軽くなったっスわ。どうも有難う御座いました、少佐」
ペコリ、とお辞儀したアラドは財布を取り出して会計に走った。
「待て。お前、部屋に帰るのか?」
「?…ええ。明日も仕事っスから」
「…帰った所で、居場所など既に奪われているのではないのか?」
「そうっスね。…本当は帰りたくないっス。針の…狢っスから」
それは筵だ。そう突っ込む気力すら今のイングラムにはない。それ以上にアラドが気の毒だった。
「でも、俺の塒はあそこだけ。…贅沢は言えないっスねー」
ある意味で幸運な事だ。アラドはそう言いたかったのだろうが、その言動は魂の叫び聞こえて先生には仕方がない。
「それじゃ、少佐。お休みなさい」
アラドは感情を押し殺した顔のまま、居酒屋を出て行った。
「いや、待たせてしまった。鍋の調子が悪くてな」
「あ…いえ」
漸く自分が頼んだ注文が来た。だが、イングラムは気のない返事で返すだけだった。
「どうした、少佐。…何かあったのか?」
「いえ、想定の範囲内です」
「そうか?…なら、良いが」
政治家答弁でダイテツに返したイングラムは根元まで吸いきって、フィルターだけになった煙草を灰皿へと捨てた。
…結局の処、愚痴を聞くだけに留まってしまった。何かしらの声を掛ければ良かったのだろうが、その機会はとうに過ぎ去り、過去のものになってしまった。
「さて、どうしたものかな」
独りごちて、アラドを取り巻く問題の解決策を模索するが、出て来るのはどれもこれもがその場凌ぎの付け焼刃に過ぎない。
アラドの持つ魅力に魅せられた女が群がり、その矛先であるアラドは悲鳴を上げている。肉欲の檻、甘美な地獄…そこから解き放つ手段をとうとう先生は見出す事が出来なかった。
…半刻ほど経過して酒も肴も無くなった所で、イングラムは勘定を済ませて自室へと帰った。
「見ていて本当に気の毒だな、アイツは。…何とかしてやりたいが」
寝台に潜っても、頭を掠めるのは先程見たアラドの疲れ切った表情だった。
…イングラムがここまで気にかけるのは、その発端に自分の行動があるからだけではない。…アラドに笑顔を取り戻して欲しい。そんな強い思いがあった。
「…寝るか」
だが、どれだけ思いを巡らせても良い考えは浮かばない。イングラムは思考する事を放棄して、睡魔の尻尾を掴んだ。
———翌日 居酒屋ハガネ
昨日から考え続けた先生の脳味噌の中には打開策が存在していた。無論、それは状況を根本から解決するものではなく、対処療法的な一時凌ぎに過ぎない策。
それでも、現状を放置するよりマシだと思った先生は、それをアラドに何とか提示してやりたかった。
自分の居場所に迷い、今日も何処かを彷徨っているであろうアラド。そんな彼がまたこの場所を訪れると言う保障は無い。
…だが、アラドは確実に現れる。そんな根拠の無い自信に縋ったイングラムは終業時間から彼を待ち続けた。
——静かな時間が無言を纏い、流れている
居酒屋にはイングラムが独りきり。酒と肴を傍らに置き、その贅沢な時間を堪能しながら、アラドを待つ。
普段は忙しなく流れる日常の時間も、この場所ではその歩みを遅くしている様だ。緩慢に流れる時間の中で、苛立ちを募らせる事すらせずに黙々と酒を飲む。
…一時間、二時間と経過するが、アラドが現れる気配は無かった。
「今日は随分と粘るな。アラド曹長を待っているのか?」
「・・・」
ダイテツがイングラムにそんな言葉を掛けた。普段は酒を堪能すればさっさと帰ってしまう金払いの良い客でイングラムは通っている。
そんな彼が此処まで時間を掛けて居座る事は今迄無かった。昨日の一件がそれに根差している事こはダイテツには判っていた。
「…少し、野暮な質問だったか」
「それで…正解ですよ」
気を悪くさせてしまったと思ったダイテツは咄嗟にフォローを入れた。だが、そんな事に態々気を悪くする程狭苦しい男ではない。少し、乾いた笑みを零してダイテツの問いに答えた。
此処で待つよりはアラドの所在を調べてそこに直接行けば良いのだろうが、その程度の事はイングラムは既にやっていた。だが、結局アラドの所在は掴めず、彼が顔を出した此処で待つしかなかったのだ。
「随分とあの少年に目をかける。そんなに危ういのか?今のアラドは」
「その様です」
「そうか…」
「まあ…半分は気紛れ。もう半分は情が移った…そんな処です」
それがイングラムの本心に近い。アラドに何か出来る事をしてやりたい。不器用だが、イングラムなりの優しさが発露していた。
ダイテツはもっと声を掛けたかったが、それ以上は無粋と判断し、奥へと引っ込んだ。再び独りに戻ったイングラムはぐい飲みを一息で飲み干して目を閉じた。
——更に数時間経過
もう日付が変わる少し前だった。…今日は現れないのかも知れない。そんな不安がイングラムに湧き立つ。明日にも仕事が控えているのでこれ以上、待つ事は出来ない状況になっていた。
来るかも判らない輩を勝手に待っている状況なので、その人物が現れない事に対し、何も文句は言えない。ただ、危うい状態にあるアラドをこれ以上放置したくなかったイングラムは焦りを露にした。
「外してしまったか…」
店の方ももう看板の時間だ。…仕方が無いと溜息を吐いたイングラムは煙草を咥えた。この一服の裡に来なければ本当に帰る。そう決意した。
すると…
——ガラガラ
「むっ!」
店の引き戸が開かれる。こんな時間にやってくる来客など、ハガネには珍しい。イングラムはそれが誰なのか、直感的に判った。…待ち人がやっと登場した。
「ちぃ〜っす」
疲労困憊と言った様子でアラドが敷居を跨いで来た。
「来たか、アラド」
「あ…少佐。こんばんわ」
「ああ。…こんな時間まで遊び歩いているのか?感心せんな」
「あはは…まあ、否定はしないっスけどね」
ちょっとだけ棘があるイングラムの言葉にアラドは苦笑した。…やはりその顔には元気が無かった。
「まあ、掛けたらどうだ?」
「そうしますっス」
イングラムが自分の隣の席を指し示すと、アラドは素直にそれに従い、腰を落とした。
「まさか…またお前が来るとは、な」
「ええ…何つーか、雰囲気が気に入ったと言うか…また、少佐に会えるかなって思ったんスわ」
「ふっ…嬉しい事を言ってくれるな」
待った甲斐は確かにあった。アラドの言葉は労いのそれの様にイングラムの心に響き、心を暖かくさせた。
「いらっしゃい。…随分と遅い入店だな」
「あ、どうも」
新たな客の存在に気付いたダイテツが奥から現れた。その手にはおしぼりと通しがあった。それをアラドの目の前に置いて、ダイテツは言う。
「注文は何にする?」
「え?えーと、蕎麦の特盛とカルピ…「冷の銚子を二本。…菊姫を貰おう」
アラドの言葉を遮り、イングラムが注文を取り付ける。ダイテツは一瞬眉を顰めたが、直ぐにそれは元に戻った。
「…判った。暫し待て」
ダイテツがテキパキとご要望の銘柄を用意し始めた。ショーンとは違い、大分融通が利くダイテツはイングラムと同じく不良である事は間違いない。
「少佐?…あの」
イングラムのとった行動が妙に映ったアラドは怪訝な顔をした。
「まあ、付き合え。話がある」
「っ…」
先生は蒼い瞳に憂いを湛えていた。アラドはそれを見て何も言えなくなる。昨日、自分が口走った事についての話だと言うのが何となく判った。
「とりあえず、御一献だ」
「あ、どうもすんません」
アラドの空のぐい飲みに酒を注ぐイングラム。そんな経験をした事が無かったアラドは取り繕う様に言う。…注がれた透明な酒。香り立つ米の甘い香りがとても印象的だった。
「…ふゆうぅぅ」
イングラムが自分のそれを呷った。味を香りを楽しむ様な様に興味を覚えたアラド。年上の男の行動を真似る様に、その液体を口に含む。
「っ…!うわ、濃っ!で、でも甘っ!」
「ふふ…俺には甘過ぎる酒だが、お前にはピッタリだろう」
その初々しい様子が可笑しくて、先生の顔が自然と綻んだ。
「…でも、これはこれで美味いかも。スイスイ飲めるっス」
「だろ?まだまだあるぞ」
一杯と言わず、いっぱい飲め。それが自分の隣に座った時のルールだと先生は言いたかったのかも知れない。
「それで…だ」
「うえ?…っ、何スか」
酒は判らないと言っていたアラドだったが、その味に魅了されたのか、彼は既に二本目のお銚子に突入していた。
…そろそろ頃合だ。酒が回り、思考が鈍っているアラドに本題を切り出す先生。こうなった時の先生は強い。
「辛いか?今のお前を取り巻く日常は」
「・・・」
一瞬にして酔いが醒めた気がした。アラドは渋い顔のまま視線を落とした。
「いや、間違いなく辛いのだろうな。そうでなくては、ここまでお前の表情が翳る事は無いんだろう」
先生のエロい声は女性のみでなく、男性にも効果がある。匂い立つ男の色気に抗えないアラドは自分の心が裸にされかけている事に気付けない。
「アラド。もう遠回しな言い方はしないぞ。今の生活に嫌気が差しているのなら…」
先生がアラドを落としにかかった。頭にある事をストレートにぶつけた。
「俺の部屋に来るか?」
「え」
小さな呟きがアラドの喉を通過した。
「居場所が欲しいならば、俺が用意しよう。自分の部屋に帰りたくないのだろう?」
「それって……?」
「俺の部屋の間取りは空いているのでな。お前一人を匿う位は朝飯前だ。我ながら、妙案だと思うが」
自分の塒に帰って心休まる暇が無いのならば、そこはもう住処としては劣悪な環境だと言える。それに変わるものを用意してやる事。それが先生の出した打開策だった。
「少佐が、俺に…!?ぁ…う、嬉しい申し出ですけど、それはどうして…」
その言葉はアラドの脆くなった心を傾かせた。だが、どうしてイングラムが自分にそこまでの事をしてくれるのか解らないアラドは警戒していた。
「お前は助けを求めていた。俺はその声を聞いた。だから、そうする。それでは不満か?」
「そうじゃないですけど…たったそれだけで、俺を?…俺はそんなに少佐とは親しくないですよ…?」
「未だ何か言葉が欲しいのか?ふむ…」
未だイングラムに心を開ききれないアラド。先生は少し思案する為に新たな煙草を咥えた。
アラドは存外に人見知りする所があるのだろうか。若しそうならば、こう言うタイプを諭すには偽り無い心根が必要だと言う事を先生は経験上知っている。
「それは…お前が好きだから、と言う理由では駄目か?」
「いいっ!!?お、俺は男っスよ!」
ガタッ!言葉の意味を誤解したアラドは跳ねる様に椅子から立ち上がり、退いた。
「自惚れるなたわけ。変な意味じゃない」
「え?ぁ、あー、良かった。…か、考えてみれば当然っスよね」
尻の穴を穿られる己を幻視したのだろうか?アラドは少し青い顔をしていたが、先生が一喝するとやっと落ち着きを取り戻した。
先生はそのアラドの様子を見て、一気に畳み掛けた。
「俺自身、良く考えたのさ。お前の様な若い身空にある者が女程度の障害で堕落するのは何か間違っている。普通ならば毅然とした態度でそれに対処するのだろうが、お前はまだまだ未熟だ。…厭だとは思っても、跳ね除けられないだろう?」
「…はい」
「そうして深みに嵌ってしまえば、もう抜け出る事は叶わない。お前はその一歩手前にある事に…気付いているな?」
「っ」
実に耳が痛いアラドだった。本当に厭ならば拒絶の台詞なり何なりを吐けば良いのに、傷つけたくないと言う想いが内にあるからこそ思い切った態度が取れない。
その優しさがアラドの魅力の一つなのだろうが、その一点でアラドの心は血を流していた。そして、周りはそれに気付けていないのだ。
「愛だの何だの、そんな曖昧な言葉と共に、そいつ等がお前に求めているものは何だ?…結局の所、お前の体、だろ」
「…そうっすね。最近はそればかりの様な気が、します」
「それが解っているなら話は早い。俺から言わせれば、それは愛ではなく、稚拙な独占欲の発露だ。自分を見て欲しいから、捨てられたくないから…お前の心を無視して縛ろうとする。お前はそれが許容出来ない」
「・・・」
女の独占欲ほど恐ろしい物は無い。過ぎたそれは容易く日常を崩壊させ、周囲に無駄な血を流される要因となる。先生は嘗て、その気質を持った白い山猫に翻弄される騎士を見ているのだ。
「そんな売女共にこれ以上お前から何かを搾取させる訳にはいかんし、お前の可能性を潰す真似もさせたくない。…お前より年上ばかりだろう?それに位の分別は持って欲しいものだが、な」
イングラムは翼が折れそうな百舌に、そのボロボロの翼を休める止まり木を用意してやる。決断の時がアラドに訪れた。
「何れは越えなくてはならない壁だ。だが、それに挑むにはお前は若過ぎる。それまでの居場所は俺が作ってやろう」
「それって…逃げてるだけなんじゃ、ないっスか?」
「はっ。…現にお前は逃げ回っているだろう。そうして、内に毒を溜めて、空回りしている。虚勢なぞ、今更張っても無駄だぞ」
「お、俺は…」
差し出されたイングラムの掌。アラドは今直ぐにでもそれに手を伸ばし、縋りたかった。だが、アラドに残る最後の見栄がそれをさせない。
無論、イングラムはそれに気付いている。イングラムは完全にアラドの心を見透かしていた。
「焦る必要は無い。乗り越える事も壊す事も出来ない壁ならば、そう出来る様にお前自身が成長すれば良いだけだ。…後ろを向いても良い。遠回りしたって、立ち止まったって良いんだ。だが、状況に流されるのだけは止めろ」
「っ!!」
耳を塞いでいても聞こえてくる重たい言葉だった。嘘が拭い去られ、自分の弱い心が露呈していく様だった。だが、アラドは不思議とそれを恥とは思わない。…寧ろ曝け出したくなった。
「まあ…どれだけ俺が熱弁を振るった所で、自分を変えるの自分自身でしかありえない。しつこく勧誘するのは、大人のする事ではないな」
「あっ」
最後の仕上げに掛かる先生。此処から先はアラド自身が決める事…と、その差し出した手を引っ込めた。それに疎外感を味わったアラドは見事に先生の施した術中に嵌った。
「後はお前が決めろ。自分の意志で、自分だけの都合で。現状に流されたいと言うなら止めはせん。だが、俺の手を取ると言うのなら…」
嘗てアヤの心を落とした時の様な綺麗な笑顔を向けながら、イングラムは言った。
「お前は俺が守ってやる」
「///」
口説き落とされた気分だった。嫌悪感よりも安堵感が先立つアラド。その答えはもう決まっている。そうなる様にイングラムは駆け引きを行ってきたのだ。
「ごきゅ…ごきゅ…っ、ぶはぁ!」
不覚にも赤面した顔を落ち着かせる為に、銚子の中に残った酒を呷る。そうして、酒臭い息を吐いたアラドはイングラムの手を取った。
——ガシッ!
「お願いします!!!」
「ふっ…」
本日の相談室はこれで閉幕。アラドがイングラムの軍門に下る事によって一件落着した。
「もう…もう、辛いっスわ…!俺…!!」
「良く分かっている。苦労したんだな…」
頼りある上司の擁護を得たアラドは溜めていたものを一気にぶち撒けた。
あやす様に背中を撫でてやるイングラムは今迄に無い様な充足感に包まれていた。
———一週間後 BAR ヒリュウ
そこから先の展開は速かった。自室を半分放棄し、イングラムの部屋に転がり込んだアラドは最初は戸惑っていたが、ほんの数日で元の通りの笑顔を浮かべる様になるまで回復した。
元々、クォヴレーと馬が合うアラドが彼のオリジナルと相性が良いのは自明の理。半ば先生の舎弟と化したアラドは先生と共にヒリュウへと足を運んでいた。
——ザワザワザワ
だが、イングラムの取った英断に何の弊害が持ち上がらない訳は無かった。周囲の客達が好奇の目を青ワカメとぷに少年へと向けていた。
カウンターの隅の定位置で洋酒を飲むイングラム。だが、アラドは落ち着かない様にそわそわしていた。
「何か…視線が痛いっスね」
「捨て置け。余人には解らん苦労がお前にはあったんだ。それに、疚しい事等は何も無いだろう」
…イングラムがアラドを手篭めにした。…その様な噂が今の極東基地全体を揺るがしていた。
考えてみれば納得だ。事情を知らない人間から見れば、女に事欠かないイングラムが可愛いと評判のアラドを自室に逗留させているのだから、この様な噂も生まれるだろう。
普通ならばお咎めの一つも飛んできそうだが、上層部に顔が利くイングラムは適当な理由をでっちあげ、そう言った批難を完全に抑え込んでいた。
しかし、人間全ての口を塞ぐ事は出来ず、今の様な状態に甘んじる事になってしまったのだった。そして、イングラムにはそんな視線や囁き声は効かないのだ。
「うう…さ、寒気がするっス。…風邪でもひいたかなぁ」
そして、アラドが落ち着かないのにはもう一つ訳があった。…離れた位置。BARの中央付近にあるテーブル席から明らかに温度が違う視線が刺さってくるのだ。
「男児たるもの、臆するな。どっしり構えろ。何れは乗り越える壁…または、お前が食い荒らす女達だ」
「く、食い荒らす?」
「そうだ。お前が望むなら、女の落とし方、嬲り方、躾け方に仕込み方。…全て伝授してやろう」
「!」
どさくさに紛れてとんでもない事を言う先生。安息の地を得たアラドは青ワカメによって着実に悪い知識を教え込まれていく。
「か、格好良い…!!」
が、アラドはそんな事はどうでも良かった。
男が惚れる男。背中で語るイングラムの姿に憧れの様な感情を持つアラドだった。
「少佐にぃ…!少佐にアラド盗られちゃったよう…!!ぁ、あたしの男がぁぁああ…!!!」
「あの僅かな間隙を突くなんて…やってくれたわ、あの青ワカメ…!!」
「聞いてないわよ…!少佐が出張ってくるなんて…!」
鳶に油揚げを攫われた気分を味わう女三人。アイビスは爪を齧りながら、自棄酒に没頭。オウカは血涙を流しながら、怨嗟の視線をワカメに送り、ゼオラは現れた護者の強大さに顔を青くしていた。
「…慟哭が聞こえるんスけど」
「アイビスには少し気の毒だが…少し距離を取って、頭を冷やして貰う事にしよう」
「…ですね。俺も女は暫く遠慮したいっス」
「言うじゃないかアラド」
オウカとゼオラに掛ける言葉は先生には無い。良い薬になるだろうと、都合の良い言葉を心の中で吐く。またアイビスには少しだけ悪い事をしたと思い、やっぱり心の中で頭を下げる先生だった。
頼もしい台詞吐いて、テキーラサンライズを飲むアラドにイングラムは顔を綻ばせた。
そして、問題が持ち上がっているのは小娘連中だけではなかった。
———同刻 居酒屋ハガネ
「少佐って、そっちの趣味ってあったんですか?…何か、凄いサプライズなんですけど」
「わ、私が知る訳無いでしょう?……まさか、女より男が良いなんて事は、無いと思う、けど」
「どっちでも良いですよ!…忌々しき事態です。アラドが少佐の近くに居るんじゃあ、今迄みたいに気軽には…」
先生の周りに居る男日照りのアダルツが緊急集会を開いていた。
「くっ…!ククククク…っ!」
これこそが、イングラムがアラドを引っ張り込んだ裏の事情だった。アラドを放って置けなかったのも、買っているのも事実だが、慈善事業だけで動くほどイングラムは善人ではない。
アラドを擁護し、居場所を与える事で、アラドの貞操は守られる。…同時にアラドはイングラムにとっての強力な虫除けとしても機能する。
まさにお互いを助ける一石二鳥の策だったのだ。
「っ!?……?」
イングラムが浮かべる酷薄な笑みに寒いモノを感じたアラドが身を震わせるが、アラドがその真意に気付く事は無かった。
…先生には何れ天罰が下る運命なのかも知れない。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
599 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 04:10:52 Jd5lEIHt
潤いのある生活を貴方に。
モイスチャールームのドアはいつでも開いています。
先生、助手ゲット。
600 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 04:15:08 uomF5+pd
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
先生相変わらずかっけぇよ…
601 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/04(水) 04:17:19 2O3B94vH
カッコいいやら可笑しいやら…
とにかくGJ!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その146
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175437229/l50
447 :毛布の人 :2007/04/03(火) 22:11:32 872GgvIl
いかん、アナウンスを忘れてた
知らないうちにすぱろぐ大戦BBSにSSスレッドができてたので
せっかくだから五人シリーズを一つ書いてみました
お暇な方は読んでね
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/31790/1174560483/2-4
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「よおブリット、もうすぐミーティングが……何暗い顔してんだ」
「ああ、いや……これ見てくれ」
「何だこれ。飴玉、ビスケット、乾パン? 駄菓子ばっかじゃねえか。
抽斗の掃除でもしたのか」
「………」
「あ……わかった。慰問袋でしょ」
「慰問袋?」
「昔の戦争でね、前線の兵士に内地から、お菓子とか、手紙とかを入れて
送ったんだよ。ホワイトスター戦前に、伊豆基地で募集するとか聞いてたけど、
本当にやったんだ」
「ソルジャーズ・コンフォート・バッグというやつだな。聞いたことはあるが、
見たのは初めてだ」
「俺とクスハの所に、一つずつ来たんだよ。これが、何て言うか、もうな……」
「なんか久しぶりだな、このわざとらしい甘さ。赤色一号の味がしそうだ」
「ビスケットも粉っぽいね」
「合成甘味料の塊だな、これは。民間の食糧事情は悪いと聞いていたが……」
「知ってるか? アイスクリーム工場っていま、世界中に一つもないんだと。
全部砲弾を作る工場に改装されちまったんだって」
「……この手紙にな、書いてあるんだ。家のお菓子を半分送りますって」
「……」
「俺達、パイロットだろう。食べ物とか、民間よりずっと優先して回ってくるし、
たまにエルザムさんの御馳走だって食べられるし、柔らかいベッドとエアコンの
ついた部屋もある。給金だって結構もらってるだろ。こんなもの食べてる子が、
俺達に送ってくれると思うとな……」
「…………」
「あ、こらえてるこらえてる」
「クールぶってて意外にこういうの弱えんだよ、ユウって」
「ユウ、お前も読んでくれ、この子の父親ってのがな、元コロニーの……」
「うるさいぞお前ら! 見せるな! 読ませるな!」
「そいや、リョウトのとこに前は毎週小包来てたけど、最近見ねえな」
「うん、姉さん達からだったんだけど、だんだん暮らしも厳しくなってるらしくて。
頼んで止めてもらった」
「レオナもそんなこと言ってたな。まあ確かに、物ってことじゃ今、別に
不自由してないもんな」
「食いはぐれないために軍に入る奴だっているんだからな。まして今の俺達は
事実上地球圏の最精鋭だ。物資も最優先だろう」
「すごくお金かけてもらってるよね。それに見合うこと、できてるのかなあ」
「期待って重いよな……」
「おーい、もうじきミーティングだってよ。何やってんだ、こんなとこでかたまって」
「リュウセイ! お前も食べろ! そして読め!!」
「お、慰問袋か。俺も貰ったよ、重いよなあ、あれ」
「リュウセイも貰ったんだ?」
「L5戦役の時にな。PXで売ってるのよりまずいお菓子とか来たりして、食べるの
辛くてさ」
「そうなんだよ! 俺はなんというか、もうどうしたらいいのか……」
「どうしたらもこうしたらもねえよ、返事を書くんだよ。おいしかった、ありがとう、
虎龍王は絶対に勝つってな。他にどうしようもないだろ」
「……」
「いいか、俺達はスーパーロボット乗りだぜ。スーパーロボットってのはな、
勝つだけじゃ駄目なんだ。どんなにピンチでもこいつがいれば大丈夫っていう、
希望と勇気をくれるのがスーパーロボットなんだよ。俺達がこの子らを励まさ
なかったら、誰がやるんだ」
「「「「……おおーー」」」」
「流石、言うねえー」
「伊達にスーパーロボットマニアではないんだな」
「ちょっと感動しちゃった」
「いや、実はこれライの受け売りなんだ」
「ライディース中尉の!?」
「前の戦争で、俺が初めて慰問袋貰った時も、すげえへこんでさ。ライの奴に
活を入れられたんだよ」
「へー……あの中尉がな」
「意外に、リュウセイに感化されてきてるんじゃない?」
「というか、元々の素質もあると見たね。エルザムさんの弟だぜ、ケレン味が
嫌いなわけがねえ」
「ところで、ミーティングだとか言ってなかったか?」
「あ、そうだ! お前らを呼びにきたんだよ。もう結構集まってるぞ」
「おっし、行くか。気合も入ったし、決戦ムードだぜ。大分グダグダしたこの戦争も
ようやく大詰めだ」
「おう、4クール物でいうとだいたい48話くらいだな」
「どういう意味だ?」
「絶対勝つぞってことだよ。ブリット、返事書いてあげなね」
「ああ。最後の通信船が出るの、1500だったな。久しぶりに墨を摺るか」
「手書きかよ! しかも筆かよ!」
「心を込めた手紙はちゃんとした書き方をするものだ。メールでは伝わらない
こともある」
「……前から思ってたけど、ブリットの日本観って師匠仕込みなんだよな。
ゼンガー少佐も」
「……リシュウ先生って人に相当ズレがある気がするよね。ほんとに
日本人なのかな」
「俺、本物の墨で字を書くところって見たことねえ。見に行っていい?」
「ところで、相手の子は読めるのか? 筆文字」
「あ」
End
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
5 :毛布:2007/04/03(火) 15:08:04 ID:Hw.jGwIM
せっかく立ったのに使われてないのがなんか勿体なかったので書いてみました
6 :名無しのも私だ:2007/04/03(火) 22:14:31 ID:o6bj4/6M
ブリット(ライ?)かっけええええええ
乙
7 :名無しのも私だ:2007/04/03(火) 22:32:04 ID:RGDGnWyU
感想はこちらでOK?
GJ!(ゴッドジョブ)
このシリーズ大好きだ
8 :名無しのも私だ:2007/04/03(火) 22:37:56 ID:mlH87fEY
即保存!GJ.
今回は割とシリアスッスね
9 :名無しのも私だ:2007/04/04(水) 00:04:48 ID:LBOQlv0o
……(´Д⊂ヽ
GJの一言のみ……他に言葉が見つからん……orz
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その146
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175437229/l50
51 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/02(月) 00:43:51 zHgbtkYO
書いてるうちに新スレ立ってやんの。
出遅れ気味の花見ネタ。長いのでこっちで。
レッフィー19歳だったような気がするけど、ま、いっか。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「はあ、なんと言うか…」
「ようやく落ち着きましたね」
大きなため息とともに、テツヤとレフィーナは顔を見合わせた。
形としては「無礼講」である花見とは言え、その言葉を額面どおりに受け取
って実行する人間が嫌と言う程揃っている伊豆基地の面子を前にしては、誰か
しらは状況を把握する・収めるために動いていなくてはならない。それが判っ
ているからこそ、彼らは花見の開催中には手加減してアルコールを口にし、
トラブルに対応出来るように努めていた。
ダイテツのように手馴れた艦長であれば副長にその役目を押し付けてしまう
事も出来るのだが、彼らは自分たちの若さに気を遣って、あえてそれを実行し
ようとはしなかった。もっとも、副長の役割をはっきりと自覚しているショー
ンはテツヤとレフィーナのやり方に律儀に付き合い、散発的なお遊びには参加
したものの、十分に冷静さを保っていた。
その他にも、例えばオクト小隊においてはラッセル、SRXチームにおいて
はアヤがその役割をする羽目になる。他にも厨房を預かるレーツェルや塚は当
然中締め後、会場の撤収がある程度見えるまではフル回転で目が放せない。
と、いう訳で。
「よし、厨房もこんなもんだ」
「実にトロンベ」
という声とともに、別ごしらえのお重を持って塚とレーツェルが戻って来た
のを合図に、会場を切り回す「ホールスタッフ」の仕事をしていた連中が、
再度集まって来る。
テツヤとレフィーナを筆頭に、ショーン、ラッセル、ジョッシュ、アヤ、ト
ウマ、統夜。それにレーツェルと塚が加わる。
それを確かめてから、レフィーナは深く一同に頭を下げ、こう切り出す。
「お疲れさまです、皆さん。本来なら楽しんでいただくべきお花見の会に、大
変なお仕事を押し付けてしまいまして、申し訳ございませんでした。おかげさ
まで無事終える事が出来ました」
その言葉に、統夜が応じる。
「最初はスレイさんもこっち側の筈だったんですけどね…」
それを受けて、トウマとジョッシュがいやに遠くを見つめながらしみじみと
呟いた。
「まあ、結果的にはあの有様だったけどな」
「ツグミさんを引き離し損ねたのが致命的だった」
「開始5分で早くも戦力外ですからね」
苦虫を噛み潰しながらのその言葉とともに、統夜は花見中のスレイの写真を
取り出した。その写真に写されているのは、おもちゃの鼻眼鏡をかけて一升瓶
を抱えながら大股開きでクダを巻き、クスハとリオに「彼氏持ち」という理由
で説教を続けている姿。ついでに、その背後には額に「肉」を書かれたアイビ
スがゲロを吐いており、さらに話の流れを聞いてチャンスとばかりにやって来
たエイタに至っては、サングラス&ふんどし一丁の状態で胸に「ネッシーは
いてる」と書き込まれ獅子舞を持たされた状態で轟沈されている。
「本人には内緒にしときたいのはヤマヤマなんですが」
「どうせ無駄だろうな、みんなの事だから」
その言葉とともに、いつものように深くため息をついた統夜とトウマ。そし
て諦めを通り越して達観の域に達している表情を見せるジョッシュ。
それを苦笑いとともに受け止めたレフィーナは、隣のテツヤに目で合図して、
次の言葉を促す。それにしっかりと頷いてから、テツヤは静かにこう言った。
「それでは、これよりスタッフ慰労会と致します。皆さん、ゆっくりと楽しん
で下さい」
全員が、その言葉に拍手を送る。
塚とレーツェルが、お重を慎重に展開させる。
ローストビーフ。油淋鶏。岩魚と山女魚の塩焼き、南蛮漬け。鯛はロースト
してジェノベーゼをかけたものが一匹分。さらにもう一匹分は炊き込みご飯で
仕上げてお握りを作ってある。キューカンバーも大量に作り上げられ、これに
コールスローサラダとツナを和えた新玉葱のスライスサラダ、グリーンアスパ
ラも添えて。和食党には胡麻豆腐と菜の花の辛し和え、ほうれん草の白和えに
筍の土佐煮と春キャベツの浅漬け。とどめに太巻きはアボカド入りのものと、
トラディショナルな干瓢・厚焼き玉子・桜でんぶで仕上げたものの2種類。
さらにラッセルが大量のビールを持ち出して来た。クラシックラガーの瓶、
ギネスの瓶、コロナの瓶。無論ライムの準備も抜かりない。
その気合いの入りように、一同が思わず頬を緩ませる。
「ま、苦労の報酬って事で」
「皆に出したものより、ちょっと食材のグレードが上だったり、料理にも手が
込んでいたりするが、そこは内緒でな」
レーツェルがそう言ったのに、真顔でアヤがこう応じる。
「あ、でも…少しぐらいは、マイに持って帰ってあげてもいいですか?」
その様子を見て、レフィーナが半ば噴き出しながらこう言ってみせる。
「お姉ちゃんは心配性で苦労性、ですね」
アヤはその言葉に、ほんの少しの苦笑いと真剣に妹を思いやっての笑顔を混
ぜ合わせた、いかにもアヤらしい表情で応じて見せた。その絶妙のブレンドを
目を細めながら見つめていたショーンが、今度は口を開く。
「さて…ブレンダーの腕で個性をまとめて美味くなる酒もありますが、今日は
ブレンドで味を出すために苦労している人たちの集まりだ。野暮は止めましょう」
そう言いながら取り出したのがは、当然マッカランのシェリーオーク。だた
しいつもの10年ではなく18年。
「本来は25年物で行きたい所ですが、まあそれはもっと御目出度い席での事
にしましょう」
さりげなくレフィーナの方を見ながら、ショーンが呟いた。それの意味する
所を悟って、テツヤがわざとらしい咳払いを2度繰り返し、レフィーナが頬を
染めて俯く。
いい加減どうにかしろ、あんたら。
誰もがそう言いたいのは山々なのだが、そこまで言うのはおせっかいを通り
越して野暮と言うものである。だからこそ、一同はそれ以上幼稚園児カップル
をいじるのを止め、思い思いに杯を満たし始める。
そして最後に、レフィーナとテツヤがそれぞれの杯にビールを満たそうとし
たその時、である。
「おおっと」
「どうしました、ショーン副長」
「先ほど、宅配便で艦長宛てにお荷物が届いておりました。艦長はそちらをお
飲み下さい」
「わかった」
その言葉を受けて、ショーンが取り出した一升瓶のラベルを、テツヤは声に
出して読み上げる。
「振袖・大吟醸…5年古酒!?」
「ちなみにお荷物の差出人は、ダイテツ・ミナセとなっております」
「!?」
「いるのですよ。保存に適した環境で酒を預かり、程よく熟成した後にご本人
にお返しするという粋なことをする人達がね」
そう言いながら、ショーンは酒に添えられていた手紙をテツヤに手渡す。
『テツヤ=オノデラ殿
君がこの手紙を見ているという事は、残念ながらワシは既にこの世の者では
無いという事になる。だがそれも天命。何ひとつ恥じる所はない。
この酒は、君が立派な艦長として成長した頃に酌み交わそうと思い、上陸の
際に預けておいた物だ。是非とも、君にその味を確かめて欲しい。
日本酒にも、古酒というものは存在する。冷やおろしの酒が美味いのと同じ
道理で、適切な保存状態で熟成された日本酒の味わいは、新酒のそれとはまた
違う深い味わいがある。ワシと君が出会ってから5年、その年月の意味を噛み
締めながら、信頼できる仲間と、心ゆくまで味わって欲しい。
ダイテツ=ミナセ』
テツヤは目頭を押さえながら、その手紙を読み終えた。
そして、静かに言った。
「レフィーナ艦長、一緒に飲みましょう」
「はい」
わずかに琥珀色がかった液体。吟醸香と熟成香の交じり合った、5年という
月日が醸した華やかで、穏やかで、貴重な香り。それを胸いっぱいに吸い込み
ながら、テツヤは皆に向けて声を張り上げた。
「皆さんお疲れ様でした。乾杯!」
「乾杯!」
心づくしの料理。良い酒。気の置けない仲間。それが在ればなんの憂いがあ
ろうか。
だからこそ、テツヤはさらにもう一言継ぎ足した。
「トウマくん、統夜くん、ジョシュア君」
「はい」
「何か、まだ準備するものがありますか?」
「でしたら今すぐ…」
「君たちも、少しこれを嘗めなさい」
「はい!?」
「えーと、オレ達はまだしも、統夜はまだ高校生…」
「だから、『嘗めなさい』なんだ」
その意図を悟り、ショーンが言葉を続ける。
「なに、本当に美味い酒の味を覚えておくのは、決して悪い事ではありません
よ。皆で騒いで楽しんで、それが優先で味は二の次という飲み方も確かにあり
ます。しかしそれは、酒に対して失礼だ。本当の仲間と美味い酒を美味く飲む
事は、一生の愉しみだよ。それを早く覚えるために、舌に美味い酒の味を覚え
させなさい」
その言葉に、間違いなく今この瞬間、世界一美味い酒を飲んでいるテツヤが
深く頷く。その横顔を、レフィーナが嬉しそうに見つめる。レーツェルと塚、
そしてアヤとラッセルも手元の酒精を噛み締めるように味わい、静かに笑って
いる。だが矢面に立っているトウマと統夜は、今ひとつショーンの言葉の意味
がわかっていないような顔をしている。それも当然か、と顔に書きながら、シ
ョーンは静かに微笑んで、こう言った。
「今は判らないかもしれませんね…それはそれでいいのです。5年後、10年
後、今の言葉の意味を噛み締めてくれれば。そして、今この瞬間を思い出して
くれれば」
「…はあ」
「さあ」
お猪口の底に、ほんのわずかだけダイテツの形見を注ぎ、テツヤはそれを3
人の若者へ手渡した。ダイテツがテツヤに繋いだ「もの」の意味を、いつかこ
の3人が、いや自分の後に続く者たちが気づき、そして受け取ってくれる日の
事を信じて。
「美味いです」
「複雑で、濃厚で、その癖華やかで」
「これが、酒?」
「その通り。これが、本当の酒だよ」
テツヤはそう告げると、自らの杯を桜の木に向けて掲げ、そして静かに飲み
干した。
後日、3人の若者はダイテツが酒を預けた場所を突き止め、そこでそれぞれ
一本の酒を購入し、10年後を指定して未来へとそれを託したという。それを
酌み交わす相手が誰になるのかは、本人たちすら知る由もない。
ただ、その酒を美味く飲める仲間が周りにいてくれるような生き方をしよう。
彼らは、そう考えていた。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
56 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/02(月) 01:10:10 t0yl9rS7
>>51
GJ!!GJ!!GJ!!
感動した!!ダイテツ艦長カッコイイよ。味な事してくれたよ!!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その145
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1175181209/l50
742 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/01(日) 11:09:58 BVEESTSD
予想GUYのCMをみて、むらむらと書きたくなった。
わんこと方言が書ければどうでも良かった。今は反省している。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
ダルメシアン「わんわん」
スピッツ 「わん」
スピッツ 「わん」
ビーグル 「…くぅーん…」
豆柴 「(無言で耳を下げている)」
黒柴 「(いやに遠くを見つめている)」
レトリバー 「(尻尾を振ってる)」
コーギー 「わんわん! わん!」
カーラ「何この井戸端会議」
ユウキ「そもそも何処から沸いた、この犬たちは」
カーラ「あたしに聞かれてもなぁ…」
リオ 「大変大変大変——!!」
鰤 「えらいこっちゃ—!!」
ユウキ「?」
リオ 「リョウト君が居なくなっちゃったの—!!」
鰤 「クスハもだ—!!」
カーラ「はい—!?」
黒柴 「わん!(鰤に駆け寄る)」
鰤 「え? クスハ? クスハなのか?」
黒柴 「わん!」
ユウキ「(頭痛)なんだ、あれか? じゃあこの犬会議は」
カーラ「みんな誰かが変身させられた姿な訳?」
リオ 「リョウト君もこの中に居るのね」
タスク「待て。原因は何だ?」
(粉砕バットを手にした助手登場)
助手 「すまん、またうちのバカ親父が迷惑をかけた」
一同 「(ああやっぱり…)」
助手 「ラキにバカ親父を拘束してもらったから、今から尋問をかけてくる。
もうちょっと我慢してくれ、皆」
ユウキ「すいません、よろしくお願いします」
ユウキ 「というあらましだ」
ツグミ 「なるほどね」
ゼオラ 「で、この人選の理由は?」
カーラ 「ツレが犬系」
統夜 「道理で今朝は静かだと思った…」
カティア「orz(何も出来なかった事を死ぬほど後悔中)」
ゼオラ 「まあ、なんとなくわかるような気もしますけど」
統夜 「とりあえず、誰が誰か識別しないとな」
ツグミ 「うん、このコがアイビスね(自信満々に豆柴を抱き上げる)」
ダルメシアン「わんわん! わん!」
ツグミ 「で、このコはスレイ」
カーラ 「ナイス芋づる!」
ダルメシアン「わんわんわん! わんわんわん!」
セレーナ「やがますこのバガ犬!(リードをダルメシアンの口に巻きつける)」
ダルメシアン「もふ!? もふ!?」
セレーナ「いいが、まだ意味もねぐ吠えだらやっぞ!」
ダルメシアン「……」
セレーナ「良っす!(巻きつけたリードをほどく)」
ゼオラ 「わ、セレーナさん凄い」
セレーナ「あれだがえ、犬さナメられっからや、こういう時はちゃんとやっど
がねえと目に遭うでば」
統夜 「(何を言ってるのかほとんどわから—ん!)」
カティア「(すごい訛りっぷりだけど、とにかく自信まんまんだわ…)」
ツグミ 「とりあえず、この2匹は部屋に連れてくわね」
セレーナ「ほら、こっつぁ来? こっつぁ来? こーれ!」
ダルメシアン「(渋々セレーナについて行く)」
ゼオラ「じゃあ、次は…(ごはんを取り出す)」
コーギー&スピッツ2匹
「(猛ダッシュでご飯に突撃)」
統夜 「あ、じゃあコーギーがテニアか! テニア! テニア!」
コーギー「(ご飯まっしぐら。無視)」
ゼオラ 「こら! まだ!」
コーギー「(渋々お座り&よだれ)」
カティア「この意地汚さは絶対テニアね…(頭痛)」
ゼオラ 「スピッツはアラドとイングで間違いなさそうね」
コーギー&スピッツ2匹
「(お座り&尻尾全開&よだれ)」
ゼオラ 「よし!」
コーギー&スピッツ2匹
「(一心不乱にご飯に熱中)」
カティア「…となると、まだメルアがあの中に居るはずよね?」
統夜 「テニアがご飯に釣られたって事は…これならどうかな?(犬クッキーを
取り出す)」
レトリバー&ビーグル
「(統夜に駆け寄る)」
レトリバー「(お座りして統夜の目をじっと見る)」
ビーグル「(統夜の周りでジャンプを繰り返し、なんとかクッキーを取り返そうと
している)」
統夜 「…えーと」
カティア「たぶん、レトリバーの方がメルアだと思うわ」
レトリバー「わん」
カティア「ほら」
統夜 「ふう、どうやらこれでひと段落…」
リオ 「ちょっと待った」
一同 「?」
リオ 「じゃあ、このビーグルは?」
統夜 「え? だから、ヒカワさんでしょ?」
リオ 「あのさ…このコ、女の子なんだけど」
一同 「えっ!?」
助手 「よし終わった(『瓦工』と胸に書いた野球のユニフォーム+粉砕バット)」
カーラ 「わー殺る気まんまんー」
助手 「親父が言うには、今回のこれはエイプリールフール特別企画だそうだ」
ユウキ 「つまり?」
助手 「4月1日の午前中一杯で元に戻るらしいが、それまではこのまま」
統夜 「えーと、だとすると、間違ってヒカワさんを連れて行ったのは…」
ツグミ 「セレーナー、アイビス昨夜お風呂入らなかったみたいだから、お風
呂入れてあげて」
セレーナ「んだなっす」
豆柴 「(耳も尻尾も寝かせて小刻みに震えてる)」
セレーナ「ほら、こっつぁ来?」
豆柴 「(踏ん張って動こうとしない)」
セレーナ「こーれ!(力づくで首輪を引っ張る)」
豆柴 「(渋々ついて行く)」
セレーナ「(ノーブラ&Tシャツ一枚)暴れんでねえぞー」
豆柴 「(最早逆らう気力もない)」
セレーナ「よし、ほんでば今度は腹の方も洗うべえか」
豆柴 「(びくっとする)」
セレーナ「でーじょぶだぁ、痛ぐねえがらや」
飼い主一同
「(バスルームの外から)セレーナさん今すぐ中止——!!」
セレーナ「はぁ?」
(只今から 4月1日 12時をお知らせ致します。ぴっ・ぴっ・ぴっ・ぽーん!)
リョウト「(涙目)」
セレーナ「…はい?」
(リョウトの背後から、セレーナが泡まみれで抱きついて下半身に手を伸ばし
ている体制)
リョウト「うわ——ん!! ひどいや姉さ——ん!!(号泣&脱兎)」
一同 「トラウマ爆発しちゃった——!!」
アイビス(元ビーグル犬)
「ところで、ツグミが私を間違えたのは…」
ツグミ 「もちろんわざと」
スレイ 「だからあれほど言ったのに…orz」
セレーナ「しょすくて(恥ずかしくて)死ぬ…orz」
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
755 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/04/01(日) 11:50:14 tvqSn689
>>742
すこし遅くなったが、GJ!
だが、カティアも犬属性だと思ったんだが。
「喫茶TIME DIVERのある1日」
その店は、最近流行の喫茶店。元気が取り得のウエイトレス、無口だけど優しいウエイター、天然クールの新人ウエイトレス、早帰りだけど料理上手なアルバイター
そして、ちょっとミステリアスなTIME DIVER店長とその背後霊の笑いと恋とちょっとH?なこれはそんな物語。
喫茶TIME DIVER。極東支部伊豆基地の近くの商店街に最近新しく出来た店である。外には数が少ないがテラス席があり、中に入れば温もりのある
木で出来た店内が心を落ち着かせる。また、料理も絶品であり、ちょうど今のような昼時には客足が途絶えない。
「いらっしゃいませ〜♪」
店内にに元気な声が響く。出迎えるのは青いストレートロングヘアーの美少女。彼女の名前ははムジカ・ファーエデン。この喫茶店のウエイトレスであり
喫茶店唯一のツッコミ役でもある。事実、彼女がいなければこの喫茶店はボケだらけになってしまい、営業をするどころではなくなってしまう。
彼女がこの喫茶店の生命線なのである。
「ご注文は?」
「え、え〜と・・・・オムライスを大盛り・・いや、TIME DIVER盛りで!!」
「オムライスをTIME DIVER盛りですね?かしこまりました。注文はいりま〜す♪」
彼女は元気が取り得であり、その愛らしさは近所でも評判である。事実、この店に来る男性客は彼女の愛らしさにノックアウトされ、決まって料理を
この店独自であるTIME DIVER盛りにしてしまう。
TIME DIVER盛り。一見すれば店の名前がついた盛りだがその量がハンパではなく、今までに食べ切れたのは二人の少年と一人の少女だけだという。
「ハヤシライスのTIME DIVER盛り、2人前上がったぞ!!」
厨房で料理を作るのは茶髪の青年。名前はトウマ・カノウ。彼は正式なこの店の店員では無いのだが、店長と顔なじみのため新しいバイトが入るまでの間手伝っている。
「あ、は〜い。」
ムジカが厨房前のカウンターへ行き、料理を受け取る。だが、TIME DIVER盛りの重さが堪えているようで、足元がふら付いている。
「お、重いよ〜・・・・きゃぁっ!!」
イスに足を取られ、転倒するムジカ。TIME DIVER盛りのハヤシライスは宙を舞い、奇跡的に注文したお客様の元へ。
そして、地面とムジカの顔が激突するする少し前でムジカを支える手が。ムジカが顔を上げると、そこには赤い髪の青年が。

「あ、フォルカさん・・・・・」
「ムジカ、怪我はないか?」
「え、ううん。ボクは大丈夫だけど・・・あっ!!料理は!?」
「料理なら見事客の所へ届いたぞ。」
少し口調はぶっきらぼうだが、端々に優しさが見える。彼の名はフォルカ・アルバーク。元々は修羅界という別世界にいたが、今はこの店のウエイターだ。
「よかった〜。お皿割っちゃったら店長に怒られる所だったよ・・・・・」
「ムジカは注文を取っててくれ。料理は俺が運ぶ。」
「うん。分かったよ。」
そう言うと注文を取りに走るムジカ。フォルカはカウンターへ行き、用意された料理全てをを絶妙のバランスで持ち、運んでいく。
「紅茶と苺のショートケーキだ。ごゆっくり。」
「あ、どうもです・・・・・」
彼は基本的に無口だが先程のように垣間見える優しさが評判であり、女性客に人気である。もっとも、彼自身そこの事には気付いていないようであるが。
午後2時。この店で唯一客足が途絶える時間・・・・そう、小休止時間である。その頃合いを見計らったのか、奥から緑色の髪の美女と、銀髪の青年が出てきた。
「あ、店長と背後霊さん。それにフーさんもどうしたの?それに、フーさんのその服って・・・」
「ムジカ、フォルカ、それからトウマ。紹介するからこっちに並んでくれ。」
てきぱきと指示を出す店長。それに習い、ムジカ、フォルカ、トウマが横に並ぶ。
「まあ、分かるとは思うが一応紹介する。今日からこの店で働く事になったフー=ルー・ムールーだ。」
「フー=ルー・ムールーです。よろしくお願いします。」
自己紹介にもあった通り、緑色の女性の名前はフー=ルー・ムールー。元々は月のフューリーの女騎士だったが現在は地球で暮らしており、
今現在新しく入ったウエイトレスである。そして銀髪の青年の名前はクォヴレー・ゴードン。この喫茶店の店長であり、2代目TIME DIVERでもある。
その後ろ、うっすらと見えるのは初代TIME DIVERであり、この喫茶店の副店長の背後霊ことイングラム・プリスケンである。彼は割と自由にもとの体に戻れるらしいが
現在は背後霊状態であり、時々店長に取り憑く。
「これからはフーにもウエイトレスをやってもらう。ムジカ、色々と教えてやってくれ。」
「分かりました〜。あ、フーさん、コーヒーの注文受けても絶対に脱いじゃダメだからね?」
フーに釘を刺すムジカ。果たして、効果はあるのだろうか・・・・・・
午後3時。小休止が終わり、開店時間となった。入り口のドアには「新人が入りました」との貼紙が。
新人に惹かれたのか。男性客が大勢入ってくる。フーが脱ぎそうなので気が気でないムジカ。そのフーは注文を取っている最中だった。
「ご注文は?」
「店長のオススメセットを1つ。」
「またオススメセット?本当に賭け好きなんだから・・・・・私は紅茶とティラミスで。」
「中尉の賭け好きは筋金入りですから、あ。自分はブレンドコーヒーを1つ。」
「かしこまりました。」
奥へ行き、料理を待つフー。数分後、出てきた彼女はやはり脱衣姿だった。
「お待たせしました。オススメセットと紅茶とティラミスとブレンドコーヒーです。」
「あ、どうも・・・・くぁwせdrftgyふじこぉlp;—っ!!??」
鼻血を大噴出し、倒れる金髪の青年。慌てて同席していた二人が駆け寄る。
「ブリット、しっかりしろ!!」
「わぉ!!新しいサービス?今度試してみようかしら・・・・」
「わーーーーーー!!フーさん何やってるの!?」
慌ててフーを店の奥に連れて行くムジカ。戻ってきたフーはちゃんと服を着て・・・もとい、着せられていた。
「もぅ、フーさん。コーヒーの注文が入っても脱いじゃダメだよ・・・さっきのお客さん・・・ブリットさんだったけど大丈夫かな?」
「かなりの出血多量だったが・・・大丈夫だろう。」
「フォルカさん、いつの間にボクの隣に!?でも、大丈夫ならいいかな・・・・?」
さすが修羅。気配を消して近づくなどは日常茶飯事・・・いや、朝飯前である。
「それより注文だ。ブレンドコーヒー2つとモカ3つ。それにカプチーノが2つだ。」
「うわ、全部コーヒーだよ・・・ってフーさんまた脱ごうとしてる!!」
今度は被害が出る前に止めれたムジカ。脱ごうとしていたフーを止め、服を着させる。
「もう、コーヒーの注文受ける度、脱ごうとするんだもん・・・・ダメだよ、フーさん。」
「ダメなのですか?」
「ダメな物はダメです!!店長〜何か一言言ってやってくださ・・・」

「ムジカ、ブレンドコーヒーの準備が出来たぞ」(褌姿)
「モカとカプチーノはもうすぐだ」(脱ぎかけ)
何と、フーではなくフォルカと店長の久保が脱いでいた。しかもフォルカはほぼ全裸だった。
それを見たムジカは前のめりで両手を高く上げ、片足を上げ、「ズデデデデデデデッ」という音を立ててコケるという昔懐かしギャグマンガのコケ方でコケていた。
「店長とフォルカさん何やってるのーーーーーー!?(ガビーン」
「いや、試しに全裸でやってみようかよ思ってな・・・・」
「いやいやいやいやいや、おかしいって、普通試しで褌姿にならないって!!店長も何で脱いでいるんですか!!」
「背後霊に一度やってみろと言われた。これがコーヒーを入れる時の礼儀なんだろ?」
「そんな礼儀はありませんって!!副店長も変な事吹き込まないでください!!」
怒涛のツッコミを入れるムジカ。このままではハリセンが出てきてもおかしくは無い。
「そうか・・・・ならムジカ。お前が脱いでみたらどうだ?」
背後霊の目が怪しく光る。そして一瞬顔が青くなった後、真っ赤になるムジカ。
「副店長!!変な事言わないでください!!ボクが何で脱がなきゃならないんですか!!」
「副店長、それはいいアイディアですわね。」
賛同するフー。状況はムジカが不利である。
「だから、ボクは脱ぎたくないんです!!それに、コーヒーは脱いで淹れません!!」
「ムジカ、何故脱衣の嫌うのですか?」
「だ、だってその・・・恥ずかしいし・・・・それにボク・・・ゴニョゴニョゴニョ(フーさん程スタイルよくないし)・・・・」
顔を真っ赤にし、反論するムジカ。だが、最後の方は小声で何を言っているのかは誰にも聞き取れなかった。
「ムジカ、嫌う理由はどうあれ、副店長の命令ですから、きちんと守らないといけませんわ。」
「命令でも脱ぎたくはないです!!」
「そうか、ならば俺がが脱がしてやろう。」
ムジカが振り向くと、髪の色が青くなった店長が。そう、背後霊に憑かれた状態である・・・・
「ぬ、脱がされるぐらいなら自分で脱ぎますって!!」
「ムジカ、言ったな・・・・?」
店長の顔が黒い笑顔になる。その途端、ムジカは自分が自爆した事を知った。
「い、言っちゃった・・・・・・ボクのバカァ〜!!」
「ムジカ、言ったからには脱いでもらうぞ?」
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
目に大粒の涙を溜め、羞恥心に押しつぶされそうになりながらも服を脱いでいくムジカ。
服と大粒の涙が下に落ちそうになり、下着姿が露になりそうになったその瞬間、ムジカの上に服が被せられた。
彼女の上に被せられたのはウエイターの制服の上着。その服の主の名前を呼びながら主の方を向くムジカ。
「フォルカさん・・・・・」
「・・・・・脱衣をするのは俺とフーだけで十分だ。お前が脱ぐ事は無い。」
「・・・・ありが・・とう・・・」
素っ気無いが、優しさのたくさん詰まった言葉だった。思わず涙が出てくるムジカ。
「副店長、だそうですわ?」
「むう、仕方が無い・・・・断念しよう。(せっかく面白い物が見れると思ったのだが・・・まあこれはこれで・・・)」
ムジカの脱衣を断念し、店長の体から抜け出す背後霊。その途端、背後から鋭い言葉が。
「背後霊、貴様・・・・・」
そこにいたのは禍々しきオーラを纏った店長。背後霊は自分の身の危険を察知して逃げ出そうとするが、青ワカメヘアーを捕まれる。
「むおぅ!?し、知っていたのか久保よ!!」
「話はすべて中で聞かせてもらっていた。ちょっとこっちへ来い。無限光で消し飛ばしてやる・・・・」
ズルズルと音が立ちそうな引き摺り方をしながら奥へ消えていく店長と青ざめた顔の副店長。
店内では、制服を着て涙を拭き、いつもの笑顔が戻ったムジカと、そんな彼女を気遣いながらもクールに振舞うフォルカ、そして懲りずに脱衣コーヒーをするフーの姿が。
そして店の奥からは背後霊の微かな悲鳴と店長の怒りのオーラが。
ここは喫茶TIME DIVER。いつもドタバタしているが、不思議と通いたくなる店である・・・・・
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その140
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1173683616/l50
413 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/13(火) 20:55:30 QlGCZA8U
ハガネ・調理場
統夜「……これでいくつ目だろう…正直数える気も失せる…。」
トウマ「…すげー、クッキーの山…なんてレベルじゃねえなこりゃ。」
統夜「あの三人のほかにもシャナ姫やフーさんにスレイさん、
それだけならまだしも月の女性従士からドッサリ贈られて来たから…。」
トウマ「誰かに手伝ってもらうとか考えなかったのかよ…俺ならもう作り終わってるから手伝ってやれるのに…。」
統夜「それじゃあ意味がないんですよ…
貰った物には心を込めて返さなきゃならない、そしてそれは自分の手でやるからこそ意味があるんじゃないんですか?」
トウマ「……そこまで言うならもう何も言えないな…珈琲、ここに置いとくからよ。飲んで頑張れ。」
統夜「ありがとう。」
まぁ、もっと大変な奴も居るんだろうがな。
497 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/14(水) 00:16:01 R8Kv+z9p
>>413
統夜「ぜ…全部…何とか…ラッピングまで…終わった…ぞ…。」バタリ
そう言い放つと統夜はガクリと調理場の椅子に身を横たえた。
その周りにはきちんと包装されたクッキーの袋がざっと300ほど並んでいた。
統夜は眠った。ただひたすら、泥の様に眠った。
ここで力尽きた
498 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/14(水) 00:24:06 g+6f2CsS
>>497
???「しかし…美味いなぁホンマ」
ぼりぼり
???「うむ、クッキーなど子供の食い物と馬鹿にしていたが…」
ばりばり
???「ほれ、コーヒーをいれて来たぞ」
ギアッチョギアッチョ
統夜「な…何食ってるだぁ〜!!って、最後のなんだぁ!!!」
501 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/14(水) 00:34:43 +qYyzB3K
>>497
すごい数貰ってんのなwwww
なんか統夜クラスの女子とか後輩とかからも貰ってそうだ
535 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/14(水) 13:08:04 GGbUy/ul
>>497を勝手に続けてみた。
———誰かに頭を撫でられている。
そんな感覚を覚えて目が覚める。調理場の椅子で寝ていた筈が何故かここは割り当てられた自室。
そして眼前には良く見知った顔が優しげに微笑んで、目が覚めたかどうか聞いてくる。
曖昧に肯定の返事を返し、時計に目をやるともう昼を過ぎている。不味い、これではお返しを返しきれない。
慌てて身を起こそうとすると額を押されて逆戻り。そこで気付いたが自分は彼女に膝枕されていたらしい。
どうした事かと聞けば、どうやら他の皆でお返しを配りにいってくれたそうだ。
流石に300人近い相手が居ると言う事情を話せば向こうも納得してくれる筈と注釈も付けて。
有り難い様な、お返しを渡す相手に申し訳ない様な気にもなりつつ
朝方調理場の椅子で眠りこけている所を発見され、自室に牽引された身としてはぐぅの音も出ない。
苦し紛れにじゃあ何で膝枕?と聞いたら嫌かと逆に聞き返され、白旗を揚げるしか選択肢はなかった。
実際はじゃんけんで勝った彼女が自分の面倒を見ていたとの事。膝枕に関しては役得だとか。
悪かった、と申し訳なくなり謝ると、私にはこの膝枕で十分過ぎるお返しだったから、
他の皆には自分で渡してあげて欲しい。そう言って笑う彼女の笑顔が何故か胸を締め付けた。
だから、だろうか。
今日になってから最後に、二人きりの時を見計らって渡そうと。
後生大事にしまい込んでいた銀の指輪の隠し場所を彼女に教えた。教えて、しまった。
ソファーから立ち上がり、訝しみながらその包みを取り出して
開けても良いかどうか聞いてくる彼女に肯定の返事を返す。
かさかさ、と包み紙が擦れる音が一時部屋を支配した後に、彼女の顔に浮かんだのは驚愕の表情。
そこですかさず俺はこう言ってやった。
「その内、もっと良いヤツを贈るから。
………それまで左手の薬指。それで予約させて貰って良いかな」
一瞬、惚けた様にぽかん、と口を開けていた彼女が次の瞬間浮かべたのは
余りに素敵で、そんなちっぽけな指輪で見せて貰うには勿体無さ過ぎるような
———そんな、花咲く様な笑みだった。
果たして統夜の相手が誰だったかどうかは皆の妄想に任せたい次第であるが、
あえてJ三人娘の中から黒髪のお姉ちゃんキャラVerを読みたい方は以下のURLへ進んで頂きたい次第。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
———誰かに頭を撫でられている。
そんな感覚を覚えて目が覚める。調理場の椅子で寝ていた筈が何故かここは割り当てられた自室。
そして眼前には良く見知った顔が、自分の大事な人が、カティアが、優しげに微笑んでいた。
「お目覚めですか?」
「………あー、うん」
曖昧に肯定の返事を返し、時計に目をやるともう昼を過ぎている。不味い、これではお返しを返しきれない。
「大丈夫、まだ休んでいても大丈夫ですよ」
慌てて身を起こそうとすると額を押されて逆戻り。そこで気付いたが自分は彼女に膝枕されていたらしい。
「大丈夫、って………」
「朝、調理班の方が椅子で寝てる統夜を見つけてくれたんです。
それからトウマさんに部屋まで運んで貰ったの。今、皆で代わりにお返しを配りに行ってくれてます。
………流石に相手の数も数ですし、事情を話せば判って貰える筈、ですよ」
それを聞いて有り難い様な、お返しを渡す相手に申し訳ない様な気にもなりつつ
朝方調理場の椅子で眠りこけている所を発見され、自室に牽引された身としてはぐぅの音も出ない。
「助かるよ………あー、所でさ」
「はい?」
何とも間が悪くなり、せめてもの苦し紛れの問いを投げかける。
「何で、膝枕?」
「嫌でした?」
「………ごめん、降参」
投げかけるも、即座に切り替えされて降伏の白旗を掲げる羽目に。
「ふふ、素直で宜しい………本当は皆に面倒を見ててって言われたから。膝枕は役得ですね」
「そっか。ごめん、重かっただろう?」
「全然。好きでやってる事だから気にしないで。
それにこれで私には十分なお返しになったから………せめて、テニアとメルアには自分でお返し、渡してあげて下さいね?」
自分はこんな事で十分だと。だから親友達の事も気にかけて欲しいと。
そう言って笑う彼女、それが酷く胸を締め付けた。
だから、だろうか。
今日になってから最後に、二人きりの時を見計らって渡そうと。
後生大事にしまい込んでいた銀の指輪の隠し場所を彼女に教えた。教えて、しまった。
「机の引き出し………これかしら、開けても良いんですか?」
「うん」
ソファーから立ち上がり、訝しみながらその包みを取り出して
開けても良いかどうか聞いてくる彼女に肯定の返事を返す。
「ぁ………」
かさかさ、と包み紙が擦れる音が一時部屋を支配した後に、彼女の顔に浮かんだのは驚愕の表情。
そこですかさず俺はこう言ってやった。
「その内、もっと良いヤツを贈るから。
………それまで左手の薬指。それで予約させて貰って良いかな」
それを聞いて一瞬、惚けた様にぽかん、と口を開けていた彼女が次の瞬間浮かべたのは
余りに素敵で、そんなちっぽけな指輪で見せて貰うには勿体無さ過ぎるような
「はい!………待ってますからね、統夜」
———そんな、花咲く様な笑みだった。
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その139
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1173374026/l50
956 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 15:59:48 vakzUvr3
その日のブリーフィングルームは、ピリピリとしていた。
ホワイトデーが近づいているのに欠片ほどのアプローチもしてこないタスクに
レオナが少々怒りを覚えていた中よせばいいのにタスクが下世話な軽口を叩いてしまい、
それにカチーナ・ラッセルがレオナをATX隊(分の悪い賭け)がタスクを擁護して。
結果今に至る。
現在オクト小隊預かりの異人・ムジカ=ファーエデンとフォルカ=アルバーグが少し遅れてブリーフィングルームに来たとき、修羅ですら畏怖するほどの、恐ろしい緊張感がその場を支配していた。
「い、一体何があったの!?」
状況をカチーナから聞いてムジカは大体納得。内心嘆息。
(また面倒くさくなった……)
と思ったりもしたのだがさすがにそれは言わない。しかし、なんというか、その……、この雰囲気は、凄く怖い。
ムジカは半泣きになりつつも互いにそっぽを向いている
(襟をつかまれてカチーナに何故かぶっ飛ばされる寸前のラッセルがいるが)
皆に向かって
「せっかく皆仲間なのに、なんだか悪い空気になってて、それで、カチーナ中尉が熊も殺せそうなキラーパンチをラッセルさんに叩き込もうとして………!!」
後で、基地裏に来いな?というカチーナ中尉の声が聞こえた気もしたがそれを無視してムジカは息を吸い込み
「こ、こういう雰囲気って、よ、………良くないと思うんですにょ!」
盛大に末尾を噛んだ。
言ってから、ムジカは頭を抱えてしゃがみこむ。
(しまった〜!地雷踏んだ〜!!)
無言でこちらを見ている小隊の面々を見直しながら再度考える。
……この人達の前で弱みを見せるなんて。
弱みを見せたら常識の範囲外の世界からの攻撃を仕掛けられる。
それがクロガネ・ハガネ・ヒリュウ改に関わった部隊の中では暗黙の了解らしく、
ムジカは集まりの際にパシらさられてるタスクとかアラドは何か弱みを握られてるのだろう、と考えている。
大丈夫だろうか。一番年下ということで見逃してはくれないだろうか。
「え、ええと、あの、だ、大体タスクさんも昨日購買でアクセサリの注文が届くように頼んでたじゃない
『あ、ムジカ、テメェッ!!』かぁぁぁぁぁぁぁぁ!タスクさんの浪漫の騎士ぃぃ!」
しばし皆沈黙。
ややあってからタスクが
「確かに俺がレオナに一言言っときゃ問題の無かったことだったよな、うん………」
深く頷く彼を見て、ムジカはホッとする。大丈夫そうだなぁ、と。
タスクは真剣な顔でレオナを見る。
「レオナちゃん、ムジカの言うとおりだ。俺が悪かったっ!だからさ、ピリピリした空気はもう止めにしないかにょ?」
しまった、とムジカが思う視線の先、カチーナが頷き、
「確かにそうかもしれねえなあ。少し、ピリピリしてたよなぁ、あたし達。違うかにょ?」
「ははは、さすがカチーナ中尉。話が分かってくれたようで何よりだにょ」
「いやはや、ムジカのおかげですにょこれは。いい感じで話がまとまりつつあるにょ」
無言になったムジカをみて、レオナが慌てて声を掛ける。困り顔で、
「エ、エクセレン少尉もカチーナ中尉・それにタスクも!そんな風に語尾を変換したらムジカが可愛そうよ!!
ムジカだってまだこの世界に慣れてない状態で言語が哀れな状態なんだから!!」
止め刺してるよ、レオナさん。と内心ムジカは思いながら
「フォルカさん、こういう時ってどうすれば———ってなんでこっち向いてくれないの!?」
「俺を巻き込むな、ムジカ」
「ヒドっ!!」
「まぁまぁ、せっかく二人が仲直りしたんだから———」
とエクセレンがまとめあげたとき、キョウスケが口を開く。
「そういえばさっきから思ってたんだが——」
「なんだ?」
「さっきから、タスクはレオナの乳を揉んでないか?」
「「「「「「……………………………………」」」」」」
( ゚Д゚)×7
「邪魔者は撤退するか……」「そ、そうですね」
「後は二人でなんとでもしろ」「心配して損したわ」
「結局、ボクはいじられ損………」「何がどう邪魔者かは分からんが………」
彼らが帰る後ろで何か肉を潰すような音がしたが気にしない事にしたのは言うまでもない。
まぁ、ホワイトデーにプレゼントする際は何かアプローチかけといたほうが喜んでくれるのでは?ということで一つ。
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その139
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1173374026/l50
928 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:32:02 Ghc5az7W
長い上に蜜柑。もとい未完の話だがまあいいや。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「——すいません。突然」
伊豆基地。ケネス・ギャレット准将へ前回の戦果報告をしに行った帰り。廊下の向こうから聞きなれた声がした。
レフィーナ・エンフィールド。イカロス基地の士官学校を主席で卒業し、若干19歳ながらヒリュウ改の艦長としてその腕を振るう才女。
L5戦役を始めとした数々の戦いで艦を並べ、戦った人物である。
戦時中はともかくとして、今は平時。小規模紛争に大型艦を二隻も投入することは無く、直接会う機会はなかなかなかった。
丁度いい機会と思い。テツヤ・オノデラは軽く挨拶でもと、声のするほうへと足を向けた。
——するとそこには、涙を流しながらも笑顔を浮かべて話をするレフィーナ。
そしてそんな彼女にハンカチーフを差し出すリー・リンジュンの姿だった。
和やかな雰囲気を醸し出しながら話を続ける二人。
その光景に少なからずショックを受けたテツヤは、話の内容すら耳に入らず。ただ静かにその場を離れることしかできなかった。
翌日。ハガネの艦橋では艦長席に座り込み、大きな影を背負ったテツヤの姿があった。
ブリッジ要員であるエイタやリオも、そのただならぬ様子に話しかけることも出来ず。ブリッジはいつになく重い雰囲気が漂っていた。
「各補給物資、および機動兵器の搬入完了。いつでも出港できます……艦長?」
「あ、いや、すまない。発進してくれ。最初の目的地は北米地域。到着後すぐに付近の哨戒任務に入るぞ」
「了解。こちらスティール2。コントロール、発進許可願います」
『こちらコントロール。発進を許可します。快適な航海を』
「ありがとう」
「よし。スペースノア級万能戦闘母艦ハガネ。発し「艦長。通信が入っています」ん?」
「回線、回します」
発進の号令をかけようとしたまさにその時、ハガネに向かって入ってきた一本の通信。
回線を繋いで見ると、そこに映し出されたのはレフィーナ・エンフィールドの姿だった。
「レフィーナ艦長……」
『お久しぶりです。オノデラ艦長。戻ってくるなりまた哨戒任務だそうですが、気をつけてくださいね』
「まあ上司に睨まれてる以上は仕方がありませんよ。ご心配はありがたく頂いて……」
最後にこうやって会話をしたのはいつだったか。
久々の会話に心が躍るところも無いではなかったが、次の瞬間、前日のことを思い出す。
レフィーナとリー。共に士官学校の主席卒業者であり、それぞれの所属地での評判も良い。まさにお似合いと言えるかも知れない二人のことを。
『……艦長? オノデラ艦長?』
「っ! すいません。何ですか?」
『どうしたんですか。ぼーっとして。
それでですね。今回の航路はどのようなルートをお通りになるんでしょうか』
「あ、はい。照会すれば出てきますが、今回は北米地域から……」
それから二人はしばらく、今回の任務の目的や航路などについて話し合い。通信を終えた。
だが通信を終え、北米へと向かい出しても、テツヤの影は晴れず。相変わらず重い雰囲気がブリッジを支配し続けていた。
「ダメだな……」
艦長室。
かつてはミナセ・ダイテツが使っていたその部屋も、今ではテツヤが自分の居室として使用していた。
テツヤとしてはあくまでも艦長代理であり、そのままにしておきたかったようではあるが。周囲からいくつもの反対意見が出た結果。こうして使うことになったのである。
そんな部屋のベッドに寝転がりながら、テツヤは軽い自己嫌悪に陥っていた。
先日のリーとレフィーナの様子にショックを受け、ブリッジの空気を悪くしただけでなく、当の本人にさえ心配をかける。泣きっ面に蜂をでも言うべきか。幾つもの要因が重なった結果、自分は艦長として本当にふさわしいのか。それさえも疑問に思える始末であった。
いっそ哨戒任務の間中、部屋で寝ていようか。
そんな考えが頭を巡っていたその時、突如として艦中にエマージェンシーが響き渡った。
『艦長! 前方の街がDC残党の襲撃を受けている模様! 至急ブリッジへ戻ってください!』
「何っ!?」
急ぎ、ブリッジへと戻ったテツヤが目にしたものは幾つもの黒煙を上げる街。そしてそこへ向かって飛び立つSRXチームの姿だった。
「なぜSRXチームが出ているんだ!」
「艦長! リュウセイ少尉が勝手に出撃してしまって。後のメンバーもそれを追って!」
「くっ。状況が状況だけに仕方が無いか。ハガネも彼らを追うぞ! PTだけでは各個撃破される危険性がある!
だが、それにしても。DCはなぜあんな街を襲うんだ」
かつての戦いにおいて、DCはそのほとんどが壊滅。現在でも残っているのはわずかな勢力に過ぎない。
もし、DC再興を目指しているというのなら、拠点となる軍事基地を真っ先に襲うはずである。だが現実には目の前の街が襲われ、無残な姿を晒すこととなっている。
「簡単ですよ。生きるには食べる物が必要です。PTを動かすには資材や資金が必要です。そしてそれが豊富に存在しているのは軍事基地ではなく……市街地です」
「だからと言って……くそっ!
住民の避難はどうなっている!」
「ほとんどはシェルターなどに避難済みです。でも一部の住民が取り残されてると」
「SRXチームはどうしている!」
「さすがに彼らだけでは抑え切れていません。救出に向かわせるのは無理です!」
「ならハガネを向かわせる! 進路変更。取り残された住民の救出を最優先とする。
SRXチームにも極力早めに艦の防衛に回るように伝えてくれ」
「了解!」
悪い時には悪いことが重なるもの。その言葉を噛み締める。
ならばせめて、これ以上悪いことにならないよう……。思わず、信じてもいない神に向かってそう願ってしまうテツヤだった。
「クソッタレ! なんでこんな大量のエルシュナイデが残ってやがるんだ!」
「北米基地の元司令官が誰か忘れたのか?
わざとかどうかは知らんが、撃ち漏らした連中がどれだけいても不思議ではないだろう!
それと何度も言うが、あの機体の名称はエルアインスだ。エルシュナイデはまだマオ社で作成中だということを忘れるな!」
「どっちでもいいから早く合流して!
このままだとハガネに辿り着くよりも先に各個撃破されるわよ!」
ハガネに先行。というよりは専行して市街地へと向かったSRXチームであったが。残党にしては多すぎる数の敵に取り囲まれ、絶体絶命の状況下にあった。
多少の数であれば、まだSRXチームに分があったであろう。だが相手が操る機体は、以外にもエルアインス——かつてシャドウミラーからノイエDCへと供与された『向こう側』のRシリーズ——であった。
「リュウ! R-WINGで無理やりにでも囲みを抜け出せるかしら?」
「無理だ! 抜け出せたとしても砲撃は敵さんの得意分野だ。
ロボアニメでもない限り変形中を狙われちまう!」
「仕方ないわね……。ライ! R-2の装甲を当てにしてもいいかしら?」
「了解です。大尉に合わせてハイゾルランチャーを打ち込みます。リュウセイは出来た間隙を縫って大尉の援護に回れ。俺はその後だ」
「OK! タイミングは任せ……アヤ!」
通信とフォーメーションの構築に気を取られていたアヤ。気がつけばR-3の上から、エルアインスのビームキャノンがまさに狙いを定めているところだった。
「しまっ!?」
両肩のビームキャノンに光が点り、放たれようとしたその瞬間。
上空から真下へ黒い影が抜け。同時にエルアインスを撃ち落としていった。
「なっ!?」
大地に降りた影は、そのまま戦場を駆け抜け、瞬く間に数機の敵機を蹴り落とした。
「大尉! 敵が動揺している今のうちに合流を!」
「そ、そうね。合流ポイントを送るわ。二人とも速やかに集結!」
突如現れた影に敵は浮き足立ち、その隙をついてSRXチームは囲みを脱し、合流地点へと急いでいた。
その間にも影は戦場を走り、あろうことかその拳と脚だけで、敵部隊を圧倒していった。
「いったいあれは……
こちらSRXチーム、アヤ・コバヤシ大尉。所属不明機、名前と目的は。こちらSRXチーム」
他の二機との合流の間、アヤは正体不明の影に向けて通信を送る。
すると意外なことに、影は即座に返答をよこした。
『アーウィン・ドースティン——正義』
簡潔に。影——黒いゲシュペンスト——は断言した。
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931 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:35:23 Ghc5az7W
ってことで未完の話をぐだぐだと。
んじゃ続きはODEが解除された辺りに……できるといいなあ。
933 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:38:44 O28Xvu8b
>>930
ライスピネタktkr!!
でもそのキャラはジェスのがあってる気がする
934 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:39:52 iHMjdLws
>>932
今気づいた。そこまでして出番が欲しいのか、ダディ…。
935 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:45:00 Ghc5az7W
>>933
あー。ジェスか。個人的にジェスは内に秘めた闘志ってよりは、むき出しの闘志っぽいんで。
個人的な補正をかけてウィンにしたんだ。
何せ、俺ライスピ読んだ事ないから! セリフからイメージするしかないから!
ただ、面白いという話は聞くので仕事終わったら1巻だけ買ってこよう。
そして昼休みが終わるので仕事へ戻る。
936 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/12(月) 13:50:00 id4atix8
>>931
続き、ずっと待ってる!ずっと、ずっと…ずっと待ってるから!!ここで待ってるから!!
スーパーロボット大戦OGで萌えるスレ その139
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1173374026/l50
399 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/10(土) 13:23:24 4/8HQGyd
ここで流れをオルゴンソードFモード
996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/09(金) 11:11:44 ID:4SdLlExB
>>996なら苦労人sに心の安らぎを
これのSSを書いて見たので
誰か投下の承認を。
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402 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/10(土) 13:39:25 4/8HQGyd
初春のある日、久しぶりに大きな休暇が取れたので四人で箱根に行くことになった。
「日頃色々お世話になってるんだからさ、四人でゆっくり羽を伸ばして来たらいいよ」
きっかけは、テニアのその一言だった。
ラキ、リム、アイビス、ツグミ、三人娘、ミナキが日頃のお礼ということで
2泊3日の温泉旅行を提案してきたのだ。
普段なら妹や同居人が付いて来るなどと騒ぐはずなのだが、
今回はどうやら、「いつも苦労をかけてるから」と言う事で、みんなで話し合って決めたらしい。
「いい眺めだな…クロガネの窓から見るよりもずっと綺麗だ」
「そりゃあ、間近だからな。お、見ろ、ロープウェイが見えてきたぞ」
「ラキも来れば良かったのに…無理しやがって」
「ま、その分お土産はきっちり要求されたし」
「ところで紫雲、この電車から降りた後は?」
「とりあえず駅の近くで昼飯食べてから、博物館ですね」
「おもちゃ博物館・・・か。リュウセイにも土産頼まれてるしな」
「カティアにも何か買っていってやるかな…あ、ジョッシュさんのど飴舐めます?」
「サンキュ。…しかし旅行なんて久々だな。
リムや親父に気兼ねすることなくゆっくり羽を伸ばせそうだ…」
「あ、そろそろ降りないと」
「おもちゃか…クリフが確かまだ取ってあるとか言ってたな」
「俺も買って貰ったことはあるけど、どこにしまったかなぁ…しかし懐かしい」
「なかなか造形が深いな…。リュウセイへの土産はここで揃えるか」
「トオミネへの土産はどうする、何か希望は受けているのか?」
「うーん、何でもいいって言ってくれたけど・・・スレイ、あんたならどうするんだ?」
「無難にブローチなどはどうだ?…私もセレーナ達に土産を買わなければならんしな」
「カティアはおもちゃ系、テニアとメルアはお菓子は鉄板として…」
「お、懐かしいなぁ。変身サイボーグか…リュウセイがここに来たら大変だろうな」
「カティアもね…しばらくここで足止め食らったでしょうね」
「あー、着いた着いた。とりあえず俺は露天風呂入ってくるぜ」
「あ、じゃあ俺も一緒させてもらうかな。ジョッシュさんは?」
「俺は後でいい。隣の部屋のスレイにも声掛けていけよ。」
「あ゛ー…静かだ……日頃のストレスが洗い流されていくようだ…
無茶な要求もされない…三食作る必要もない…家計簿をつける必要もない。
皆に気苦労をかけたり気苦労をかけられたりする事もない…」チャポン
「あの三人を纏め上げてるお前はホントたいしたもんだよ。いい機会だ、しっかりリフレッシュしとけ」シャカシャカ
「そっちも、ミナキさんにいつも振り回されたりバイトを3重4重に掛け持ったり・・・
DGG乗りって色々大変でしょう。」
「違いねーや。しっかし時間が時間だからか、空いてるなぁ。」
「はふっ、あつっ、うま」
「あっつつつつっ」
「しかしこうやって集団で鍋をつつくなんて久しぶりだな・・・あ、スレイ、ネギ気をつけろよ、芯が飛び出すから」
「分かっている、そんなドジを(ガリッ)————ッ!?」
「あぁもう、だから言わんこっちゃない。ほら水」
「スマンな・・・トウマ」
「しかしこの蟹美味いなぁ。レーツェルさんお墨付きの旅館選んでよかったよ」
「いつになく落ち着いた晩飯になったな。こういう鍋物だとクリスがすぐに甘い物を入れようとするから…。」
「こっちはテニアが肉類を真っ先に取っていくからなぁ…落ち着いて食べられたためしがない」
「二人とも色々苦労してんだなぁ。・・・スレイ、どしたんだ?」
「…あ、いや、ツグミが作った風味豊かな澄まし汁の事を思い出していた」
「あぁ・・・ハイペリオンで外宇宙行ってる時に食べたって言うアレですか」
「まぁな…何というか・・・」
「そろそろ具が少なくなってきたな。雑炊いくか?」
「あ、お願いします」
「やっぱ鍋の最後はこれだよな。」
「俺も何度かやってるが、やっぱりうどんより雑炊だな」
「これもまた美味そうだな。私のも頼む」
「あ、月だ」
「ほんとだ。綺麗な三日月だな」
「曇ってないからな。くっきりとよく見える」
「今頃シャナ姫も晩餐の最中かな?」
End
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405 :399 :2007/03/10(土) 13:42:16 4/8HQGyd
以上。
前に投下されたα主人公+リュウセイのSSの文面を意識してみたけど
やっぱ難しいな。
410 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/10(土) 14:14:22 L3LjXYeO
410 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/10(土) 14:14:22 L3LjXYeO
貴様ら、何故>>405にGJの一つも出してやらんのだ!可哀想だろうが、折角書いてくれたのに!
というわけで投下乙、会話だけで綴られた苦労人ズの様子が哀愁漂うもので「ああ、本当にこいつら苦労してるんだな……」と感じさせられました
また機会とネタがあったら投下してやってください。GJでした!
411 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/03/10(
